レビュー

超ハイクオリティなミニチュアと共に人類を守る巨大ロボットとドラゴンがぶつかり合うボードゲーム「ドラゴンギアス」プレイレビュー


巨大なドラゴンが率いるドレーク(竜族)から人類を救うべく、魔女が操作する巨大ロボット「ヘクスギアス」と騎士団が立ち向かう……という壮大な世界観を基に遊ぶ対戦ミニチュアボードゲーム「ドラゴンギアス」が、2021年2月27日(土)に登場します。ボードゲームメーカーの「アークライトゲームズ」と、立体物メーカーとして有名な「Max Factory」がコラボしたこの超大型ボードゲームを、実際にミニチュアを組み立てて遊んでみました。

超新感覚ミニチュアゲーム『ドラゴンギアス(Dragon Gyas)』| MAXFACTORY × Arclight Games
https://www.dragongyas.com/

◆ゲームの中身はこんな感じ
◆ミニチュアを組み立ててみた
◆組み立てたミニチュアをじっくり眺めてみた
◆ゲームの準備
◆実際にゲームをプレイしてみた
◆感想

◆ゲームの中身はこんな感じ
ドラゴンギアスのパッケージはかなりの大きさで、身長165cmの編集部員が抱えるとこんな感じ。


プレイ人数は1~4人、プレイ時間は60分、対象年齢は15歳以上を想定しています。


パッケージの側面には「こだわり抜かれた造形 繊細で力強いミニチュア!!」とアピールされていました。


ゲームデザインは川崎晋氏、メインディベロップは橋本淳志氏、原作・ストーリー・世界観設定はイシイジロウ氏、メインイラストは西村キヌ氏。また、ミニチュア造形は高木アキノリ氏、メカニックデザインは絵を描くPETER氏が務めています。


パッケージを開けてみると、青を基調としたモノクロイラストが描かれた箱が2つ詰まっていました。


ボール紙製の箱の側面には「BOX A」「BOX B」と書かれています。手に持ってみた感じではかなり軽め。


BOX Aを開けたところ。BOX AとBOX Bには、プラモデルのパーツのように、ミニチュアのパーツがついたプラスチック製のランナーが複数入っています。


そして、2つの箱の下には、赤を基調としたモノクロイラストが描かれた「BOX G」が入っていました。厚紙製で、ずっしりしています。


BOX Gを開けると、入っていたのはミニチュア組立て説明書とルールブック。


ゲーム中に使う厚紙製のパネル


ゲームボードとなるバトルフィールドと、ゲーム中についたてとしても使うサマリー。


ソロプレイ用の設定カードとアクションカード


セットアップ用カードと、コントロールカードが青と赤の2種類。


イニシアチブカードと、3~4人プレイ用カードが青と赤の2種類。


イニシアチブカードは騎士団側(赤)とドラゴン側(青)の2種類。人類&ヘクサギアス側のイニシアチブカードには2・4・6・8・10の偶数が、ドラゴン側のイニシアチブカードには1・3・5・7・9の奇数が書かれています。


HPを表示するトークンと、ダメージトークン(黒)と行動済みトークン(黄)


◆ミニチュアを組み立ててみた
「BOX B」は中身が白いパーツで、騎士団側のミニチュアとなります。メインのランナーは4枚で、ミニチュアの台座は小さい円形のものが7つ、大きい六角形のものが1つ。さらに5つのマーカーがついた小さなランナーが1つ。なお、ドラゴンギアスのミニチュアを組み立てるには、最低でもニッパー・接着剤が必要です。


分厚い装甲に身を包む兵士や……


騎兵が乗りこなす鳥。背景に写るカッティングマットのマスが1cm四方なので、このミニチュアはだいたい5cmほどの高さですが、かなり精巧にできています。


パーツはニッパーでランナーから切り出します。


以下は、重装兵のミニチュアのパーツ。


ランナーとパーツをつなぐゲート部分をデザインナイフで切り落とし……


パーツ同士を合わせてから、流し込み接着剤で接着します。パーツの合わせ目のほとんどは関節やヨロイの隙間など目立たないところにあり、仮固定するための継ぎ手がないパーツも多いので、パーツ同士を合わせて接着剤を流し込むには少しコツが必要かも。しかし、合わせ目を消す処理をしなくても、十分クオリティの高いミニチュアを組むことができます。


