Facebookが新型コロナのワクチンに関する誤情報や陰謀論を削除すると発表
新型コロナウイルスのワクチンが臨床試験で高い予防効果を示したと報じられる中、Facebookが「ワクチンに関する誤った主張をFacebookとInstagramから削除する」ことを発表しました。Facebookはワクチンに関する誤情報が広まることにより、人々に身体的な危害を及ぼす可能性があるとしています。
Keeping People Safe and Informed About the Coronavirus - About Facebook
https://about.fb.com/news/2020/12/coronavirus/
Covid vaccine: Facebook to ban anti-vaxx conspiracy theories | The Independent
https://www.independent.co.uk/life-style/gadgets-and-tech/covid-vaccine-facebook-conspiracy-ban-b1765703.html
Facebook to remove misinformation about Covid vaccines
https://www.cnbc.com/2020/12/03/facebook-to-remove-misinformation-about-coronavirus-vaccines.html
Facebook Bans Debunked Claims About COVID-19 Vaccines : Coronavirus Updates : NPR
https://www.npr.org/sections/coronavirus-live-updates/2020/12/03/942155653/facebook-bans-debunked-claims-about-covid-vaccines
2020年11月、アメリカの製薬企業であるファイザーやModernaが相次いで新型コロナウイルスのワクチンを開発し、いずれも臨床試験で高い予防効果を示したと発表されました。すでにイギリスは12月中にワクチン接種を開始すると発表しており、12月3日にはワクチンがイギリスに到着しています。
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世界各国でワクチン接種の準備が進められる中、海外メディアのThe IndependentはSNS上でワクチンに関するさまざまな誤情報が急増していると指摘。こうした状況を受けてFacebookは12月3日に公式ブログを更新し、「公衆衛生の専門家によって暴かれたワクチンに関する誤情報を、今後数週間でFacebookとInstagramから削除し始めます」と発表しました。
Facebookは削除する誤情報について、ワクチンの安全性や有効性、副作用に関する誤った情報のほか、「新型コロナウイルスのワクチンにはマイクロチップが含まれている」といった成分に関するデマや、「特定の人々が自らの意思に反してワクチンのテストを受けさせられている」といった陰謀論が含まれると説明しています。
すでにFacebookは「差し迫った身体的な危害につながる可能性がある新型コロナウイルスに関する誤情報」を削除しており、2020年3月~10月だけで1200万件もの投稿をFacebookとInstagramから削除したとしています。たとえば、新型コロナウイルス感染症に関する偽の治療法を宣伝したり、新型コロナウイルスを5G通信網と関連付けたりする投稿はFacebookの削除対象となります。
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一方、ワクチンに関する誤情報は新型コロナウイルスの流行以前から問題視されていましたが、Facebookは反ワクチンをうたう広告掲載を拒否したものの、投稿の削除に積極的ではありませんでした。そのため、新型コロナウイルスのデマを削除するアプローチをワクチンにも適用することは注目に値するとのこと。
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Facebookは公式のブログ記事の中で、「ワクチンの誤情報に関するポリシーをすぐに施行することはできません。新型コロナウイルスワクチンに関する事実は初期のものであり、今後も進化し続けるため、公衆衛生当局からのガイダンスに基づいて削除方針を定期的に更新します」と述べています。
Facebookと協力して誤情報の抑止に取り組むファクトチェック団体・FullFactの編集者であるトム・フィリップス氏は、インターネットプラットフォームがワクチンの誤情報に厳しく対応するのは正しいアプローチだと認めています。その一方で、言論の自由が重要であることを忘れてはならず、ワクチンについて心配したり質問したりすることは違法でないと指摘。そのため、質問を抑えつけるのではなく、質問に適切な回答を与えることが重要だと主張しました。
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