外出制限に対する抗議デモがアメリカで相次いで開催中、Facebookは抗議デモのイベントページの削除措置を実施
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止するため、アメリカではロックダウンが実施されています。しかし、ロックダウン中の厳しい外出制限に対し、経済活動の再開を求めるデモがアメリカ国内で続発。このような状況の中、Facebookは外出制限に対する抗議デモを宣伝する投稿を削除し始めています。
Pro-gun activists using Facebook groups to push anti-quarantine protests - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2020/04/19/pro-gun-activists-using-facebook-groups-push-anti-quarantine-protests/
Republicans attack Facebook as network shuts down anti-lockdown protests - POLITICO
https://www.politico.com/news/2020/04/20/facebook-shuts-down-anti-quarantine-protests-at-states-request-196143
Facebook takes down event pages for several anti-quarantine protests | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/04/facebook-nixes-anti-quarantine-event-listings-for-violating-state-rules/
Facebook removes some events calling for protests of stay-at-home orders
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/facebook-removes-some-events-calling-protests-stay-home-orders-n1187811
COVID-19の拡大を防ぐには、他人とのとの接触を減らすなどの社会的距離を取ることが重要です。2020年4月20日の段階で、日本で行われている措置は外出の「自粛」要請です。
菅官房長官 外出自粛「もう一段の国民の協力を」 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200420/k10012396321000.html
一方、アメリカやイギリスでは法的処罰によって人の移動や企業活動の制限を行う措置である「ロックダウン」を実施。個人に対しては不要不急の外出について制限を課し、企業に対しては生活必需品を扱っていない店舗や病院以外の公共施設などを強制的に閉鎖しました。
これまでとは全く異なる日常に対して人々の不満は高まっており、アメリカではロックダウンの解除を求めるデモが続発。さまざまな州開催された数十の抗議デモで、抗議者は「外出制限が権利侵害である」と主張し、経済活動の再開を訴えていました。
Guns and protests.
— AFP news agency (@AFP) April 16, 2020
"Michiganders Against Excessive Quarantine" protest in Lansing.
The group is upset with Michigan Governor Gretchen Whitmer's expanded stay-at-home order to contain the spread of the #CoronavirusOutbreak
?? Jeff Kowalsky pic.twitter.com/UrZqGyiPVS
このような抗議デモはオンライン上で参加者を募っています。しかし、2020年4月19日、アメリカ大手紙のワシントンポストは、「Facebook上の外出制限抗議デモが削除されている」と報告しました。
Facebookの発表によると、州当局の要請によりカリフォルニア・ニュージャージー・ネブラスカの3州で開催される予定だった抗議デモのイベントページを削除したとのこと。その他の州で実施される抗議デモのイベントページは削除されていません。今回の削除に関するポリシーについて、Facebookの広報担当者は「政府がイベントを禁じない限り、Facebook上での集会は許可されています。これと同じ理由で、社会的距離を離すことを求める政府の指導に反するイベントは、Facebook上では許可されていません」とコメントしました。
外出制限に対する抗議デモが相次いでいるにも関わらず、世論調査では社会的距離を離す取り組みに対して肯定的な結果が出ています。The Wall Street JournalとNBC Newsが共同で実施した世論調査によると、「外出制限を早期に解除されてCOVID-19がまん延するることを懸念している」と回答した有権者は58%でしたが、「制限が長く続いて経済活動に打撃が出ることを懸念する」と回答した有権者は32%でした。
なお、ドナルド・トランプ大統領はTwitter上で、武器を保持する個人の権利である「武装権」を保証するアメリカ憲法修正第2条を引用する形で、「バージニア州を開放せよ」「ミシガン州を開放せよ」といった外出制限に対する抗議デモを後押しするツイートを投稿しています
LIBERATE VIRGINIA, and save your great 2nd Amendment. It is under siege!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) April 17, 2020
LIBERATE MICHIGAN!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) April 17, 2020
・関連記事
パンデミックに強い対策をするほど経済はより強く回復できると研究から明らかに、疫病対策と経済はトレードオフではない - GIGAZINE
ウイルスの感染拡大を防ぐには「1人の友人と会うことも控える必要がある」とわかりやすく示す図が公開 - GIGAZINE
エアロゾルが新型コロナウイルスを運ぶ距離は最大約4メートル、「靴の裏」からウイルスが拡散する可能性も - GIGAZINE
人の後ろを歩く際は4~5メートル、自転車は10メートル離れる必要ありと新型コロナウイルス感染対策の新たな論文で指摘される - GIGAZINE
2022年まで社会的距離を置く必要があるという研究結果 - GIGAZINE
反ワクチン派は新型コロナウイルスの大流行にどう反応しているのか? - GIGAZINE
・関連コンテンツ