ハードウェア

176層の3D NANDフラッシュメモリをMicronが出荷開始


アメリカの半導体製造企業Micron Technologyが、世界初の「176層の3D NANDフラッシュメモリ」を出荷すると発表しました。

176-Layer NAND
https://www.micron.com/products/nand-flash/176-layer-nand

Doing What Can’t Be Done (Again) – Micron Ships 176-Layer NAND
https://www.micron.com/about/blog/2020/november/doing-what-cant-be-done-again-micron-ships-176-layer-nand

Micron Announces 176-layer 3D NAND
https://www.anandtech.com/show/16230/micron-announces-176layer-3d-nand

Micron steals a march on rivals with 176L 3D NAND shipments – Blocks and Files
https://blocksandfiles.com/2020/11/09/microns176l-3d-nand/

Micronは176層の3D NANDフラッシュメモリについて技術的詳細を伏せている段階ですが、今回の発表において、「競合製品に比べ512Gbitダイのサイズを最大30%小さくし、オープンNANDフラッシュインタフェース(ONFI)バスによって1600MT/sを達成した」と報告。この2つの技術的進歩によって、自社の96層3D NANDと比較して、35%以上の読み取り・書き込みレイテンシの向上や15%の混合ワークロードの改善を達成したと報告しています。


この技術的進歩に大きく関わっているのが、128層3D NANDから採用した3D NAND置換ゲート(RG)テクノロジー。今回の176層3D NANDでは、RGテクノロジーによって金属制御ゲート中の抵抗を軽減してセル間の容量性カップリングの問題を改善し、高速でスムーズかつ高性能なパフォーマンスを持つ大容量のデータストレージシステムを実現できたと記しています。


今回発表された176層3D NANDはすでに生産が開始されており、Crucialなどが2021年に発売予定の消費者向けSSDに搭載される予定。Micron製176層3D NANDを搭載したSSDは記事作成時点では発表されていないため、2020年中の176層3D NANDの出荷状況は「かなり少数」だと見られていますが、2021年内には現行の128層3D NANDから176層にシフトするだろうと報じられています。

3D NAND製造として大手のSamsung、SK Hynix、YMTCは128層の段階でとどまっており、Samsungは「2021年4月までに176層に到達する」と発表していました。今回の176層3D NANDの出荷によって、Micronは競合他社よりも一歩先行したと報じられています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
IntelのNANDメモリ事業を約9500億円で韓国半導体企業のSK hynixが買収 - GIGAZINE

毎秒9GB超と従来の3倍速度で読み書き可能な爆速SSD「Micron X100」が登場 - GIGAZINE

世界初の容量1TBのmicroSDカードをサンディスクとMicronが同時発表 - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.