「ディズニーのハッシュタグでツイートすると利用規約に同意したことになる」とディズニー公式Twitterアカウントが主張して炎上し方針転換
ディズニーの公式Twitterアカウントが、「映画『スター・ウォーズ』にまつわるハッシュタグを使ったTwitterのツイートは、問答無用でアカウント名の使用を認めたことになり、ディズニーサービスの利用規約にも同意したことになる」との見解を発表しました。この発表はファンの間で物議を醸し、これを受けてディズニーは発言を一部訂正しました。
By sharing your message with us using #MayThe4th, you agree to our use of the message and your account name in all media and our terms of use here: https://t.co/G0AyToufQ5
— Disney+ (@disneyplus) April 27, 2020
Tweeting About #MayThe4th? Disney Wants to Make One Thing Clear First
https://www.newsweek.com/may-4th-star-wars-day-force-you-disney-plus-1500513
ディズニーは映画「スター・ウォーズ」に登場する名言「May the Force be with you.(フォースと共にあらんことを)」にちなんで、5月4日(May 4th)を「スターウォーズの日」と定めています。SNS上でも、毎年5月4日になると、多くのファンが「#MayThe4th」というハッシュタグを使用して投稿を行い、映画に関連するイベントや作品の話題で盛り上がります。
2020年5月4日が目前に迫った4月27日に、ディズニーのストリーミングサービス「Disney+」の公式アカウントはTwitterで、「サーガを祝いましょう!お気に入りのスターウォーズの思い出を添えてリプライを送って下さい」と投稿。このツイートには、記事作成時点で6800件を超す「いいね!」が寄せられています。
Celebrate the Saga! Reply with your favorite #StarWars memory and you may see it somewhere special on #MayThe4th.
— Disney+ (@disneyplus) April 27, 2020
一方、問題になったのが、この直後に投稿された「あなたのメッセージを『#MayThe4th』付きで共有すると、あなたはあらゆるメディアでメッセージとアカウント名を使用することに同意したと見なされ、同時にディズニーサービスの利用規約にも同意したとみなされます」というツイートです。
By sharing your message with us using #MayThe4th, you agree to our use of the message and your account name in all media and our terms of use here: https://t.co/G0AyToufQ5
— Disney+ (@disneyplus) April 27, 2020
なお、このディズニーサービスの利用規約の「ユーザー作成コンテンツ」の項目には、「当社は、ユーザー作成コンテンツの所有権を主張しませんが、お客様は、当社に対し、すべての著作権、商標権、特許権、企業秘密、プライバシー権、パブリシティ権及びその他の知的財産権に基づき、(中略)非独占的、サブライセンス可能かつ取消不能なロイヤリティーフリーの、全世界を対象とするライセンスを付与します」と書かれおり、ディズニーの当初の主張によると「#MayThe4th」のタグを付けてツイートするだけでこれに同意したことになります。
アメリカの週刊誌Newsweekは「ツイートの内容はツイートした人の知的財産権を構成していますが、Twitterは『全世界、非独占的、ロイヤリティフリーのライセンス』を有しており、ユーザーの個別の許可を得ることなく、ツイートの内容の共有、埋め込み、リツイートを行い、Twitterの利用規約の範囲内で使用できます。つまり、ツイートの内容はツイートした人のものとして著作権で保護されていますが、ツイート自体は公開を前提としたものなので、Twitterの利用目的の範囲内で共有されうることになります」として、ディズニーの主張はあくまでTwitterの趣旨に沿った物だとの見方を示しました。
ディズニーがスター・ウォーズの著作権を有しているのは事実ですが、同作のファンは2012年にディズニー・カンパニーがルーカスフィルムを買収するよりはるか前の1979年から、非公式に5月4日の「スター・ウォーズの日」を楽しんできました。
そのため、ファンの気持ちを商業に利用するかのようなディズニーのツイートには、「了解しました!私が『#MayThe4th』で一番気に入っているエピソードは、ロサンゼルス・タイムズがティズニーとディズニーランドの本拠地・アナハイム市との癒着を報じた報復に、ディズニーがロサンゼルス・タイムズを映画の試写会から締め出したことです!」との皮肉まじりのリプライや……
Sure! ???? My favorite part of #MayThe4th is when Disney blacklisted the LA Times from film reviews because it wrote about their shady theme park practices
— genevieve ⚧ (@an_mistake) April 27, 2020
ツイートの文面をスター・ウォーズのオープニングロール風に仕立てた画像
https://t.co/KpBCXtu5xu pic.twitter.com/yFJ7NXr6cG
— CoffeeBird ☕️???? #WFHCru (@Kithrak_) April 27, 2020
「あ、ならいいです」と、北朝鮮の最高指導者である金正恩氏が手を振っているGIFアニメーションが添付されたリプライなどが寄せられました。
Oh ok then. pic.twitter.com/Id0LW3MqrU
— Þórhalla Björgvinsdottír Esq. (@ThorhallaBjorg) April 27, 2020
こうした反応を受けて、ディズニーは4月28日に「利用規約などへの同意は、『#MayThe4th』のタグを付けた、Disney+に言及するこのツイートへのリプライのみに適用されます」と発表して、対象となるツイートの条件を明確化しつつ、その範囲を大きく変更しました。
The above legal language applies ONLY to replies to this tweet using #MayThe4th and mentioning @DisneyPlus. These replies may appear in something special on May the 4th!
— Disney+ (@disneyplus) April 27, 2020
なお、この件とは直接関係ありませんが、ディズニーは2019年にも映画「アナと雪の女王2」に関するステルスマーケティングの疑いで、謝罪声明を発表する不祥事を起こしています。この時は、ディズニーの下請けの広告会社の依頼を受けた複数の漫画家が、映画を宣伝する漫画を一斉にTwitterに投稿した際に、広告だということを示すハッシュタグや表記がなかったことが問題となりました。
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