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世間に大きなインパクトを与えた「歴史に残る7つの強盗・窃盗事件」とは?


強盗や窃盗事件は時に犯行の大胆さや被害の大きさなどが世間の強い注目を集め、中には事件を基にした映画が制作される場合もあります。海外メディアのAll That's Interestingが、世間に大きなインパクトを与えた「歴史に残る7つの強盗・窃盗事件」を紹介しています。

7 Of The Biggest Heists In History That Left Police Baffled
https://allthatsinteresting.com/biggest-heists-in-history

◆1:イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館の強盗事件
ボストンにあるイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館は、世界各地の絵画・彫刻・タペストリーなどの美術品を収蔵しています。1990年3月18日の深夜、警察官を装った2人の男が美術館を訪れ、警備員に美術館への入館を求めました。

当日はアイルランド系移民の多いボストンで盛大に祝われる「聖パトリックの祝日」の夜であり、警備員は「騒音の通報があった」という2人の主張を不審に思わなかったそうです。やがて2人は警備員に手錠をかけて拘束し、地下室に監禁しました。その間に犯人らはレンブラントの絵画3点、ドガの絵画5点、フェルメールの絵画1点、古代中国の杯、ナポレオンの軍旗の先についていたタカの彫刻などを含む計13点の美術品を盗み出しました。

この強盗事件による被害総額は550億円以上であり、中でもフェルメールの「合奏」は時価2億ドル(約220億円)以上の価値があるとされています。事件から30年近くが経過した記事作成時点でも犯人は逮捕されておらず、美術品の行方もわからないままです。

by Phil Roeder

◆2:ルフトハンザ航空強奪事件
1978年にアメリカ・ニューヨーク州のケネディ国際空港で起きたルフトハンザ航空強奪事件は、現金約500万ドルと宝石類100万ドル相当が盗まれた事件です。被害総額は記事作成時点の価値に換算して2340万ドル(約24億3000万円)であり、当時のアメリカ犯罪史上最高の被害額でした。

事件の発端となったのは、ケネディ国際空港の従業員であったLouis Wernerがギャンブルで借金を抱え、貸主のマフィアに「ルフトハンザ航空の貨物から現金を盗んで返済する」という考えを漏らしたことでした。このアイデアを知ったマフィアのジミー・バークは、複数人の仲間と共に強盗計画を立案し、1978年12月11日に計画を実行に移しました。ケネディ国際空港にあるルフトハンザ航空の貨物ターミナルに押し入った強盗団は従業員を人質にとり、およそ1時間強で現金や宝石を盗み出すことに成功したとのこと。

ところが、強盗団のドライバーだったEdward Parnellが逃走車両の処分を怠り、ガールフレンドの家の前に駐車したままにしたことから捜査の手が迫ります。バークは口封じのために関係者を次々に殺害していきましたが1979年に逮捕され、殺人罪で終身刑の判決を受けました。なお、この事件は映画「グッドフェローズ」の題材にもなっています。


◆3:アントワープのダイヤモンド窃盗事件
ベルギーのアントワープはダイヤモンドの取引が大きな産業となっており、世界中のダイヤモンド原石が集まる場所です。もちろんダイヤモンドは厳重なセキュリティで保管されていますが、プロの泥棒であったLeonardo Notarbartoloは「ダイヤモンドを取引する側」になってこの問題を克服する計画を立てました。

2000年に計画を始めたNotarbartoloは、アントワープの中心部にあるダイヤモンド取引業者向けのオフィスビルにテナントを借り、正規の宝石商を装いながら建物内部のセキュリティを調査しました。このビルの地下には業者向けの貸金庫が備えられており、Notarbartoloは宝石商として何度も貸金庫を訪れ、警備員とも顔見知りになっていたとのこと。18カ月におよぶ調査を行って計画を練り、Notarbartoloはヨーロッパ中の専門家を結集。合計5人の窃盗団は2003年2月16日の夜に金庫へと侵入し、1億ドル(当時のレートで約120億円)以上に相当するダイヤモンドを盗み出しました。

ところが、窃盗団の一員であるPietro Tavanoが領収書や空になった宝石袋などの焼却処分を怠り、警察がこの手がかりをもとにNotarbartoloら4人を逮捕しました。「キー偽造の専門家」だったとされる残る1人は依然として捕まっておらず、盗まれた宝石も見つかっていません。


◆4:首輪爆弾を付けたピザ配達人の強盗事件
2003年8月28日、ピザ配達人のブライアン・ウェルズ氏は、ペンシルベニア州・エリーの郊外にあるテレビ塔にピザを配達しました。この際、ウェルズ氏は「首輪型の爆弾」を取り付けられてしまい、「首輪爆弾を外す鍵が欲しければ以下のタスクを実行しろ」と書かれた文書を渡されたとのこと。

