44.8ギガピクセルの超高解像度で350年前の名画をオンラインで閲覧可能にする「Operation Night Watch」
「夜警」の通称で知られる、17世紀のオランダの画家であるレンブラント・ファン・レインの代表作「フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊」が、44.8ギガピクセルという史上最大かつ最も詳細な画像で公開されています。美術館でなければ味わうことができないレンブラントの筆致がインターネット上で、無料でじっくりと見ることが可能です。
Operation Nightwatch - Rijksmuseum
https://www.rijksmuseum.nl/en/nightwatch
See Rembrandt's The Night Watch in 'hyper resolution' as 44.8-gigapixel photo - CNET
https://www.cnet.com/news/see-rembrandts-the-night-watch-in-hyper-resolution-as-44-8-gigapixel-photo/
以下のページで、レンブラントの「夜警」を超高画質で見ることができます。
R.G. Erdmann's hyper-resolution.org
http://hyper-resolution.org/Nightwatch
レンブラントの「夜警」が以下。出勤する市民自警団を描いたレンブラントの代表作で、記事作成時点はアムステルダム国立美術館で展示されています。上記サイトで絵画をクリックすると、クリックした部分がズームされます。
絵画中央に描かれている市民自警団の隊長と副隊長
二人の顔にズームすることができます。
さらに隊長の目元にズーム。油絵らしい筆の跡や、絵画塗料のひび割れがはっきりと見えます。
隊長の目元にもっと近づいたところが以下。「美術館でもここまで近づくことはできないのでは?」というほどの解像度で絵を閲覧することができ、レンブラントがどんな色の絵の具をどのように塗り重ねたのかがよくわかります。
3.79メートル×4.53メートルのキャンバスに描かれた「夜警」はおよそ350年前に描かれた油彩画で、経年による劣化が問題となっています。「Operation Night Watch」は、「夜警」の経年を追跡し、劣化を防ぐためのスナップショットとして448億4687万7500ピクセル(約44.8ギガピクセル)という解像度で撮影保存するプロジェクトで、24行×22列=528枚の写真をつなげてニューラルネットワークで処理し、1枚の絵画写真に仕上げているとのこと。
また、マクロ蛍光X線分析によって「夜警」を1インチ(約2.5cm)ごとにスキャンし、カルシウム、鉄、カリウム、小原度など、塗料に含まれる元素の分析も行われています。
アムステルダム国立美術館は、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年6月1日まで閉鎖されています。そのため、記事作成時点は本物の「夜警」を間近で見る機会はほとんどありません。アムステルダム国立美術館のディレクターであるタコ・ディビッツ氏は「この超解像度の写真は研究者のための重要な情報源であり、皆さんはオンラインでレンブラントの傑作を詳細に至るまで鑑賞して称賛することができます」とコメントしています。
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