完成した重装兵のミニチュアはこんな感じ。1つのミニチュアはだいたい10分~15分ほどで組み上がりますが、接着剤の乾燥には時間がかかるので、組み立ててすぐ遊べるわけではありません。


完全に神社の鳥居に見えるパーツ


説明書を見ながら一つずつ組み立てていきます。鳥居のパーツは機械のようなパーツと組み合わさります。


日本刀と2本の折れ曲がったパーツ


組み上げると、刀を構える巨大ロボット「ヘクスギアス」のミニチュアが完成。


鳥居はヘクスギアスが背中に背負っているパーツでした。


ヘクスギアス専用に、崩れ落ちた日本家屋のような土台パーツが用意されていました。神社の鳥居の下からへクスギアスが出てきて、本殿か社務所が崩れたようなイメージでしょうか。


続いてBOX Bのパーツを組み立てます。ドラゴン側は黒一色のパーツで、メインランナーが4枚、5つのマーカーがついた小さなランナーが1枚。ミニチュアの台座は小さい円形のものが7つ、大きい六角形のものが1つ。


全体的にゴツゴツしたデザインだった騎士団側と異なり、ドラゴン側のパーツはとにかく非常に細かく作られているイメージ。


細くとがった部分も多く、ランナーゲートと間違えてパーツを切ってしまう可能性もあるので、かなり注意深く作業を進める必要があります。


ドラゴン側のミニチュアは、組み立てにかかる時間が1体につき20分~30分と、明らかに騎士団側のミニチュアよりも手間がかかる印象。しかし、高さ数cmサイズのミニチュアとは思えないほど作り込まれています。


ヴルフドレークの後ろ足には、かぎ爪がしっかりと生えています。大量生産されるプラスチックランナーにもかかわらず、爪や牙、うろこなどがきっちりと造形されており、作っていて思わず唸ってしまうほど。


例えば、ワームドレークのミニチュアを構成する9つのパーツが以下。


「ワームドレーク」ということで、節足動物らしい節を持った足と、外骨格の隙間から見える生体膜、鋭くとがった爪が特徴的。


組み上げるとこんな感じ。成形色が真っ黒ということもあり、よりリアルで不気味な印象を受けます。ドラゴン側のミニチュアも、パーツの合わせ目が関節の付け根や外骨格の隙間に隠れるようにデザインされているので、ヤスリで削ったり整えなくても十分高い出来になります。


足元には積み上がったドクロ。騎士団側は8体全部で1時間30分ほどで組み上がったのに対し、ドラゴン側のミニチュアは8体全部で3時間弱かかりました。ドラゴン側のミニチュアはパーツが細かいこともあり、組み立て難度は騎士団側よりも高いといえます。


