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フェイクニュース対策には「記事の見出しが正確かどうか」を考えさせることが有効


インターネットの普及やSNSの拡大によりニュースを目にする機会が飛躍的に増加するのに伴い、「フェイクニュース」が大統領選にすら影響を与えうる社会問題と化しています。そんなフェイクニュース対策には、「記事の見出しが正確かどうかを考えさせる」ことが有用という研究結果が発表されました。

Shifting attention to accuracy can reduce misinformation online | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-021-03344-2

A remedy for the spread of false news? | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
https://news.mit.edu/2021/social-media-false-news-reminders-0317

Distraction Helps Misinformation Spread. Thinking About Accuracy Can Reduce it. | by Jigsaw | Jigsaw | Mar, 2021 | Medium
https://medium.com/jigsaw/distraction-helps-misinformation-spread-thinking-about-accuracy-can-reduce-it-a4e5d8371a85

記事の見出しの精度について考えさせることがフェイクニュース対策になり得ることを示したのは、カナダ・レジャイナ大学心理学部のゴードン・ペニークック氏ら。ペニークック氏らはまずAmazonのクラウドソーシングサービスであるAmazon Mechanical Turkによって集められた被験者1015人を対象に、「見出しの正確性をどの程度重視するか」を調べるアンケート調査を行いました。

被験者はSNS上でニュースをシェアする際に、その内容について「Surprising(意外さ)」「Politically aligned(政治的中立性の度合い)」「Funny(滑稽さ)」「Interesting(興味深さ)」「Accuracy(正確さ)」の5項目について「Not at all(全く重視しない)」から「Extremely(極めて重視している)」の5段階で評価するように求められました。その結果、以下のように「Accuracy(正確さ)」を重視する傾向が非常に強いことが判明。「ニュースは内容の正確さが重視される」ことが確認されました。


しかし、続く実験で「実際にSNS上でニュースをシェアする際には、正確性を重視しない」ことが明らかになりました。ペニークック氏らは被験者に実際のニュース記事の見出しを見せ、被験者にどのニュースをシェアするかを尋ねました。

実験に用いられたニュース36件は、半分は真実を報じたニュースでしたが、もう半分は「メキシコ移民500人が『自殺ベルト』所持により逮捕」といった見出しのフェイクニュースでした。しかし、この実験の結果、こうしたフェイクニュースについて「実際のニュースだと信じている」と回答した人の割合は18.3%だったにもかかわらず、「シェアを検討する」と回答した人の割合は37.4%に達しました。

以上の結果から、人はニュースは正確性が非常に重要だと考えており、それなりの精度でフェイクニュースを見抜けるにもかかわらず、フェイクニュースをシェアしてしまうことが示唆されました。この結果に対し、ペニークック氏らが対策として提示しているのが、特定の刺激を前もって与えることによってある種の行動を促すという「プライミング効果」を利用した「見出しの正確性を考えさせる」という戦略です。

ペニークック氏らは、プロのファクトチェッカーによって「全く信頼できない」と判定されたニュースをシェアした経歴を持つTwitterユーザー5379人を対象に、「ニュースの見出しについて正確性を考えてもらう」という実験を行いました。ペニークック氏らは以下のように「HOW ACCURATE IS THIS HEADLINE?(この見出しはどれだけ正確でしょうか?)」という文言を大きく記した上でニュースを送信し、被験者に見出しの正確性を考えるように促しました。


その結果、見出しの正確性を考えるように誘導されたTwitterユーザーは、「シェアするニュースの正確さと質が向上する」という結果が得られたとのこと。

一連の実験結果について、ペニークック氏らは「深刻なニュースと感情を揺さぶるコンテンツが混在し、シェアしたニュースに関する定量的なフィードバックを即時で受け取れる現在のSNSの設計が、正確性について考える能力を奪っている可能性がある」と指摘。見出しについて正確性を考えてもらうことがフェイクニュースをシェアする確率を減らしたことから、適切な介入によってオンラインで流通するニュースの質を高めることができると主張しました。

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in メモ, Posted by log1k_iy

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