レビュー

Nintendo Switchで超本格的な米づくりシミュレーションと爽快アクションが楽しめる「天穂のサクナヒメ」プレイレビュー


横スクロールアクションゲームに「米づくり」要素を融合させた和風アクションRPG「天穂のサクナヒメ」が2020年11月12日に発売されました。「日本古来の米づくりを深く再現したシミュレーション要素」とアクション要素がいったいどのように融合しているのか気になったので、実際にプレイして確かめてみました。

『天穂のサクナヒメ』公式サイト
https://www.marv.jp/special/game/sakuna/

天穂のサクナヒメにはNintendo Switch版とPlayStation4版がありますが、今回はNintendo Switch版をプレイしました。


主人公のサクナヒメは武神である父と、豊穣神である母の両方の素質を受け継いだ神様。


しかし、その外見と言動から、人間に子ども扱いされることもあります。酒に酔った状態で初登場し、そこから30秒ほどで人間にドロップキックをかますというキャラの濃さ。


そんなサクナヒメは、訳あって鬼が巣くう島へ人間たちと共に追放されることに。シリアスな内容のストーリーですが、サクナヒメはコミカルな表情や動きをするので、楽しくプレイすることができます。


追放されたサクナヒメたちは、食料を確保するために狩りや米づくりに励むことになります。まず行うのは「田植え」。苗は決められたポイントに植えるのではなく、田んぼの好きな位置に植える事ができます。「苗は密集させずに苗同士を離して植えた方が良く成長するはず」と考え、苗同士が密集しないように植えたところ……


狙い通り、苗同士を密集させない「疎植」という状態にすることができました。


田植えから収穫までの間は田んぼの水量を管理したり、雑草を引き抜いたりと多くの作業が必要です。必要な作業については農耕好きの仲間が教えてくれるので、「米づくりなんてしたことないから何をすればいいか分からない!」という人も安心。


稲が育ったら白米を得るための作業を行います。白米を得るためには稲を鎌で刈り取る「収穫」の他に……


こき箸を使って稲から籾をはずす「脱穀」や……


籾をついて精米する「籾摺り」といった作業が必要です。これらの作業はボタン1つで行えるわけではなく、何分間も根気よくスティック操作やボタン操作をする必要があるため、「米づくりの苦労」を体感することができます。


実際に米づくりの作業をしている様子は以下のムービーから確認できます。田植え、収穫、精米といった米づくりのほとんどの要素をゲーム内で体験することが可能です。

「天穂のサクナヒメ」で本格的な農作業に励んでみた - YouTube


また、「田植え」や「籾摺り」といった農作業以外に、土壌も稲の質を決める大事な要素です。より良い土壌にするためには肥料を作る必要があるのですが、肥料には「防病」「防虫」「防草」「毒性」といった多くのパラメータが存在するため、どのような肥料を作るかじっくり考える必要があります。


米づくりが完了すると、「稲作の結果」が表示されます。収穫した白米は食べる事でサクナヒメのステータスを一時的に大きく上昇させることができます。また、量、味、硬さ、粘り気、美しさ、香りの度合によって米の「格」が評価され、それに応じてサクナヒメのパラメーターが上昇します。「格」が高いほどサクナヒメのステータスが上昇するので、大変な農作業も手を抜くわけにはいきません。


農作業の一部を仲間に任せることも可能ですが、仲間に任せれば任せるほど稲の品質が下がってしまいます。稲の品質が低いとサクナヒメのステータスがあまり上昇せずゲームの攻略が難しくなってしまうため、できるだけ自分の手で作業を行うのがオススメ。


「米づくり」要素が特徴的な天穂のサクナヒメですが、爽快感抜群のアクション要素も面白いポイントです。アクションパートの操作方法はYボタンで弱攻撃、Xボタンで強攻撃とシンプルですが、それぞれの攻撃を方向キーと組み合わせる事で何通りもの攻撃を繰り出すことが可能。


