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勤務時間外にデジタル機器をオフにして仕事の連絡を拒否する「つながらない権利」がヨーロッパで推進される


新型コロナウイルスのパンデミックによって多くの人々が働き方を劇的に変えることを余儀なくされ、EU諸国では労働者の3分の1が在宅勤務を行っています。仕事とプライベートの境目が曖昧になる中、欧州議会を構成する欧州議会議員らは、勤務時間外にデジタル機器をオフにして仕事関係の対応を拒否する「つながらない権利」を推進しています。

MEPs call for an EU-wide “right to disconnect” | News | European Parliament
https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20201126IPR92512/meps-call-for-an-eu-wide-right-to-disconnect


EU pushes for ′right to disconnect′ from work at home | News | DW | 02.12.2020
https://www.dw.com/en/eu-pushes-for-right-to-disconnect-from-work-at-home/a-55803776

EU pushes for 'right to disconnect' from work at home - The Malta Independent
https://www.independent.com.mt/articles/2020-12-03/local-news/EU-pushes-for-right-to-disconnect-from-work-at-home-6736229138

欧州議会の雇用委員会は2020年12月1日、労働者が勤務時間外に仕事関係のデジタル機器をオフにする「つながらない権利」をEU諸国が保障する決議案を、賛成31票・反対6票・棄権18票で可決しました。雇用委員会は労働者の健康を保護するため、つながらない権利の保障が必要不可欠であると述べています。


決議案に賛成した議員らは、「労働者が常にオンラインであり、いつでも仕事の連絡に応対できる」という期待が、ワークライフバランスや心身の健康、そして幸福を損なう可能性があると指摘。この問題を改善するため、労働者は雇用主からの報復を受けることなく、デジタル機器をオフにできる権利を認めるべきだと主張しました。

記事作成時点ではEU法でつながらない権利が明示的に定められていないため、雇用委員会はつながらない権利に関するEU指令を提案するように求めていくとのこと。将来の規制実施に向けて、2021年の欧州議会でつながらない権利に関する非立法決議の投票が行われる予定です。


決議案の作成を主導したマルタ共和国の社会主義政治家であるアレックス・アギウス・サリバ氏は、パンデミックが人々の労働を根本的に変えたと指摘。つながらない権利の保障は、労働者の「新しい現実」に対応したものだとのこと。

「数カ月に及ぶ在宅勤務の後で、多くの労働者は孤立や疲れ、うつ病、燃え尽き症候群、筋肉や目の病気といった負の影響に苦しんでいます」とサリバ氏は述べ、労働者が常にオンラインであることを求めるプレッシャーが強まることで、無給の残業と燃え尽き症候群が発生していると主張しています。

サリバ氏は、「デジタル化は柔軟性の向上や通勤の減少など、従業員に多くのメリットをもたらしましたが、落とし穴もあります。従業員が常に連絡可能であり、常に対応可能であるというプレッシャーが高まっています。労働時間は延長され、必ずしも公正に補償されるとは限りません。仕事とプライベートの境目が曖昧になっています」と述べ、つながらない権利の保障が必要だと訴えました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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