◆組立てたミニチュアをじっくり眺めてみた
騎士団側のミニチュアは小さいサイズの「騎士団」が5種類、大きい「ヘクスギアス」が1種類あります。


鳥にまたがった「騎兵」。右手には弓を装着しています。


鳥の羽毛や足の肌の質感も細かく作りこまれています。


ワイヤーらしきものにつかまり、器用に建物の壁を進む「工兵」


医療器具の入ったポーチを左腕に装着した「衛生兵」は……


戦場で倒れた兵士に手を添えています。


巨大な槍と分厚い盾を構えた「重装兵」


盾に刻まれた鳥居型の紋章


足元には、倒した敵が横たわっていました。


他の騎士団ミニチュアよりも一回り大きい「騎士長」


騎兵と同じように鳥にまたがっており、旗がついた槍を背負っています。


そして、騎兵ミニチュアの2~3倍ほどの大きさをした「ヘクスギアス」


背中に背負う巨大な鳥居


ヘクスギアスのフレームはやや華奢(きゃしゃ)な印象を受けますが、半身をとって巨大な日本刀をしっかり構えています。


ドラゴン側は真っ黒なミニチュア。ドレークのミニチュアは5種類7体用意されています。


犬のようなヴルフドレークは、木の枝の上をつたって歩いている様子。


ゴリラのような太い両腕を持つのはエイプドレーク。


リジェネドレークは仲間を再生する小型竜とのことですが、その見た目は竜というよりも食虫植物のような感じ。


側面から見ると、リジェネドレークの胴体全体が口となっていて、牙が生えそろっていることがわかります。


虫のような見た目をしたワームドレーク


ヘルムドレークは、小型竜の名にふさわしく、背中に翼が生えて角が生えています。


曲線で構成された翼は1枚が1つのパーツで構成されており、すでにランナーの段階で穴が空いています


そして、ドレークたちを束ねるのが巨大なドラゴン。


牙をむき出し、大きな角を生やした頭部


背中には巨大な翼。筋肉やウロコの凹凸もしっかり刻まれています。


足元には石塔の一部が倒壊しています。


なお、「ミニチュアを全部組み立てるのは面倒、早く遊びたい!」という人のために、厚紙とスタンドで簡単に作れるコマも用意されています。


◆ゲームの準備
「ドラゴンギアス」は2つの陣営がミニチュアを動かしながら相手のヘクスギアスあるいはドラゴンを攻撃するというルール。攻撃が決まるとHPが減り、どちらかの陣営がすべてのHPを失うか、5ラウンドが経過するとゲーム終了となります。

まずは2人プレイで遊んでみます。人間&ヘクスギアス側の手元にはコントロールカード、騎士団ミニチュアの攻撃や行動を記した騎士タイル7枚、イニシアチブカード5枚、ヘクスギアス探査タイル5枚、HPマーカー(青)7つと魂マーカー(赤)3つを配布。


ドラゴン側にはコントロールカード、ドレークタイル7枚、イニシアチブカード5枚、ドラゴン探査タイル5枚、HPマーカー(青)10個を配布します。


机の中央にバトルフィールドを置き、最初の準備段階で各陣営の手元が見えないように、2枚のサマリーを折り曲げてバトルフィールドの中央に立てておきます。


騎士団/ドレークタイルにはミニチュアの攻撃や行動が書かれており、ゲーム中に参照できるように手元右側に配置します。


各コントロールカードは移動カード・攻撃カード・スペシャルカードが6枚ずつあります。このうち攻撃カードとスペシャルカードを3枚ずつ選び、移動カードと合わせた合計12枚を手札とします。なお、攻撃カードとスペシャルカードは戦略に合わせて自由に選ぶことができますが、最初のプレイでは説明書に載っているおすすめの構成を採用しています。


続いて弱点タイル5枚を左側に設置します。弱点タイルは「真の弱点/逆鱗(げきりん)」1枚・「弱点」1枚・「装甲」3枚の3種類。


ヘクスギアスやドラゴンの六角形の足座は正面の辺に三角形のマーク(赤枠)があり、そこから時計回りに5つの攻撃箇所が存在します。この5つの攻撃箇所のうち、攻撃が通るのは「弱点」と「真の弱点/逆鱗」の2箇所だけこのゲームでは、まずはヘクスギアスあるいはドラゴンに対して弱点探査を行い、どこが「弱点」「真の弱点/逆鱗」かを探り当て、そこに攻撃をかけるという段階を踏む必要があります。


そのため、5つの攻撃箇所のどこに「弱点」あるいは「真の弱点」を設置するかが重要。相手に見えないように、弱点タイルをバトルフィールド上に裏向けて配置します。


そして、騎士団/ドレークミニチュアを六角形の小マスの上に、大きなヘクスギアス/ドラゴンミニチュアを大きいマスの上に配置します。どのミニチュアをどこに配置するかは自由。


