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Slackが約2兆8900億円でSalesforceに買収される


クラウドベースの顧客関係管理(CRM)ソリューションサービスなどを提供するSalesforceが、チームコミュニケーションツールのSlackを277億ドル(約2兆8900億円)で買収しました。

Salesforce - Salesforce Signs Definitive Agreement to Acquire Slack
https://investor.salesforce.com/press-releases/press-release-details/2020/Salesforce-Signs-Definitive-Agreement-to-Acquire-Slack/default.aspx


Salesforce is acquiring workplace chat app Slack for $27.7 billion - The Verge
https://www.theverge.com/2020/12/1/21719666/salesforce-slack-acquisition-purchase-announced

Slackは画像共有サービス・Flickrの共同創設者であるスチュアート・バターフィールド氏が2009年に設立した企業で、当初は「Tiny Speck」という社名でMMORPGを展開していました。ゲームのサービスは1年ほどで終了し、その後、コミュニケーションツール「Slack」をリリース。2014年8月に社名を「Slack Technologies」と改めました。Slackのデイリーアクティブユーザー数は2019年10月時点で1200万人を突破しており、企業の市場価値は250億ドル(約2兆6000億円)と試算されています。当初はコミュニケーションツールとして提供されてきたSlackですが、ビデオ会議機能やファイルホスティング機能、IT管理機能などを実装したことで、大企業が提供するような「あらゆる機能を備えた完全なオフィススイート」に成長。その結果、Slackは2020年初頭にはIBMとのパートナーシップを拡張し、35万人以上の従業員に導入されることとなっています。

しかし、SlackはMicrosoftやFacebookといった生産性プラットフォームを立ち上げた大企業との競争に直面しています。Slackは2019年4月に上場しましたが、売上成長率の鈍化などにより市場価値は半減。また、新型コロナウイルスのパンデミックによりリモートワークが急増するという大きな機会を得たにもかかわらず、過去3四半期でSlackは利益を上げることができていません。Slackが収益を上げるための明確な道筋を立てることができておらず、Microsoft Teamなどの競合サービスの需要が高まった結果、Slackに関する買収のウワサが広まっていきました。


そして2020年12月1日、SalesforceがSlackを買収したと発表しました。なお、今回の買収によりSlackの株主は1株あたり26.79ドル(約2800円)の現金と、0.0776株分のSalesforce株を受け取ることができます。2020年11月30日時点のSalesforceの株価換算で、Slackの買収額は277億ドルとなります。

Salesforceはこれまで提供してきたCRMソリューションのSalesforceCustomer 360と、最も革新的な企業向けのコミュニケーションツールであるSlackを組み合わせることで、「新しい働き方を実現するためのOSを作成する」としています。


Salesforceの創業者であるマーク・ベニオフCEOは、「(Slackの創業者である)スチュワートと彼のチームは、エンタープライズソフトウェアの歴史の中で最も愛されているプラットフォームのひとつを構築し、その周りに素晴らしいエコシステムを備えています」「SalesforceとSlackでエンタープライズ向けソフトウェアの未来を形作り、オールデジタルでどこからでも仕事ができるような世界で、誰もが働く方法を変革できるようにします。取引が終了し次第、SlackをSalesforce Ohanaに迎えることができることを嬉しく思います」と語りました。

Slackのバターフィールド氏は、「ソフトウェアがすべての組織のパフォーマンスにおいて、ますます重要な役割を果たすようになってきています。そのため、我々は提供するツールの複雑さを軽減し、パワーと柔軟性を高め、最終的により高度な調整と組織の敏捷性を実現するというビジョンをSalesforceと共有しています。個人的にはこれがソフトウェアの歴史の中で最も戦略的な組み合わせであると信じており、共に働くことが待ちきれません」と語っています。

なお、海外メディアのThe VergeによるとSalesforceによるSlackの買収は、ビジネスソフトウェア業界では最大規模の買収となるとのことです。

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in ソフトウェア, Posted by logu_ii

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