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より人間らしく進化し続けるソーシャルメディアのボットが再現できていない人間の特徴とは?


LINEやTwitter、Instagramといったソーシャルメディアによく見られるボットは年々進化しており、人と会話もできるうえ、話し方も人間らしいものになってきています。しかし、南カリフォルニア大学のコンピューターサイエンス学科で准教授を務めるエミリオ・フェラーラ氏らの研究では、ソーシャルメディアにおけるボットの会話と人間の会話には大きな違いがあることが明らかになりました。

Frontiers | Measuring Bot and Human Behavioral Dynamics | Physics
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphy.2020.00125/full

Who's a bot and who's not -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/04/200422091146.htm

ボットは、人間ではなくソフトウェアによって操作されており、一方的に情報を発信するだけのボットではなく、人から送られたメッセージに反応して、会話をこなすボットも存在します。また、政治的な内容を発信するボットも存在し、ボットの情報発信によって選挙結果が左右される可能性も示唆されています。

SNS上で活動する少数のボットが選挙結果を左右できると実験で示される - GIGAZINE


フェラーラ氏らは、Twitterにおけるボットと人間の行動がどう違うかを調査するために、それぞれのリツイート数、返信数、メンション数、ツイートに含まれる文字の長さを比較しました。

以下のグラフは、縦軸はツイートが2つ連続して投稿される確率、横軸はユーザーがソーシャルメディアにアクセスし始めてから経過した時間を表しています。ボットはオレンジ(bots, HL)と緑(bots, FE)の線、人間は青(humans, HL)と赤(humans, FE)の線。FEは2017年4月25日~2017年5月7日に投稿されたフランスの選挙期間中に抽出したデータ、HLは無作為に抽出したデータです。人間のツイートは時間の経過ごとに連続投稿の確率が減少していますが、ボットは30分、60分、120分など、一定時間ごとに連続投稿の確率が上がっていました。


以下のグラフでは、縦軸の左側がFE、右側がHLの1セッションあたりのリツイート率の高さで、横軸は20~25投稿ごとに区切ったセッションの数です。人間はセッションに占めるリツイート率が徐々に高くなり、ボットはあまりリツイートをしない傾向にあることが分かります。しかし、宣伝のためか選挙期間中のボットのリツイート率はやや高くなっています。


それぞれの返信率を調査した以下のグラフは、縦軸はセッションあたりの返信率の高さ、横軸はセッション数を表しています。人間はセッションが増えるごとに返信率が高くなり、ボットはほとんど返信をしていません。


以下のグラフは、返信ではなく、ツイート中に相手のアカウント名を含めた投稿、メンションの割合を調査したもの。横軸はセッション数、縦軸はセッションあたりのメンション率の高さです。メンション率についても人間の方が高く、ボットは低くなっていました。


1ツイート中の文字の長さを調査した以下のグラフでは、横軸はセッション数、縦軸は1ツイートあたりの文字数を表しています。全体的に人間の方が1ツイートごとの文字数は少なく、セッションを重ねるごとに文字数が減っていました。


人間は、セッションを重ね、時間が経過するごとにタイムライン上のツイートが増えることから、徐々にリツイート、リプライ、メンションの割合が増加していました。また、人間のツイートにおける文字数が減少する原因については、やり取りが続くにつれて人間が疲れてしまい、ツイートを作成しづらくなっていると考えられています。

一方で、ほぼ常にタイムラインを監視しているボットは、時間経過に関わらず一定数のリプライやリツイートなどを行います。さらに、ボットは疲れを知らないので、人間のように時間経過でツイート率が減ったり、文字数が減ったりするような行動の変化は観察されませんでした。フェラーラ氏らは、ボットの行動傾向の特徴を、ボット検出システム開発者に情報提供し、ボット検出の精度の向上に貢献しています。

フェラーラ氏は「ボットは常に進化しています。AIの進歩により、人間の話し方や対話の特徴をより模倣した、リアルなボットを作成することが可能になりました。私たちは、ソーシャルメディア上での人間特有の行動を継続的に調査しており、それを利用してボットを検出するための洗練されたツールの開発を目指しています」と語りました。

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