【訃報】三冠馬ナリタブライアンの兄で天皇賞・菊花賞馬のビワハヤヒデ死去
1993年の菊花賞や1994年の天皇賞(春)を勝ち、三冠馬・ナリタブライアンの兄としても知られたビワハヤヒデが、2020年7月21日未明に老衰のため亡くなりました。30歳でした。
7月21日未明ビワハヤヒデ 号は老衰のため永眠いたしました。もう少し長生きさせてあげたかったのですが、力不足で申し訳ありません。
— 有限会社 日西牧場 (@3iZczUtbYRZlVS8) July 20, 2020
ビワハヤヒデ の人生(馬生)は恵まれたものだったと思います。多くのファンに応援してもらい、本当に感謝しております。
日西牧場 高山直樹
ビワハヤヒデは、1990年代に競馬界で大躍進を遂げた早田光一郎氏がイギリスのセリ市で購入した繁殖牝馬・パシフィカスが、日本に運ばれたのち福島県で産んだ子です。父・シャルードは現役時代に大きな実績のあった馬ではありませんでした。
デビューは1992年。岸滋彦騎手を背に新馬戦を圧勝すると、もみじSとGⅡ・デイリー杯3歳Sをレコードタイムで連勝。GⅠ・朝日杯3歳Sでは圧倒的な1番人気に推されましたが、エルウェーウィンに僅差で敗れました。
1992 朝日杯3歳S - YouTube
翌1993年は、ベテラン・岡部幸雄騎手を迎えてクラシック戦線でナリタタイシン、ウイニングチケットと激戦を繰り広げました。三冠レース1戦目の皐月賞は1番人気がウイニングチケット、2番人気がビワハヤヒデ、3番人気がナリタタイシンでしたが、勝負は直線で先頭に出たビワハヤヒデをナリタタイシンが差し切って勝利。
1993 皐月賞 - YouTube
三冠レース2戦目・日本ダービーも皐月賞と同じく、1番人気がウイニングチケット、2番人気がビワハヤヒデ、3番人気がナリタタイシン。直線では人気3頭の勝負となり、人気通りにウイニングチケット、ビワハヤヒデ、ナリタタイシンの順で入線しました。ウイニングチケットに騎乗した柴田政人騎手は、デビュー24年目にして念願のダービージョッキーとなりました。
1993 日本ダービー - YouTube
三冠レース3戦目・菊花賞はビワハヤヒデが1番人気。ダービー馬のウイニングチケットは2番人気、ナリタタイシンが3番人気となりました。レースはビワハヤヒデが早々に先頭の後ろにとりつき、そのまま流れを支配してレコードタイムで押し切る強い競馬を見せました。
1993 菊花賞 - YouTube
1994年には天皇賞(春)を勝利。
1994 天皇賞(春) - YouTube
宝塚記念は自身4度目となるレコード勝利。
1994 宝塚記念 - YouTube
秋の天皇賞にも挑みましたが、こちらは体調が万全ではなくネーハイシーザーの5着に敗れています。なお、レビュー以来このレースまで、ビワハヤヒデは15戦連続で連対(2着以内)しており、シンザンの19戦連続に次ぐ中央競馬史上2番目の記録を打ち立てました。
1994 天皇賞(秋) - YouTube
天皇賞(秋)後、完治しにくい病として知られる屈腱炎を発症。同じ天皇賞(秋)後に屈腱炎が判明しレース翌日したウイニングチケットに続いて、引退しました。
ビワハヤヒデ引退の1週間後、同じ母・パシフィカスから生まれた弟・ナリタブライアンが菊花賞に勝利し、日本競馬史上5頭目の三冠馬となりました。
引退後、種牡馬となったビワハヤヒデですが、自身のようにGⅠ・GⅡレースを勝つ馬は送り出せず、2005年をもって種牡馬を引退。功労馬として余生を過ごしていました。
ビワハヤヒデを訪ねて~日西牧場 | 馬産地コラム | 競走馬のふるさと案内所
https://uma-furusato.com/column/detail/_id_86704
なお、余生の中で、2019年にたてがみを切り取られる被害に遭っています。
今度はビワハヤヒデ!たてがみ切り取られる被害― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル
https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2019/09/21/kiji/20190920s00004048558000c.html
ちなみに、「3強」のライバルであったナリタタイシンは3カ月前、2020年4月13日に老衰のため死亡。ウイニングチケットはうらかわ優駿ビレッジAERUで余生を過ごしています。ビワハヤヒデと同じように、たてがみを切り取られる被害に遭ったことも報じられています。
ウイニングチケットを訪ねて~うらかわ優駿ビレッジAERU | 馬産地コラム | 競走馬のふるさと案内所
https://uma-furusato.com/column/detail/_id_75499
ビワハヤヒデが亡くなったとのニュース。
— うらかわ優駿ビレッジAERU (@aeru_joba) July 21, 2020
30歳。ハヤヒデ、おつかれさまでした。ゆっくり休んでくださいね。
タイシンとハヤヒデとウイニングチケット。3冠を分け合った2頭がいなくなり、ウイニングチケットだけになってしまいました。
2頭の分まで、元気に過ごそう。
チケゾーは今日も元気です。 pic.twitter.com/TUdN8YB02I
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