無料のLinux向けAndroidエミュレーター「Anbox」レビュー、カーネルをホストと共有するコンテナ方式
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/00_m.png)
AndroidのエミュレーターとしてはBlueStacksやLDPlayer、Genymotionなどがありますが、いずれもホストOSとカーネルを共有しない仮想化方式を採用しているため、オーバーヘッドが生じてしまいます。無料でオープンソースの「Anbox」は、カーネル部分をホストOSのLinuxと共有するコンテナ形式を採用し、軽快な動作を目指したAndroidエミュレーターです。
Anbox - Android in a Box
https://anbox.io/
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/0100_m.png)
AnboxはSnapパッケージマネージャーで配布されており、以下のコマンドを実行すればインストールすることができます。なお、今回はUbuntu 20.04でAnboxを利用しています。
sudo snap install --devmode --beta anbox
インストールが完了するとアプリケーション一覧にAnboxのアイコンが表示されるので、クリックして起動。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/0400_m.png)
Anboxのアプリケーション管理画面が表示されました。ステータスバーやホームボタンなどがない、アプリを起動するだけのシンプルな画面です。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/0500_m.png)
「電卓」アプリや……
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/0700_m.png)
「カレンダー」
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/0800_m.png)
「時計」といったアプリを利用することが可能。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/0900_m.png)
「WebView Browser Tester」というブラウザから、ウェブサイトを閲覧することもできます。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/1200_m.png)
アプリを2画面で同時に起動することも可能。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/0950_m.png)
ただし、すべてのアプリが正常に動作するわけではなく、「ギャラリー」アプリは起動しても真っ暗な画面が表示されるだけでした。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/1000_m.png)
また「音楽」アプリは起動すらせず、Anboxが強制的に再起動されてしまいました。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/1100_m.png)
「設定」を開くと、通常のAndroidと同じ設定項目が確認できます。
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内部ストレージを確認すると、ホストのストレージ情報が表示されました。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/1400_m.png)
RAM容量もストレージと同じく、ホストのRAM情報が表示されます。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/1500_m.png)
Anboxを動かしているPCにバッテリーはありませんが、バッテリー残量は42%と表示されていました。
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AnboxのAndroidバージョンは7.1.1となっており、かなり古め。
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バージョンの項目を連打すると、通常のAndroidと同じくイースターエッグが表示されました。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/1900_m.png)
Anboxは動作しないアプリがあることに加えて、かなりバグが含まれている模様。例えば音声の設定を行おうとすると、以下のスクリーンショットのように、ウィンドウの一部がAnbox終了後も残ってしまいました。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2000_m.png)
AnboxにはGoogle Playストアが含まれていないため、自分でGoogle Playストアをインストールする必要があります。インストールスクリプトが有志によって公開されているため、今回は以下のコマンドを実行してPlayストアをインストールしました。
wget https://raw.githubusercontent.com/geeks-r-us/anbox-playstore-installer/master/install-playstore.sh sudo chmod +x install-playstore.sh sudo ./install-playstore.sh
コマンドを実行すると、Open GAppsからGoogle PlayストアとGoogle Play開発者サービスがインストールされ、Wi-FiやBluetoothなどの設定項目が加わります。
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インストールが完了すると、アプリ一覧にGoogle Playストアが追加されます。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2200_m.png)
しかし、Google Playストアを利用するには、Google PlayストアとGoogle Play開発者サービスの権限を変更する必要があります。まずは設定の「Apps」をクリック。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2400_m.png)
「Google Play services」をクリックして……
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2500_m.png)
「Permissions」をクリック。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2600_m.png)
すべての権限をオンにします。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2700_m.png)
Google Playストアも同様にして、すべての権限をオンに変更。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2800_m.png)
アプリ画面からGoogle Playストアを起動し「Sign in」をクリック。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2900_m.png)
Googleアカウントのメールアドレスを入力し「Next」をクリックして……
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3000_m.png)
パスワードを入力しもう一度「Next」をクリック。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3100_m.png)
「ACCEPT」をクリックすれば、Google Playストアの設定は完了です。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3200_m.png)
こんな感じで、Google Playストアの画面が表示されました。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3300_m.png)
試しにGoogle Playストアから「Google Chrome」をインストールしてみます。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3400_m.png)
インストールが完了するとアプリ一覧にアイコンが表示されるので、クリックしてChromeを起動します。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3500_m.png)
無事Chromeが起動しました。Google Discoverも表示されています。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3600_m.png)
しかし、Google Discoverのニュースをクリックしても、ソースとなるウェブサイトにアクセスすることはできませんでした。Google検索なども行えず、Chromeのホーム画面しか表示できないという結果に。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3700_m.png)
「Firefox」アプリもインストールしてみましたが、ウェブサイトを表示することはできませんでした。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3800_m.png)
「YouTube」アプリをインストールしてムービーの再生を試みたところ、エラー画面が表示され、ムービーも再生できず。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/3900_m.png)
「Googleマップ」アプリもFirefoxと同じく真っ暗な画面が表示されるだけでした。Anboxで動作するアプリは非常に限定的なようです。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/4000_m.png)
また、スクリプト実行で新しく追加されたWi-FiやBluetoothといった設定項目を開いてみると、フリーズしてAnboxを終了できなくなってしまいました。
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/2300_m.png)
こんな感じで、AnboxはLinuxカーネルをホストと共有するAndroidエミュレーターとしては興味深いプロジェクトですが、動作しないアプリやバグが多く、記事作成時点では実用に耐えるものではないと感じました。
なお、このAnboxをクラウド上で動作させる「Anbox Cloud」というプロジェクトが、Ubuntuの開発元であるCanonicalによって進められています。
Anbox Cloud - Scalable Android in the cloud
https://anbox-cloud.io/
![](https://i.gzn.jp/img/2020/12/31/anbox/4100_m.png)
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