Nintendo Switchで自身の正義と向き合って選択することで物語が進むタクティクスRPG「プロジェクト トライアングルストラテジー」体験版をプレイしてみた

2021年2月18日に放送された「Nintendo Direct 2021.2.18」で、スクウェア・エニックスの完全新作タクティクスRPG「Project TRIANGLE STRATEGY(プロジェクト トライアングルストラテジー)」が2022年にリリースされることが発表されました。ドット絵と3DCGが融合した「HD-2D」で描かれるプロジェクト トライアングルストラテジーを一足早く遊べる先行体験版が同日に配信されたので、さっそく遊んでみました。

プロジェクト トライアングルストラテジー｜SQUARE ENIX
https://www.jp.square-enix.com/trianglestrategy/

プロジェクト トライアングルストラテジーの先行体験版はこんな感じ。

内容は、物語中盤を切り出した特別な体験版とのこと。

ストーリーの最序盤からスタートではなく途中からなので、まずは世界観の説明から。ノゼリアと呼ばれる大陸は、大河を抱えて交易が盛んなグリンブルグ王国、鉄の産出に恵まれたエスフロスト公国、塩の算出に恵まれた聖ハイサンド大教国という3つの国に分かれていました。

3国はお互いの利を求めて「塩鉄大戦」と呼ばれる大戦争を繰り広げていましたが、血で血を洗う三つ巴で各国の国力は疲弊し、停戦協定を結びました。

しかし、エスフロスト公国の総帥であるグスタドルフが「グリンブルク王国が3国共有の新鉱山を奪おうとした」と主張してその停戦協定を破り、グリンブルク王国に電撃侵攻を開始しました。

ゲームの主人公は、グリンブルク王国に仕える御三家筆頭であるウォルホート家の若き当主。そして、セレノア(後列中央)。親友でグリンブルク王国第2王子のロラン(中列左)、執事のベネディクト(中列右)、そしてグスタドルフの妹でセレノアの許嫁であるエスフロスト公女フレデリカらが仲間です。

グスタドルフと女将軍アヴローラが率いるエスフロスト公国軍が、グリンブルク王国の王城であるホワイトホルム城にまで押し寄せてきたため、賢帝レグナ王は第2王子であるロランをウォルホートに託します。

セレノアとロランたちはそのままグリンブルク城から脱出しようとします。

ここでRPGパートが始まります。このゲームではストーリーと戦闘以外に、プレイヤーがセレノアを自由に操作してさまざまなキャラクターに話しかけることができます。左にいる、「！」アイコンが浮かぶキャラクターに話しかけると……

悩みを打ち明けられ、選択肢が表示されました。適当だと思った答えを選ぶと……

キャラクターが何かを得心した様子。同時に画面上に天秤(てんびん)のシルエットが浮かび上がりました。

セレノアには「信念パラメータ」という隠しパラメータがあり、プレイヤーのさまざまな選択と行動により上昇するとのこと。このパラメータに応じて、さまざまなキャラクターがセレノアに加担してくれるようになります。

＋ボタンを押すとメニューが開きます。上から2番目の「詰所」を選ぶと……

テントの中に移動。

ここでは道具を購入したり、武器を強化したりすることが可能です。

RPGモードの時は、右スティックを動かすことでカメラの位置を変えることができます。見た目は2Dドット絵でレトロゲームのようなデザインですが、ゲームエンジンにはUnreal Engineを採用しており、ぐりぐりと動きます。

以下のムービーは実際にRPGモードでカメラの位置をぐりぐり動かしてみたところ。

「プロジェクト トライアングルストラテジー」のRPGモードでカメラをぐりぐり動かすとこんな感じ - YouTube

RPGパートを終え、城門の橋を下ろして脱出しようとすると、追っ手がやってきました。

そんなわけで、橋にいる敵を押し返しながら脱出を図ります。戦闘システムはタクティクスRPGバトルで、正方形のマス目で構成された高低差のある地形で敵を倒していきます。各キャラクターのターン順は画面下部に表示されています。