ミニチュアの配置が終わったら、バトルフィールド中央に立てたサマリーを外し、各陣営の横に置きます。これで準備完了。


◆実際にゲームをプレイしてみた
ゲームはラウンドを繰り返すことで進み、1ラウンドは「イニシアチブフェイズ」「コントロールフェイズ」「コマンドフェイズ」「エンドフェイズ」で構成されます。5ラウンドが終了しても決着がつかない場合は、自動的にドラゴン側の勝利となります。人類は5ラウンド以内にドラゴンを倒さなければ、勝利を得ることができません。つまり、ゲーム開始時点ですでに人類/ヘクスギアス側は、ドラゴン側に対して不利な戦いを強いられていることになります。

「イニシアチブフェイズ」では、各陣営は5枚配られたイニシアチブカードのうちの1枚を選んで同時に公開します。そして、イニシアチブカードで大きい数を出した陣営がそのラウンドで有利な立場となります。

今回、騎士団側は「2」のカードを、ドラゴン側は「5」のカードを公開。つまり、第1ラウンドはドラゴン側がイニシアチブを取ったことになります。なお、一度使ったイニシアチブカードは捨て札となり、ゲームから排除されます。


次に、ヘクスギアス/ドラゴンの行動を決定する「コントロールフェイズ」を進めます。各陣営はコントロールカードから3枚を選び、サマリーの「コントロール1」「コントロール2」「コントロール3」に裏向きで配置します。このとき、コントロールカードをどの順番に配置するのかが重要なので注意が必要です。


両陣営ともコントロールカードを3枚置いたら、コントロール1から順番に、同時に公開します。今回、騎士団側は、ヘクスギアスの方向を変えられる「ターン」を出しました。


一方、ドラゴン側も同じ「ターン」を出しました。コントロールカードは、コントロールカード左上に描かれる矢印の数が多い方を先に処理します。ただし、今回はどちらも矢印が同数なので……


イニシアチブフェイズでより大きな数を出したドラゴン側が、先にドラゴンミニチュアの向きを変えます。


騎士団側もヘクスギアスの向きを変えた後、同じようにコントロール2とコントロール3のカードを順番に公開して処理していきます。


騎士団側は「ドラゴン滅ぶべし!」と、強大な兵器であるヘクスギアスをいきなり敵陣のど真ん中に突っ込ませる戦略に出ます。


対するドラゴン側は、ヘクスギアスから逃れつつ、ドレークに囲まれるマスへ移動することで守りを固めました。


コントロールフェイズが終わったら、騎士団/ドレークミニチュアの行動を決定する「コマンドフェイズ」を行います。コマンドフェイズは、イニシアチブフェイズで出したイニシアチブカードの数の差で、行動回数と順番が変わります。もちろん有利な陣営の方が先に行動したり行動回数が多かったりするので、イニシアチブフェイズの結果が鍵を握ります。

コマンドフェイズで先に行動できるのは、イニシアチブを取ったドラゴン側。ミニチュアは「移動+アクション」もしくは「再出撃」のどちらかを1ラウンドに1回だけ行うことができます。ミニチュアの移動力はタイルの左上、ミニチュアのHPはタイルの右上、ミニチュア特有のアクションはタイル下部に書かれています。


たとえば、ヴルフドレークは移動力4なので、最大4マスまで動くことができます。


さらにヴルフドレークは、隣接したヘクスギアスの部位1か所に対し弱点判定を行う「弱点探査」というアクションを発動できます。以下の画像の状況だと、ヴルフドレークは赤い枠がついた2か所のうちどちらかについて、弱点かどうかを調べることが可能。探索する箇所は「(正面から)○番目」というように、数字で指定します。


ドラゴン側は3番の弱点を探索すると宣言。騎士団側が指定の弱点タイルをめくったところ、装甲を示すマークが表示されました。弱点ではなかったので、ひとまずヘクスギアスは攻撃を受けずにすみそうです。


