NVIDIAのArm買収を受けてHuaweiなど中国テクノロジー企業が強い懸念を表明
by NVIDIA Corporation
NVIDIAがArmを買収したことで、Huaweiを含む中国のテクノロジー企業が、400億ドル(約4兆2000億円)の取引が脅かされる可能性があるとして、中国の規制当局に強い懸念を表明したと報じられています。
Huawei, China Firms Said to Seek Curbs on Nvidia’s Arm Deal - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-10-21/huawei-china-firms-are-said-to-seek-curbs-on-nvidia-s-arm-deal
传华为等公司尝试阻止英伟达收购ARM|华为|英伟达|ARM_新浪科技_新浪网
https://finance.sina.com.cn/tech/2020-10-21/doc-iiznezxr7236301.shtml
NVIDIA's Arm Acquisition Is Facing Opposition From Huawei Suggest Rumors
https://wccftech.com/nvidia-arm-acquisition-opposition-huawei/
2018年1月にトランプ大統領が緊急輸入制限を発動して追加関税措置を課すことを発表して以来、アメリカと中国の貿易戦争は激化の一途をたどっています。
Huaweiをはじめとする中国のテクノロジー企業は、Armがライセンスを持つArmアーキテクチャを採用したチップを自社製品に採用しています。そんなArmはソフトバンクが所有していましたが、2020年9月にアメリカのチップメーカーであるNVIDIAに約4兆2000億円という価格で買収されることが決定しました
ソフトバンクが約4兆2000億円でArmをNVIDIAに売却 - GIGAZINE
Armがアメリカ企業に買収されてしまったことにより、Huaweiをはじめとする中国のテクノロジー企業がArmアーキテクチャを採用することが困難になる可能性があります。実際に、SamsungがHuaweiへの制裁に参加し、2020年9月からチップ供給を中断しています。また、Huaweiの重要な取引相手で中国最大の半導体ファウンドリであるSMICも、アメリカの制裁リストに加えられると報じられました。
中国半導体製造大手のSMICへの輸出にアメリカ政府が規制、Huaweiにも大きな影響 - GIGAZINE
仮にHuaweiなど中国テクノロジー企業がArmアーキテクチャにアクセスできなくなると、総額400億ドルの取引が失敗となり、大きな打撃を受けてしまうとのこと。経済メディアのBloombergに情報筋が語ったところによると、中国で最も影響力のあるテクノロジー企業の一部が、中国の国家市場監督管理総局と連絡を取り合っており、NVIDIAのArm買収を阻止するか、あるいは中国におけるArmの技術利用を保証する条件を求めるように働きかけているとのこと。
Bloomberg Inteligenceのアナリストであるアンシア・ライ氏は「NVIDIAがArmを買収することを認めると、Huaweiなどの中国テクノロジー企業がArmアーキテクチャ採用のチップを製造できなくなる可能性がありますが、中国がどうやってその壁を乗り越えるのかは疑問です」と述べています。
なお、規制当局へ懸念を表明したという報道について、Huaweiはコメントを拒否しました。
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