会員登録の成功率を3倍以上にするために気を付けるべき「たった2つのポイント」とは?
何らかのサービスを運営するときには、「いかにしてユーザーに興味を持ってもらうか」が大切なのは言うまでもありませんが、「興味を持ったユーザーに会員登録してもらう」こともまた重要な要素です。Cortadoというアプリでの会員登録率を上げるためにした工夫について、開発者のベン・バーンバウムさんがブログにまとめています。
Two lessons on reducing sign-up friction
https://bbirnbaum.com/two-lessons-on-reducing-sign-up-friction/
CortadoはRSSやTwitterなどからユーザーごとに適した情報を集めて毎日メールで送ってくれるというサービスです。Cortadoの開発がある程度進んだと判断したバーンバウムさんは、最初のユーザーを集めるためにいくつかのフォーラムにサービスについて投稿してみたそうです。最初はサイトを訪問したユーザーのうち会員登録を完了してくれるユーザーはごくわずかでしたが、大きく分けて2つの工夫をすることでその成功率を高めることができたとバーンバウムさんは述べています。
◆1:ユーザーの関心を「2回」必要とする導線設計はしない
最初、登録フォームは以下のように表示されていました。一度、ユーザーにメールアドレスを送信してもらい、そのメールアドレスに会員登録するためのメールを送るという手続きを取るようにしていたとのこと。この登録フォームから16人がメールアドレスを登録しましたが、メールのリンクをクリックしたのは6人にすぎませんでした。この導線では、メールアドレスを記入する時と、メールボックスを見てリンクをクリックする時というようにユーザーの関心を2回得る必要があったのが問題というわけです。
そこでバーンバウムさんは、入力されたメールアドレスには確認メールを送るだけにとどめ、即座にパスワード設定の画面へと移行するように変更したとのこと。会員登録の手順が簡単になった分、botによるアクセスを避けるためにreCAPTCHAも導入したそうです。
◆2:メールのリンクは見た瞬間分かるようにする
最初、会員登録の確認メールは以下のようなメッセージだったとのこと。問題は、このメールにはリンクが2カ所設定されていることで、バーンバウムさんが友人に会員登録するように頼んでみたところ、友人は上のトップページへのリンクを踏んで「メールの確認ができない」とメッセージを送ってきたそうです。
そこで、バーンバウムさんはメッセージのリンクの数を1つにしました。これで一安心かと思いきや、バーンバウムさんは1人のユーザーから「メールにリンクが記載されてなかった」とメッセージをもらってしまったとのこと。
そこで、バーンバウムさんは見た瞬間にどこをクリックすれば良いか分かるようにデザインを変更しました。多くのユーザーは諦めるところを、きちんとリンクがないというメールを送ってくれるユーザーがいたことは幸運なことだったとバーンバウムさんは述べています。
サイトの他の場所も多少変更されているため、メールの変更だけが原因と言えるわけではありませんが、これらの変更を行うことで、訪問したユーザーの会員登録率を5%から18%へと大幅に引き上げることができたとのこと。バーンバウムさんは、簡単に防げるミスで多くのユーザーが会員登録に失敗するところを見て、会員登録の導線を注意深く設計することがいかに大切かを学ぶことができたと述べています。
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