ヘクスギアスの台座に、装甲を示すマーカーを装着します。また、行動が終わったヴルフドレークの横には、行動済みマーカーを置きます。


これに対して、騎士団側は自身の手番で重装兵をヴルフドレークの隣のマスに移動させました。重装兵は隣接するドレークに1のダメージを与えることができます。


HPが1しかないヴルフドレークは、重装兵にやられてしまいました。やられたミニチュアはバトルフィールドの端にある拠点エリアへと強制的に一時撤退。


さらに騎士団側は騎兵をドラゴンに隣接させ、弱点を探索します。


ドラゴン側が指定された探索箇所の弱点タイルをめくると、「弱点」を示すアイコンが出現。ドラゴンの弱点が判明したため、騎士団はこの弱点に攻撃を仕掛けることでドラゴン側にダメージを与えられるようになります。


コマンドフェイズで両陣営がすべての手番を終わらせたら、「エンドフェイズ」を行います。使用したイニシアチブカードとコントロールカード3枚を捨て札にします。そして、捨て札の中からコントロールカード2枚を選んで、手札に戻し、次のラウンドに移行します。


相手にダメージを与えるためには騎士団/ドレークミニチュアでヘクスギアス/ドラゴンの弱点を狙って攻撃しなければなりません。しかし、ヘクスギアス/ドラゴン同士で攻撃する場合は、弱点に関係なくそのままダメージが与えられます。例えば、2ラウンド目のコントロールフェイズで、イニシアチブを取ったドラゴンがヘクスギアスに攻撃をするべく、距離を詰めてきました。


「おそらくドラゴンが仕掛けてくるぞ」と読んでいた騎士団側は、ヘクスギアスの攻撃カード「魔力撃」をコントロール1に伏せていました。この魔力撃は、ヘクスギアスの左右斜め前1マスにダメージ3を与えることができるというカードです。


距離を詰めるつもりがヘクスギアスの射程に飛び込んでいたドラゴンは、魔力撃の攻撃を食らい、3ダメージを受けてしまいました。ドラゴン側は拠点左にあるHPマーカー置き場から、HPマーカー3つを拠点右のダメージマーカー置き場に移します。


しかし、ドラゴン側もスペシャルカードの「インフェルノ」をしかけていました。スペシャルカードはコストを支払うことで繰り出せる強力な攻撃で、「インフェルノ」は前方2マスに2ダメージを与えることができるというもの。さらに攻撃が当たれば魂に1ダメージを追加で与えることができます。


ただし、ドラゴン側はインフェルノを発動するために、HPマーカー1つをダメージマーカー置き場に移動しなければなりません。


騎士団側はHPマーカー2つと魂マーカー1つをダメージマーカー置き場に移動しました。HPマーカー10個を持っているドラゴン側と異なり、騎士団側は赤い魂マーカー3つをすべて失った時点で敗北が確定してしまうため、魂へのダメージは非常に大きな痛手。


さらにコマンドフェイズで、ドラゴン側がヘクスギアスの弱点を探索したところ……


なんと「真の弱点」が特定されてしまいました。真の弱点は攻撃されると1ダメージを受けるだけでなく、手札から1枚を捨て札にしなければなりません。手札が減るとコントロールフェイズで選択できる行動が減ってしまうため、さらに不利な状況に陥りやすくなります。


基本的に刀と魔法で戦わざるを得ないヘクスギアスの攻撃範囲は短め。ドラゴンが接近してきたチャンスにここぞとばかりに攻撃を繰り出しますが……


ドラゴンは小刻みにステップを刻み、ひらりとかわしていきます。


気がつくと、ヘクスギアスは背後をドラゴンにとられてしまいました。


さらにヘクスギアスは真っ先に敵陣に突っ込んでしまったため、どんどん攻撃箇所を探索され、弱点と真の弱点が両方とも特定されてしまう事態に。


しかし、騎士団側は5ラウンドが終わってしまうと自動的に敗北が決定してしまうため、とにかく攻撃を重ねて相手のHPを削っていくしかありません。そこで騎士団側は、イニシアチブを確実に取れるように大きな数字を出し、一度後ろに下がって方向転換をしてから、スペシャルカード「魂の矢」を発動する作戦にでました。


