ノートPCを開閉しまくると描画システムがクラッシュする不具合が発見される
Windows 10搭載ノートPCの解像度を4Kに設定している場合、ディスプレイの開閉を繰り返すとデスクトップ描画システムである「Desktop Window Manager(DWM)」がクラッシュするという不具合が発見されました。
Windows 10 Desktop Windows Manager crashes due to DirectX bug
https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/windows-10-desktop-windows-manager-crashes-due-to-directx-bug/
DWMは、Windows Vista以降のWindowsに搭載されている画面の描画を管理するためのプログラムです。WindowsはDWMによって、ウィンドウごとの処理を管理したり複数ウィンドウが重なったときの描画をスムーズにしたりしており、WindowsのアプリケーションはDWMを使って、ビデオメモリー内にピクセルを描画したり視覚効果やアニメーションを適用したイメージを表示したりしています。
今回発見された不具合は、4K解像度のノートPCでディスプレイの開閉を繰り返すとDWMがクラッシュしてしまう、というもの。この不具合が発生するにはかなり厳しい条件を満たす必要があるそうで、Microsoftは「不具合を起こしうる手順」を公開しています。
1:Windows 10搭載のノートPCと4K以上の解像度に対応した外部モニターをHDMIケーブルで接続する。
2:モニターの解像度を4Kに設定する。
3:モダンアプリの「映画&テレビ」で4K解像度かつH.264規格のムービーを再生する。
4:コントロールパネルの「ハードウェアとサウンド」から「電源オプション」→「詳細設定」→「カバーを閉じたときの動作の選択」と開き、カバーを閉じたときの動作を「何もしない」に設定して、「変更の保存」を選択。
5:ムービーの再生中に、カバーを繰り返し開閉する。
また、Thunderbolt 3で複数台の4Kモニターを接続した場合にも同じ不具合が発生するとのこと。Thunderbolt 3を使った場合の、不具合を起こしうる手順が以下。
1:4Kモニター2台をThunderbolt 3ドッキングステーションに接続する。
2:さらに4Kモニターを備えたノートPCをドッキングステーションに接続して、「4Kモニター3台」という構成にする。
3:Thunderbolt 3ドッキングステーションとノートPCの接続・再接続を繰り返す。
Microsoftの説明によると、この現象はハードウェア的な問題ではなく、Microsoft DirectXに内在するビデオメモリ管理コンポーネント「Dxgmms2.sys」が原因とのこと。Microsoftは問題解決に取り組んでいるとしていますが、修正がいつになるかなどのタイムラインについては言及していません。
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