ファイザーの新型コロナワクチンの有効性は「94%」だと120万人を対象とした研究で判明
2021年2月24日、ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンに、発症率を94%低下させる有効性がみられたとする研究結果が発表されました。この研究はイスラエルのクラリット研究所が行い、医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に学術論文を掲載しています。
BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting | NEJM
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2101765?query=featured_home
Great News! Pfizer Vaccine 94% Effective in Huge Real-World Study of 1.2 M People
https://www.sciencealert.com/first-real-world-study-on-pfizer-s-vaccine-confirms-it-s-94-percent-effective
クラリット研究所はイスラエル最大の総合医療機関「クラリットヘルスサービス」において、2020年12月20日から6週間のうちにファイザー製のワクチンを接種した約150万人を調査。そのうち研究対象として的確な約120万人を、年齢・性別・地理的プロファイルなどが類似したワクチン非接種者と対照し、ワクチンの有効性を観察しました。
その結果、2回にわたるワクチンの投与を受けた人物は、2回目を接種してから7日目以降のCOVID-19の発症率が94%低下したことが確認されました。1回目の投与でも、接種から2~3週間経過後に発症率が57%低下したということも確認されています。
研究に使用したワクチンはファイザーとバイオテクノロジー企業「BioNTech」が共同開発した「BNT162b2」で、このワクチンは開発中から「90%を超える予防効果がある」とする外部の独立委員会の報告が行われていました。
「90%超の予防効果がある新型コロナワクチン」をファイザーが開発したと発表 - GIGAZINE
今回のクラリット研究所の研究結果に対し、外部の専門家は「参加者らは体系的な検査ではなく必要な時にのみ検査を受けていたため、研究結果に確証があるとは言えない」と語ります。フロリダ大学の医療統計学者であるナタリー・ディーン氏は「ファイザーワクチンには強力な効果があることを確信している」と言い添えつつも、「常に全員を検査しない限り、いくつかの感染症を見逃すことになる」と忠告しています。
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