また、サクナヒメはLスティック+Rボタンであらゆる方向に伸ばすことができる「羽衣」を身に付けており、高い場所に移動したり、敵の後ろをとったりと、横スクロールのステージを縦横無尽に飛び回ることができます。


さらに、サクナヒメは武神と豊穣神の力を受け継いでいるので、稲の成長具合に応じて攻略を優位に進められる「武技」を習得することができます。「武技」はAボタンを押すだけで簡単に発動できるので、複雑な操作は不要です。


以下のムービーでは、サクナヒメが「ぶっとべー!」や「稲作殺法!」といった叫び声を上げながら敵をバッタバッタと倒す様子を確認できます。

「天穂のサクナヒメ」の戦闘は爽快感抜群 - YouTube


豚型の鬼を倒すと豚肉、スズメ型の鬼を倒すとスズメの肉といったように敵の種類に応じた食材がゲットできることも。


入手した食材は拠点に持ち帰って食べる事で、一時的に体力を高めたり、攻撃力を高めたりできます。


食事のシーンは献立に応じてグラフィックが変化したり、キャラクターの食べる動作に応じて食器が空になったりと非常に細かく作り込まれています。食事シーンはスキップすることもできますが、食事中の会話によって世界観やキャラクターの過去が明らかになるため、スキップせず会話を見ることをオススメします。

「天穂のサクナヒメ」の食事シーンの作り込みはスゴイ - YouTube


ステージの中では巨大なボスと遭遇することもあります。ザコ敵とは異なり、ボスは強力な攻撃を仕掛けてくるため、ボスとの戦闘はかなりの歯ごたえがあります。


食事によってステータスを底上げし、「羽衣」や「武技」を駆使してなんとか勝利することができました。実際にボスと戦闘する様子は以下のムービーで確認することができます。

「天穂のサクナヒメ」のボス戦は歯ごたえアリ - YouTube


天穂のサクナヒメには時間の概念があり、各ステージを探索したり、農作業をしていると夜が訪れます。夜になると視界が悪くなるだけでなく、敵が桁違いに強くなり、ステージを探索するのが難しくなります。そんな時は拠点に戻って休息することで朝を迎えることができます。


3回休息すると次の季節に移り、春夏秋冬と四季がめぐるので、春なら田植え、秋なら収穫といった具合に、季節ごとに必要な作業をこなしておく必要もあります。春に植えた苗を秋に収穫し、また次の春に苗を植えて……と何度も繰り返し米づくりを行うことで段々とサクナヒメのステータスが強化され、強敵にも勝てるようになっていきます。


天穂のサクナヒメを実際にプレイしてみたところ、苗を植える位置や肥料の材料、田んぼの水量など、多様な要素に気を配ったり、「脱穀」や「籾摺り」などの農作業を地道にこなしたりと手間ひま掛けて「米づくり」を行う必要があり、プレイしながら米のありがたみを感じることができるゲームでした。アクションはかなり爽快で、複雑な操作をしなくてもサクナヒメを縦横無尽に動かすことができます。さらに、大量の敵が出現するシーンでも画面がカクカクすることなく、快適にプレイすることができました。今回は難易度「普通」で遊んだのですが、ステージが進むにつれてボス戦だけでなくザコ敵相手にも苦戦することもありましたが、米づくりで得た白米を食べたり、「武技」を使いこなすことで何とかステージをクリアすることができました。米づくりという珍しい要素を持つ今作ですが、コミカルなキャラクターのサクナヒメがさまざまな反応を示したり、食事シーンの会話で世界観が語られたりするため自然とゲームになじむことが可能。アクションゲームや農業シミュレーションが好きな人なら誰にでもオススメできる作品です。

天穂のサクナヒメはNintendo Switch版とPlayStation4版が共に5478円でAmazon.co.jpにて販売されています。

Amazon.co.jp: 天穂のサクナヒメ|オンラインコード版: ゲーム


Amazon | 天穂のサクナヒメ-PS4 | ゲーム

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1o_hf

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