中国当局がIT大手アリババを独占的行為の疑いで調査開始
中国の市場監督総局が、電子商取引の大手企業・阿里巴巴集団(アリババグループ)に対し、独占的行為の疑惑があるとして調査に入ったことを明らかにしました。アリババを巡っては、傘下の金融会社・螞蟻集団(アント・グループ)が「世界最大規模」と期待された新規株式公開(IPO)を予定していましたが、創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が中国金融当局に対して批判的な言動を行った直後にIPO中止が発表されるという「事件」があったところです。
市场监管总局依法对阿里巴巴集团涉嫌垄断行为立案调查
http://www.samr.gov.cn/xw/zj/202012/t20201224_324638.html
現地時間12月24日8時30分に発表された、市場監督総局によるお知らせはわずか1行のみで、「アリババが『二选一』を行うなどの独占行為を行った疑いがあるため、調査を実施する」という内容。「二选一」とは「二者択一」のことで、出店者・出品者にプラットフォームの二者択一を迫り、独占的協力契約を結ばせていたことを示します。
阿里涉嫌的“二选一”垄断,指的是什么? | 早报
https://www.zaobao.com.sg/realtime/china/story20201224-1111278
この発表があった後に開場した香港株式市場は大引けとなり、アリババ株は一時8.9%下落したとのこと。アリババはSNS・Weiboで当局から調査開始の通知を受け取ったことと、調査に協力する方針であること、また業務は通常通り行うことを表明しました。
アリババは、2020年11月に傘下の金融会社アント・グループのIPOを予定していました。約350億ドル(約3兆6000億円)と史上最大規模のIPOになる見込みでしたが、IPOは実施の3日前に突然中止となりました。このIPO中止は、直前にマー氏が金融当局に対して批判的なスピーチを行ったことが引き金となったという見解がありますが、一方で、アリババグループの金融に対する影響力の増大を政府は危険視しており、仮にスピーチがなくても締め付けはあったとする見方もあります。
今回のアリババに対する調査は、2020年11月に発表された「独占禁止規制案」に基づくもの。人民日報は、公正かつ秩序ある競争により全体的な国際競争力が高まり、独占を禁止するよう監督を強化することで、市場の活力を刺激し、プラットフォーム企業の継続的な出現と活発な成長のための土壌を作ると述べています。
人民日报:实现平台经济更加规范更有活力更高质量发展--人民创投--人民网
http://capital.people.com.cn/n1/2020/1225/c405954-31979109.html
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