実際にバトルがどんな感じなのかは、以下のムービーを見るとわかります。

「プロジェクト トライアングルストラテジー」の戦闘シーンはこんな感じ - YouTube

1回の行動で移動と攻撃が可能。青いマス目が移動できる範囲で、紫色になっているマス目は敵の攻撃範囲に被っているところです。

赤い範囲が攻撃範囲です。

ロランの二段突きをエスフロスト公国兵に決めたところ。エフェクトやアニメーションは派手で、3Dならでは。

もちろん攻撃魔法や回復魔法もあるので、接近して攻撃するだけでなく、遠距離から攻撃したり味方をサポートしたりすることも重要。

タクティクスRPGバトルの特徴として、キャラクターの向きや位置関係が戦略上で重要になります。例えばエスフロスト公国兵の後ろから攻撃すると、「バックアタック」となってダメージが増加します。

また、相手を味方と挟み撃ちにした状態で攻撃すると、反対側にいる味方が追撃を行ってくれます。

さらに地形には高低差があり、高いところから低いところに攻撃するとダメージが増えるなど、キャラクターをどこに配置するのかが戦果を左右します。

今回は「橋の上にいる敵を全部倒すこと」がクリア条件。最後の1人を倒すと……

「CONGRATULATIONS」と表示されてクリア。

メインストーリーを進める途中で、サブストーリーを見ることもできます。例えば、エスフロスト公国がグリンブルク王国に攻め入る横で聖ハイサンド大教国では……

さまざまなしがらみに悩む看護師メディナのサブストーリーが展開されました。

メディナはセレノアのもとにやってきます。セレノアがストーリーの中で取った選択に応じてサブストーリーが発生し、キャラクターが集まってくるというわけです。

また、ウォルホート家以外の御三家はどう考えているのか……など、セレノアたちが動く背景で交錯する思惑を、サブストーリーで垣間見ることができます。

そして、ウォルホート家では、ロラン王子をかくまうかどうかで会議が始まりました。グリンブルク王国の王位継承者であるロラン王子をエスフロスト公国に差し出せば、ウォルホート公領はエスフロスト公国軍の侵略を受けなくて済みますが、グリンブルク王国を裏切ることになります。もしロラン王子を差し出さなければ、エスフロスト公国に宣戦布告をすることになってしまいます。会議の参加者でも意見は真っ二つに割れています。

そこで、セレノアはウォルホート家に代々伝わる「信念の天秤」を使って、ロラン王子の行く末を決めることにしました。会議の参加者で投票を行い、より多数だった方を選択するというわけです。この投票はプレイヤーが選択するのではなく、各キャラクターが個々に選択します。つまり、プレイヤーがロラン王子をどれだけ守りたくても、「ロラン王子を引き渡す」という案に賛成するキャラクターが多かった場合、ロラン王子は強制的にエスフロスト公国に引き渡されてしまうというわけです。

そのため、会議の参加者を説得することが重要。街に繰り出して、説得材料となる情報を集めます。

十分に情報を集めたら、会議参加者を説得して回ります。

「？？？」となって現れなかった選択肢も……

情報を集めたことで出現。より説得がしやすくなることも。

説得に成功すると、反対意見を表明していたキャラクターも心が大きく揺れ動き、投票時に賛成してくれることもあります。

そして、投票開始。

「道は定められた」

今回は説得が成功し、ロラン王子を守り、エスフロスト公国を迎え撃つこととなりました。果たしてどんな秘策でエスフロスト公国を撃退するのか、気になる人はぜひ自分でプレイして確かめてみてください。

「プロジェクト トライアングルストラテジー」の先行体験版は、実際にプレイしてみると美麗なグラフィックと丁寧で親切なシステム、そしてしっかりしたストーリーで、体験版とは思えないほどの満足感が得られました。少し難度も高めになっているとのことで、かなり歯ごたえのある内容になっています。スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジータクティクス」を初めとする正当なタクティクスRPGらしさもありながら、投票によってルートが分岐していくという変わったシステムで、戦略性だけではなくロールプレイング性も高く感じました。

正式版より1年も先駆けてリリースされた体験版ということで、ローディングがやや長かったり、グラフィックが一瞬カクカクしたりする部分もありましたが、ほんの一部分だけでも重厚な世界観をしっかりと味わうことができました。