「爆発的な打撃力」で当たれば必ずホームランになるバットがついに発明される、その威力とは?
世界中の野球選手が喉から手が出るほど欲しがるであろう「必ずホームランを打てるバット」がついに現実に登場しました。自動散髪ロボットや絶対にゴールできるバスケットゴールを作ってきたYouTubeチャンネル・Stuff Made Hereが、脅威の打撃力を誇るホームランバットを制作する一部始終をムービーで公開しています。
World's most powerful bat goes boom. Made on my new Tormach 24r - YouTube
Stuff Made Hereを運営するシェーン・ワイトン氏が手にしているのが、問題のホームランバット。
ホームランバットを作るには、土台となるバットを制作するために木材を加工するところから始まります。木材を自由自在に加工するためには、コンピューター制御の加工機が必要になります。
そこで、シェーン氏が加工機メーカーとして有名なTormachに営業をかけたところ、機器の貸し出しを快諾してくれたとのこと。
最低でも約250万円というTormach PCNC 1100MXが到着。
あまりにも巨大すぎるため、工作室に運び込むだけで一苦労。
しかし、高性能の加工機を使えば、手作業では不可能なレベルで超精密に木材を切削することができます。
さらにTormachから「バットを作るならパイン材がいいですよ」とアドバイスを受けたシェーンさんは、パイン材の角材をPCNC 1100 MXで削り出していきます。
削り終わるとこんな感じ。バットの形をしているものの、ボールを打つ部分は装置を取り付けられるようにくぼみやネジ穴が加工されています。
そして、ボールをはるかかなたにぶっ飛ばす打撃力を生むのは、クギ打ち機に使われる.27口径弾です。
ホームランを打てる原理はこんな感じ。バットに埋め込んだ装置にボールを当てると……
.27口径弾の雷管が叩かれ、薬きょう内の火薬が爆発します。そのエネルギーで打球をホームランに変えてしまうというわけです。
バットは切削できたので、今度は.27口径弾を装てんするためのシリンダーを作ります。
完成したシリンダーに.27口径弾を1つだけ装てんし、棒にくくりつけたボールを落下させて、動作実験を行います。
ボールが勢いよくシリンダーに落ちると、バン!と爆発音が鳴り響くと同時に爆発によってボールが跳ね返される……はずですが、なぜか全く跳ね返りません。
スローモーションでよく見ると、シリンダーの横から爆発が漏れてしまっていました。爆発によるエネルギーが横に逃げてしまったため、ボールがまったく跳ね返されなかったというわけです。
そこで、シリンダーの設計を見直し、再度テストを行ったところ、今度は見事にボールを跳ね返すことができました。
なお、シリンダーに装てんできる.27口径弾は最大3発。
試しに.27口径弾を3発装てんしてテストしたところ、衝突の瞬間にシリンダーから激しい火花が散り、ものすごい勢いでボールがふっ飛ばされました。
ボールを見ると、取り付けた棒や軸がひん曲がってしまっています。これはかなりの飛距離が期待できそうです。
さっそく加工済みの木材に取り付けてホームランバットのプロトタイプを制作したシェーン氏は、工作室の中でティーバッティングを行います。
やや腰の引けた素人のバッティングですが、バシュッという音と共に当たったボールはものすごい勢いでネットに飛んでいきます。
ただし、あまりの衝撃に1発でバットが壊れてしまいました。
なお、一度ホームランを打つと弾切れを起こすため、その都度弾をリロードする必要があります。
というわけで、さらなる改良を加えながらホームランバットを制作します。
さらに、安全のためにバイクツーリング用のフルボディアーマーを購入。
そしてフェイスガード付きのヘルメットも用意しました。
ホームランバットの真芯辺りにシリンダーが装着されています。
シリンダーに当たらなければ、ボテボテのゴロになってしまいますが……
真芯に捉えると……
シリンダーの爆発力で打球はみるみるうちに青空へ吸い込まれていきます。
ただし、文字通り「爆発的な打撃力」を受けた硬球は縫い目から裂けてボロボロになってしまいました。
もっと打撃力をわかりやすくするためにシェーン氏が用意したのは、目出し帽を被ったパイナップル。
シェーン氏、振りかぶってパイナップルに……
ジャストミート!
あの硬いパイナップルが、一撃で粉々になってしまいました。
スローカメラで捉えた映像を確認すると、ヒットした瞬間にパイナップルが見事に爆発した様子がよくわかります。
もちろんこのバットは公式試合で使うことはできません。シェーン氏は加工機で台を制作し、ボロボロになった硬球と共に自作のホームランバットを壁に飾りました。
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