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ナイキがAmazonへの製品供給を打ち切ると発表

by tookapic

スポーツ用品大手のナイキが「Amazonに自社製品を供給するのを打ち切る」と発表しました。ナイキは今後、公式アプリや自社サイトでの直接販売に注力し、外部に頼らない販路を拡大していくとのことです。

Nike Pulling Its Products From Amazon in E-Commerce Pivot - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-11-13/nike-will-end-its-pilot-project-selling-products-on-amazon-site

Nike shoes no longer on Amazon - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/nike-shoes-no-longer-on-amazon/

Nike won't sell directly to Amazon anymore
https://www.cnbc.com/2019/11/13/nike-wont-sell-directly-to-amazon-anymore.html

ナイキは2017年から、Amazonで自社製品を販売する試験プログラムを実施していましたが、ナイキの広報担当者は2019年11月13日に発表した声明で「今後はより直接的かつ個人的な関係を通じて、お客様の消費者体験を向上させることに力を入れて参ります」と述べて、Amazonとの試験的な提携を解消することを明らかにしました。ただし、AmazonのクラウドサービスであるAWSを通じた公式アプリや直営サイトのサービスは今後も継続していくとのことです。

by Kristian Egelund

今回の発表に先駆けて、ナイキは2019年10月に「2020年1月にeBayの元CEOでPayPalの会長であるジョン・ドナヒュー氏をCEOに登用する」と発表しており、約14年にわたりナイキのかじ取りをしてしてきたマーク・パーカー氏の退任劇に注目が集まっていました。

ナイキが2019年9月に発表した2020年度第1四半期の決算報告によると、2019年6~8月の収益は前年同期比7%増の107億ドル(約1兆1632億円)と好調でした。さらに、アメリカのニュースメディアCBS Newsの取材に答えたナイキの内部関係者は、「売上高の大半は直営サイトやアプリを含めた直接販売が占めていました」と話しており、Amazonで製品を販売しなくても十分な利益を上げることができるようになったことが、関係解消に踏み切った一因だということを示唆しました。

また、ナイキがAmazonから撤退したことについて、金融情報サービス会社のMorningstarのアナリストであるデイビッド・スワーツ氏は「eコマースでの経験が豊富なドナヒュー氏をCEOに迎えたことに、自社のオンラインビジネスをより重視していくというナイキの姿勢が表れていますが、おそらくAmazonがサードパーティーによる偽ブランド品の販売を排除できなかったことに不満を抱いたのも、要因の1つでしょう」と話しています。

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by Christian Wiediger

一方のAmazonは経済紙Bloombergの取材を拒否しましたが、Bloombergにコメントを寄せた複数の情報筋は「Amazonはこれまで、さまざまな取り組みにより偽造品や偽ブランドの流通防止に努めてきましたが、水面下では今回のような事態にもあらかじめ手を打っていました。既にサードパーティの販売者の募集を開始しており、引き続きナイキの製品をAmazonで取り扱えるようにする見通しです」と話しているとのことです。

また、アメリカの金融調査会社Evercore ISIのアナリストであるオマール・サード氏は「Amazonは配達速度で優位性を保ってきましたが、他のサービスに差を縮められつつあり、もはやファッションブランドはAmazonを必要としなくなってきています」と指摘し、ナイキ以外のブランドもAmazon離れの動きに追随する可能性があるとの見方を示しました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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