魂の矢は、ダメージマーカー置き場にある魂マーカーを捨て札置き場に移動させることで発動できる技。前方と斜め右前にダメージ2を与えることができるという貴重な遠距離攻撃です。


これに対して、ドラゴンは身を削って「インフェルノ」を再度発動し、ステップしながら動き回る作戦に出ます。


赤い矢印が「魂の矢」の攻撃範囲ですが、ドラゴンは絶妙にヘクスギアスの射程から逃れることができました。


そして、コマンドフェイズでヘクスギアスが2つの弱点を攻撃され、騎士団側が全てのHPマーカーを失ったため、ゲーム終了。ドラゴンたちの猛攻によって人類は敗北してしまったというわけです。


3~4人プレイの場合は、2人対1~2人に分かれてプレイします。ルールは2人プレイと基本的に同じですが、3~4人プレイの場合は3~4人プレイ用カードが追加されます。


3~4人プレイカードは強力な効果を持つカードで、イニシアチブフェイズで両陣営が同時に場に出します。効果によっては、不利な状況を覆すことも可能になります。


3~4人プレイの場合、1つの陣営を2人でプレイすることになります。1人はコントロールフェイズでヘクスギアス/ドラゴンの制御を行い、もう1人はコマンドフェイズで騎士団/ドレークの指揮を取るという二人羽織システム。仲間うちでこっそり話し合い、作戦を練ってプレイすることとなります。


◆感想
ドラゴンギアスで最初に目を引くのは、ミニチュアの造形です。手のひらサイズながら非常に精巧にできており、ゲーム用ではなく観賞用としても十分すぎるほど。プラモデルやミニチュアを作った経験が全くないと組み立てにかなりの労力を要する印象はありますが、時間をかけて丁寧に作れば問題なく組み上がります。また、プラスチックキットではパーツの合わせ目で不格好に見えてしまうことがよくありますが、目立たないところに合わせ目がくるようになっており、丁寧にランナーゲート跡を処理すれば、見た目が不格好になることはありません。

ゲームは厚紙+スタンドのコマでも遊ぶことができますが、とにかくミニチュアがよくできているので、ミニチュアで遊ぶ方がロールプレイ性が高まり、ゲームの世界観への没入感も上がります。なお、成形色は白と黒のみですが、シタデルカラーなどのミニチュア用塗料を使ってミニチュアを塗装することもできます。

ゲーム自体は将棋のような2人対戦のボードゲームになっていますが、「騎士団側とドラゴン側のパワーバランスが対称ではない」というのが将棋と違うところ。実際にプレイしたところ、ヘクスギアスの攻撃は射程が短く攻撃力もあまり高くないので、騎士団側はかなり厳しい状況に立たされやすくなる印象。バトルフィールドはそこまで広くないので、いやが応でもヘクスギアスとドラゴンがぶつかってしまう上に、騎士団側の方が敗北条件を満たしやすいので、どうしても騎士団側が不利な状況になりがち。騎士団側は常に高度な読みと戦略を求められるので、プレイ難度は高めといえます。


一方でドラゴン側は、ドラゴンの火力が高く、攻撃射程が長いものも多いので、人類を蹂躙(じゅうりん)する気分をしっかりと味わえます。実際にプレイした編集部員からは「ドラゴンはプレイしていて気持ちいい!」という声もあがりました。

また、イニシアチブカードと3~4人カードを組み合わせた駆け引きもゲームの魅力の1つなので、3~4人対戦でも問題なく遊べます。さらに、ソロプレイ用カードを使うことで、1人で遊ぶことができるのもうれしいポイントです。

ドラゴンギアスは2021年2月27日(土)に一般販売予定で、希望小売価格は税込1万6500円。Amazon.co.jpでも取り扱われています。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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