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カフェやレストランで行われるべき新型コロナウイルス対策とは?


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のための緊急事態宣言は2020年5月25日に全国で解除され、レストランやカフェに出向く人の数が増加しています。そんなカフェやレストランで新型コロナウイルスが拡散するという事態を避ける方法について、オーストラリアのクイーンズランド大学環境衛生学部で上級講師を務めるリサ・ブリックネル氏が解説しています。

How to stay safe in restaurants and cafes
https://theconversation.com/how-to-stay-safe-in-restaurants-and-cafes-139117

2020年3月13日に成立した新型インフルエンザ等対策特別措置法を受け、安倍総理大臣は2020年4月7日、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の7都道府県に対して緊急事態宣言を発令しました。4月16日には緊急事態宣言の対象は全国に拡大しましたが、5月14日に北海道・東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・京都・兵庫を除く39県で緊急事態宣言が解除され、5月25日には首都圏1都3県と北海道の緊急事態宣言が解除。1カ月半続いた緊急事態宣言に終止符が打たれました。

不要不急の外出の自粛を要請する緊急事態宣言が解除されたことを受け、レストランやカフェに出向く人々は増加しています。しかし、COVID-19の新規感染者はゼロになっていないため、ウイルス対策が引き続き重要です。

ブリックネル氏によると、レストランやカフェにおけるウイルス対策では、「ウイルスの感染経路」を考えることが重要とのこと。新型コロナウイルスは、くしゃみ・せきによって放たれる飛まつを吸い込んだり、飛まつに触れた手が粘膜に接触することで感染が広がるとされています。そのため、ブリックネル氏は「飛まつの経路」を考えることが重要だと解説しました。


例えばレストランやカフェに入る際にどうしても触れざるを得ないドアノブやテーブル、イス、メニュー、カトラリーについて、「COVID-19に感染している人が触れたものには、何千個ものウイルスが残されている可能性があります」とブリックネル氏は指摘。そのような物体に触れてから顔を触った場合、ウイルスが体内に侵入して感染してしまう危険性があると説明しました。手についたウイルスは、「手洗い」によって除去可能ですが、カフェやレストランの場合では、化粧室のドアノブにウイルスが付着していることもあり得るとのこと。

なお、新型コロナウイルス対策には、手洗いだけでなく「手の乾燥」も重要です。新型コロナウイルス対策に最適な手の乾かし方は、以下の記事で解説しています。

手洗いだけでなく「手の拭き方」も感染症予防には重要、ベストな手の拭き方とは? - GIGAZINE


さらに、レストランでは他人の口から放たれる飛まつが漂ってくるという可能性もあります。ウエイターから放たれた飛まつがコップや食器に付着したり、他の客の口から放たれた飛まつがエアコンの風で運ばれてきたりするかもしれません。また、支払いのタイミングにも感染の危険があるそうで、クレジットカードによる決済では、暗証番号を入力する機器を経由して感染が広がる可能性が指摘されています。唯一の良いニュースは、「食べ物を経由してCOVID-19が拡散することはない」という世界保健機関の発表くらいのものだとブリックネル氏は述べています。


以上のような懸念について、ブリックネル氏は具体的な対策方法も解説しています。ブリックネル氏はカフェやレストランの事業者側に対して、「各座席を1.5メートル以上離す」ようにアドバイス。通常の呼吸で放たれる飛まつは1.5メートル以内に落下するため、座席同士の間隔が1.5メートル以上あれば安全とのこと。ただし、エアコンの風によって飛まつが運ばれてくる危険性があるため、事業者側は「エアコンの風向き」を考慮に入れる必要があるそうです。

また、「次の客が席に着くまでの間に、テーブルやイスを漂白剤を希釈した消毒剤などで拭く」「テーブルの上にカトラリーや食器を置くのではなく食事と一緒にカトラリーを出す」「スタッフは客との社会的距離を確保するだけでなく、せき・くしゃみなどが出る場合やCOVID-19陽性者と接触した場合には必ず勤務を控える」ようにブリックネル氏は推奨しました。


ブリックネル氏は「オーストラリアのほとんどの州で新型コロナウイルスの新規症例は少なくなっていますが、油断するべきではありません。カフェやレストランで感染が拡大するリスクを減らすための予防策を継続するべきです」と語っています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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