メモ

作家の未発表原稿を盗み取ろうとするフィッシング詐欺が登場


2017年頃から、編集者や出版社になりすまし、作家の未発表原稿を盗み取ろうとするフィッシング詐欺が世界各地で横行しています。ただ、この詐欺で利益を獲得している人物がいるとの報告はなく、動機は謎に包まれています。

Why on Earth Is Someone Stealing Unpublished Book Manuscripts? - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/12/21/books/publishing-manuscripts-phishing-scam.html

詐欺を行っている人物が何者なのかはまったくわかっていませんが、作家が作品を完成させてから出版社が出版するまでの過程に精通した人物もしくは団体であるとのこと。作家に対しメールなどで接触し、未刊行の原稿の詐取を試みます。対象は有名な作家だけではなく、ほとんど無名の作家やデビュー前の作家にまで被害が及んでいます。


こういったフィッシング詐欺は通常公式に発表された公開情報を基に行われるものですが、どこにも発表していない作品でさえ対象になったといいます。2016年に「The Nest」を執筆したシンシア氏は2年後、2作目の執筆中に詐欺のメールを受け取りました。担当者の名前で送られたメールにはどこにも公表していないはずの作品の名前や締め切りまでもが書かれていましたが、メールの内容に違和感を覚えたシンシア氏は返信せず、本物の担当者に相談したとのこと。シンシア氏は「自分に所有権がない原稿をどのように収益化するのだろう」と話します。


過去にはハリウッド映画の脚本をオンライン上で取引し、利益を得ると言った犯罪が行われることがあったのですが、盗んだ本の原稿を使って取引が行われている実態はなく、サイバーセキュリティの専門家は頭を悩ませています。最も有力な考えとして、出版界のスカウトが出版社や映画会社に本の販売権を手配することを目的とし、早期に作品の内容を知るために行っているのではないかという説があげられています。

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in Posted by log1p_kr

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