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新型コロナウイルス感染症には「安価で劣悪な検査」を実施するべきという主張


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界全体における1日あたりの新規感染者数は20万人を超え続けており、COVID-19の流行は収束する気配さえ見えない状況です。COVID-19対策として重要と考えられている「感染者の検出」という課題について、「完璧な検出率を誇る高価な検査よりも、安価で劣悪な検査こそが最適」という主張が登場しています。

Harvard Scientist Says We Need More Cheap, 'Crappy' Tests For COVID-19. Here's Why
https://www.sciencealert.com/harvard-researchers-want-more-crappy-tests-for-covid-19

「劣悪で安価な検査こそが最適」と主張しているのは、ハーバード大学の助教授として疫学について研究しているマイケル・ミナ氏。ミナ氏は、COVID-19の確定診断に使われるPCR検査の規模の縮小を求めており、代替手段として妊娠検査キットのような自分一人で診断でき、15分ほどで結果が出る簡易検査を一般販売するように求めています。

妊娠検査キットのような簡易検査には、「実際は感染しているが、検査結果は陰性」という偽陰性の問題が存在します。偽陰性とその対義語である偽陽性については、日本臨床検査医学会が詳しく解説しています。

臨床検査の偽陽性と偽陰性について - 日本臨床検査医学会
(PDFファイル)https://www.jslm.org/committees/COVID-19/20200427.pdf


しかし、ミナ氏によると、偽陰性の問題を考慮に入れた上でも妊娠検査キットのような簡易検査が最適とのこと。その理由は、簡易検査は「大量のウイルスを放出している人」を特定しやすいという点にあります。PCR検査は非常に感度が高く、感染力をほぼ持たないレベルの感染者まで検出可能です。一方、簡易検査は感度が悪いため、そういったレベルの感染者は検出できませんが、感度の悪さゆえに、簡易検査に引っかかったならば「相当な感染力を持つ感染者」だと診断できます。

ミナ氏はアメリカにおけるCOVID-19検査が精度を求めすぎており、高価で検査時間もかかりすぎていると指摘し、今求められているのはむしろ安価で検査時間もかからない「質の悪い検査」だと主張。偽陰性の問題については、質の悪い検査が安価である点を利用して、「検査を複数回行えば解決する」と説明しています。


ハーバード大学のグローバル・ヘルス研究所のアシシュ・ジャー所長もミナ氏に同意する研究者の1人です。ジャー所長は「こういった検査は実際には劣悪な検査ではありません。体内のウイルス量が非常に少なく、あまり感染を広げない場合は、検査精度は低くなります。一方で、体内のウイルス量が非常に多く、感染を広げる場合は検査精度が高くなります。疫学的な観点からいえば、体内のウイルス量が多い感染者を捕捉したいのです。感染を広げるタイミングにこそ、感染者を捕捉したいのです」と記者団に述べ、安価で劣悪な検査のメリットを支持しました。

アメリカ疾病予防管理センターの推定によると、現行の検査体制では感染者の10人に1人しか検査が実施されておらず、圧倒的に検査自体が不足している状況です。この問題を報じた科学系ニュースサイトのScience Alertによると、1回あたり1ドル(約106円)から5ドル(約528円)という安価な簡易検査の開発は、アメリカ食品医薬品局の承認段階で止まっているそうです。

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in メモ, Posted by log1k_iy

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