Waymoがサンフランシスコで自動運転車のテストを開始
Googleの兄弟会社であるWaymoは、完全自動運転システムの実現を目指しており、2020年10月には完全無人タクシー「Waymo One」のサービスをアリゾナ州フェニックスで開始しました。そんなWaymoが自動運転車の試験走行範囲を拡大し、サンフランシスコでの試験走行を開始したことを発表しています。
Waypoint - The official Waymo blog: Expanding our testing in San Francisco
https://blog.waymo.com/2021/02/expanding-our-testing-in-san-francisco.html
Waymoは、2020年にカリフォルニア州内で62万8839マイル(約101万km)の試験走行を行いました。このうち、人間による操作が必要になったのは3万マイル(4万8000km)ごとに1回で、Waymoが開発する自動運転システムの完成度の高さが明らかになっています。
Apple・Waymo・Cruiseが開発する自動運転車の開発状況が判明、3社の自動運転技術の完成度とは? - GIGAZINE
そんなWaymoが、複雑な道路にも対応できる自動運転システム開発するべく、サンフランシスコでの試験走行を開始しことを発表しました。Waymoは試験走行を始める前に、サンフランシスコの道路に関する問題を明らかにするべく、約1000人の住民に「サンフランシスコでの運転に関する問題点」を尋ねる調査を実施しました。その結果、74%の人が「駐車場を見つけるのが困難」と感じており、「危険な運転をするドライバーに困っている」人は63%、「通勤がストレス」と感じている人は57%存在することが判明したとのこと。さらに、23%の人が「道路に安全を感じていない」と回答しました。
また、Waymoによると、サンフランシスコには「なだらかな丘」「海辺の道路」「小さな脇道」「高速道路」「自動車専用レーン」「路面電車の線路」といった多様な道路条件が存在しているとのこと。さらに、サンフランシスコの道路は「歩行者」「自転車」「スクーター」「緊急車両」「ケーブルカー」「トロリー」「路面電車」などで賑わっています。Waymoは「このような複雑な道路を安全に通行できる自動運転技術の開発は、Waymoにとって大きな課題です」と述べ、サンフランシスコでの自動運転の難しさを語っています。
サンフランシスコの複雑な道路を安全に通行するために、Waymoは自動運転車が周囲の状況を把握するために用いるLIDARセンサーを最適化。これにより、対向車線の車両の後ろから突然歩行者が現れるような状況にも適切に対応できるようになったとのこと。
さらに、ソフトウェアにも改善が施されました。その結果、物体の認識精度が向上し「クリスマスツリーを運ぶ人」のような複雑な対象も性格に認識できるようになりました。また、横断歩道の手前で他の車両が停止したことを認識すると、「カメラからは見えない位置に人間がいる」ということを予測したり、道路上に工事中の看板があった場合、適切に車線を切り替えたりと、状況に合わせた運転が可能になりました。
Waymoは「私たちは、多くの人々に完全のメリットを提供するために、自動運転技術のさらなる向上に努めています」と語っています。なお、記事作成時点では、サンフランシスコ内での試験走行は、Waymoの従業員によって実施されているとのことです。
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