もしもの災害や停電に備えて「発電機」を実際に購入・維持してみてわかった注意点まとめ
2018年の大阪府北部地震や千葉県を中心に甚大な被害を出した令和元年台風第15号など、いつ起こるか分からない自然災害は家屋の倒壊や冠水など人々に大きな被害をもたらします。そうした自然災害による被害の一つである停電時に非常に役立つのが「発電機」。不測の災害に備え実際に発電機を購入し常備してみたところ、いろいろと注意点がわかりました。
◆ガソリンの購入
発電機の燃料となるガソリンは、ガソリン携行缶に給油する形で購入します。携行缶はホームセンターやAmazon.co.jpなどで購入できます。
購入者が自分自身でガソリンを携行缶に給油することは禁止されているので、ガソリンスタンドの店員に給油してもらう必要があります。また、「京都アニメーション」の火災事件から携行缶でのガソリン購入に対するチェックが厳しくなっており、身分証明証の提示と用途の説明を求められる場合が多くなっています。
(PDFファイル)消防法令により、ガソリンを40L以上保管する場合は建物の大幅な改修と自治体への届出が必要になるので、一般的な家屋に保管できるガソリンは通常の20L携行缶2つまで、ということになります。
◆発電機の使用
不測の事態に対する備えである発電機は、いつ誰が使うことになるかわかりません。数字が書かれたシールを貼って操作の順番がわかるようにするなど、初めて発電機を使用する人でも難なく操作ができるように準備しておくことが大切です。
発電機を使用する際は延長コードを用いると便利ですが、延長コードを用いる際は全てのコードを出し切った状態で使用しないと危険です。コードが巻かれたまま電気を流すと発熱、発火のおそれがあります。
◆ガソリンの処理
ガソリンは半年ほど放置すると劣化・腐敗してしまいます。腐敗する前にガソリンを使い切る必要があるため、モバイルバッテリーや無停電電源装置(UPS)の充電に活用するなど、停電時以外での発電機の用途を考えておくとガソリンを無駄にせずに済みます。
一般的に販売されているほとんどの発電機が空気とガソリンの混合気を作る機構として「キャブレター」を採用していますが、キャブレターにたまったガソリンを放置するとガソリンの腐敗による故障につながります。長期間使用しない場合はキャブレターからガソリンを抜き取る作業が必要なので、実際にKOSHINの発電機「GV-16i」で作業してみます。
まずは発電機のカバーを外します。
ドレンホースを機体の外に引き出して、ガソリンの受け皿をホースの下に配置。
キャブレターについているネジをドライバーで緩めると……
ガソリンのしずくがホースを伝ってきました。
排出されるガソリンの量は発電機の機種や使用状況によって異なり、流れ落ちるほどの量のガソリンが排出されることもあります。
しずくが出なくなったらキャブレターのネジをしっかりと締め直し、ホースを本体に収納します。その後カバーを取り付ければ作業完了となります。
◆発電機の修理・メンテナンス
故障時の修理は業者に委託する必要がありますが、ホームセンターによっては修理体制が整っていないことがあります。発電機メーカーがサービス指定店情報を公開している場合もあるので、修理やメンテナンスの際はメーカーのサイトをのぞくことをおすすめします。
オイル交換は自分で行うことも可能ですが、適切なオイル量を量ったり、自治体によっては廃オイルの処分に困ったりする場合があるので、機械に不慣れな人は業者に依頼するのが吉。
日常のメンテナンスや注意点を知らずに発電機を購入し、いざ使用したい場面で故障していて使えなかった、自分ではメンテナンスができなかったという事態に陥らないために、事前に維持の方法やガソリンの購入方法などについて調べておくことが大切です。
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