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YouTubeの「視聴者への字幕翻訳依頼機能」が終了、ユーザーからは反発の声も


YouTubeの動画につけられる字幕の翻訳を依頼できる機能が、2020年9月28日に終了しました。YouTubeは終了した理由について「期待に反してあまり利用されず、その割にはスパムと嫌がらせの報告が絶えなかったから」と述べていますが、一部ユーザーからは反発の声が挙がっています。

お知らせ:YouTube の視聴者への翻訳依頼機能は 2020 年 9 月 28 日をもって終了します - YouTube Community
https://support.google.com/youtube/thread/61969075?hl=ja


YouTube celebrates Deaf Awareness Week by killing crowd-sourced captions | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2020/09/youtube-celebrates-deaf-awareness-week-by-killing-crowd-sourced-captions/

YouTubeでは、さまざまな国の人でもムービーを楽しめるように、字幕作成ツールが用意されています。YouTubeで翻訳字幕を付けるには、クリエイターが字幕を手動でアップロードするか、YouTubeによる自動字幕起こし機能を使うか、あるいは視聴者有志へ翻訳を依頼して追加する必要がありました。このうち、視聴者有志への翻訳依頼は、誰でも動画のタイトルや説明、字幕を翻訳して提出することができ、クリエイターの承認を受けたあとで自動的に公開されます。

しかし、2020年7月31日時点で、一ヶ月以内に視聴者から提供された字幕を公開したチャンネルは全体の0.001%未満で、字幕の表示時間も総再生時間の0.2%未満だったことが判明。一方で、クリエイターと視聴者の双方から翻訳依頼機能による字幕でスパムや嫌がらせ行為、低品質な翻訳が報告されていたとのこと。

そのため、2020年9月28日をもってすべてのチャンネルで視聴者への翻訳依頼機能が終了することが、2020年7月31日に発表されました。翻訳依頼機能の廃止以降は、字幕の追加はクリエイターによる自作字幕か、YouTubeの自動字幕起こし機能に限られることとなります。


しかし、このYouTubeの発表に対して、「2019年9月から、依頼された字幕は動画投稿者によって承認されなければ表示されなくなったため、翻訳依頼の字幕の表示率が下がるのは必然だ」として、反発のコメントが寄せられています。せっかく質の高い字幕が有志によって投稿されても、動画投稿者が字幕の投稿に気づかず、承認を放置してしまっているケースが増えてしまったことで、翻訳依頼による字幕が表示されるケースも減ったというわけです。

また、海外人気YouTuberのムービーを日本語に翻訳したり、日本でも人気の高いVtuberのムービーを英語や中国語、韓国語などに翻訳したりするには、有志への翻訳依頼機能の存在が非常に重要。YouTuberやVtuberのムービーは毎日ものすごい量が投稿されるため、字幕作成が到底追いついておらず、字幕提供の割合が低くなるのも当然という意見もあります。

なお、翻訳依頼機能終了予定日を過ぎた記事作成時点では、YouTube Studioから視聴者への翻訳依頼のオン・オフをまだ切り替えることができました。


YouTubeは翻訳依頼機能の代替となる機能を発表しておらず、海外のムービーを気楽に楽しみたいという人にとっては厳しい状況が続く模様です。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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