ウェルズ氏は文書に従って銀行を襲い、8700ドル(当時のレートで約104万円)ほどの現金を入手しましたが、自分の車のそばに立っているところを警察に捕まってしまいます。爆弾について話したウェルズ氏は地面に座らされ、警察は爆弾処理班を呼びましたが、処理班が到着する3分前に首輪爆弾が爆発し、ウェルズ氏は死亡しました。

事件の捜査を進めた当局により、マージョリー・ディール=アームストロングという女が首謀者となり、その他の共犯者と示し合わせてウェルズ氏を陥れたと結論づけられました。検察はウェルズ氏も当初は強盗計画に関わっていたと述べましたが、ウェルズ氏の遺族はこの主張に異を唱えています。なお、ディール=アームストロングには終身刑が宣告され、2017年に獄中死しています。


◆5:「モナ・リザ」の盗難事件
パリのルーブル美術館に所蔵されている「モナ・リザ」は、レオナルド・ダ・ヴィンチの代表的な名画として知られています。そんなモナ・リザの名声が高まったきっかけとなったのが、1911年に発生した「モナ・リザの盗難事件」です。

1911年8月20日、ビンセンツォ・ペルージャはルーブル美術館内に身を隠し、休館日である翌日になるまでじっと待ちました。かつてルーブル美術館で働いていたことがあるペルージャは、美術館の作業員が着用するスモックに着替え、休館日のルーブル美術館をあやしまれずに移動することができたとのこと。モナ・リザの前に来たペルージャは周囲に人がいなくなったタイミングを見計らい、絵を服の下に隠して持ち出しました。

警察の捜査は難航し、詩人のギヨーム・アポリネールを誤認逮捕する事態まで引き起こしました。およそ2年間にわたり自宅のアパートにモナ・リザを保管し続けたペルージャでしたが、1913年にイタリアで売却しようとしたことがきっかけで逮捕されました。なお、ペルージャは「モナ・リザを祖国であるイタリアに返還したかった」と主張していますが、モナ・リザの売却をもくろんだ点からこの主張は疑わしいとのこと。

皮肉なことにモナ・リザはこの盗難事件をきっかけに名声を高めたそうで、記事作成時点では8億6000万ドル(約890億円)の価値があるとされています。

by Bhasker Hariharan

◆6:D.B.クーパー事件
1971年11月24日に発生した「D.B.クーパー事件」は、長い商業航空産業の歴史上で唯一の未解決ハイジャック事件です。オレゴン州ポートランドからワシントン州シアトルに向かうノースウエスト・オリエント航空305便に、ダン・クーパーと名乗る男が乗り込みました。クーパーの年齢は40代半ばであり、黒いレインコートにビジネススーツ、ワイシャツを身につけていたとのこと。

飛行機が離陸すると、クーパーはフライトアテンダントに「ブリーフケースの中に爆弾がある」と伝え、空港に着陸して現金20万ドル(当時のレートで約6000万円)と4つのパラシュートを引き渡し、着陸時に305便へ給油を行うことを要求しました。クーパーは落ち着いた物腰で礼儀正しく、シアトル・タコマ空港で現金とパラシュートを受け取ると乗客らを解放しました。

クーパーが現金とパラシュートを受け取ると飛行機は再度離陸し、ネバダ州・リノ空港へ向かいましたが、このフライトの最中にクーパーは機体後部からパラシュートで降下したとみられています。最終的に305便はリノ空港に着陸しましたが、機内にクーパーの姿や現金はありませんでした。後に現金の一部が見つかるなどの進展もあったものの、クーパーの正体は記事作成時点でも不明です。


◆7:1963年の大列車強盗事件
19世紀に多発した列車強盗は20世紀になると減少しましたが、1963年に発生した列車強盗事件は世間に大きな衝撃を与えました。ベテランの犯罪者であるブルース・レイモンズらの強盗団は、「ロンドンからグラスゴーに向かう列車で数百万ポンド(当時のレートで数十億円)の現金が運ばれる」との情報を入手し、列車強盗を計画したとのこと。

強盗団は1963年8月8日の夜に信号を操作して列車を停止させ、止まった列車に乗り込んで車掌を殴って気絶させました。そして強盗団は運転手を脅し、トラックを止めた付近まで列車を操縦させ、現金をトラックに移し替えたとのこと。盗まれた現金は260万ポンドであり、現代の価値に換算すると4000万ポンド(約55億円)にも上るとされています。

警察が捜査を進めた結果、1963年末までに10人の強盗団メンバーが逮捕され、その後の5年間でさらに3人が逮捕されました。ブラジルに逃亡したロナルド・ビッグズも2001年にイギリスへ帰国した際に逮捕され、2009年まで収監されました。

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in メモ, Posted by log1h_ik

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