寒波直撃のテキサス州で大停電が発生、400万世帯に影響か
異例の寒波に見舞われたテキサス州で電力需給が逼迫(ひっぱく)し、400万世帯以上にも及ぶ大規模な計画停電を余儀なくされました。この寒波によって現地の気温は氷点下に達しており、ホームレス向けの緊急避難所も開設されています。
Texas power outages: 2 million households in the state are without power | The Texas Tribune
https://www.texastribune.org/2021/02/15/rolling-blackouts-texas/
Texas’ power grid crumples under the cold | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2021/02/texas-power-grid-crumples-under-the-cold/
現地時間2021年2月14日、異例の寒波がテキサス州を襲いました。国立気象局はテキサス州内の全254郡に寒波警報を発令し、多数の道路を凍結により閉鎖。学校も多数閉鎖され、グレッグ・アボット州知事の要請により、ジョー・バイデン大統領が連邦緊急宣言を出すに至りました。
Governor Abbott Announces Approval Of Federal Emergency Declaration For Severe Winter Weather | Office of the Texas Governor | Greg Abbott
https://gov.texas.gov/news/post/governor-abbott-announces-approval-of-federal-emergency-declaration-for-severe-winter-weather
こうした厳しい寒波を迎えたテキサス州で問題となったのが、暖房による電力需要の急増です。テキサス州の送電網は平均最高気温が連日30度以上に達する夏季には需要の高まりを見越して最高レベルの給電を行う一方、冬季には需要が低くなるため供給設備のいくつかを閉鎖しておくという体制でした。そのため、異例ともいえる寒波によって施設の一部が操業停止に追い込まれた上に、急増した電力需要に応えようとした結果、変圧器などの機器故障まで発生したとのこと。
問題の2月14日では、18~19時の電力需要は冬季における新記録である6万9150メガワットに達しましたが、15日朝の時点で3万メガワット分の供給が停止し、電力事業各社が大規模な計画停電を実施。この計画停電の総規模について正確な集計は行われていない状況ですが、アメリカ全土の停電状況を確認できるウェブサービス「PowerOutage.us」によると、現地時間2月15日20時20分時点でテキサス州では438万世帯が停電しています。
こうした停電によって、業務または製造過程で電気を使用する製造業などに操業停止を依頼する郡も出ているほか、冷凍庫での低温保管を必要とする新型コロナウイルスワクチンまで影響が及んでいるという報道や、停電による操業停止によって水供給まで不足するという報道まで飛び交っており、今回の一件がどれほどの影響を与えるかについては見通しがつかない状況です。
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