Alexaと話すと人前でスピーチするのが怖くなくなるとの実験結果
ペンシルベニア州立大学の研究チームが、AmazonのAIアシスタントであるAlexaが人前で話すことへの不安を和らげることが可能だということを突き止めました。
Anxious about public speaking? Your smart speaker could help | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2020-04/ps-aap042420.php
「Alexaを搭載したスマートスピーカーのような機械を使用して、スピーチや人付き合いに不安を持つ人に適切なトレーニングを提供できれば、Alexaをコミュニケーションの先生の代わりに使用できます」と話すのは、ペンシルベニア州立大学メディア効果研究所の共同設立者であるShyam Sundar氏らの研究チームです。このことを実証するため、研究チームはAmazon Echoを使った実験を行いました。
実験ではまず、「積極的に個人的な会話を行う社会性の高いAlexa」と「あいさつや会話をあまりしない社交性の低いAlexa」を搭載したAmazon Echoを用意し、被験者にランダムにどちらかと会話をさせました。その後被験者は、20人の聴衆がいる部屋を模したVRソフトを使って、スピーチでの発表会を行うよう指示されました。そして、発表会の後にアンケートを行い、被験者が発表会でどんな経験をしたかを確かめました。
by The Unwinder
その結果、「社会性の高いAlexa」と会話した参加者は、Alexaと親密感のある関係を構築することによりスピーチへの不安が和らいでいたことが判明しました。
研究チームの一員であるSaeed Abdullah氏は、この結果について「Alexaとの通常のやりとりは非常に機能的ですがドライです。しかし、Alexaを通じてある種の社会的な糸口が提供されれば、ユーザーはポジティブな結果を得ることができます」と述べました。
また、Sundar氏は「Alexaと話した人は、単にAlexaを擬人化しているのではなく、機械に親密感を感じることで社交性が向上し、ひいては人前で話すことへの不安も低下しました。この研究結果は、Alexaなどのスマートスピーカーを質問に答えるだけの道具ではなく、ヘルパーやコーチとして機能するスマートスピーカーのような用途に変えることができるということを示しています」と話しています。
研究チームは今後の研究を通じて、人前で話すことへの不安だけでなく、ほかのさまざまな不安を抱える人を支援できるようなスマートスピーカーの実現を目指していく考えとのことです。
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