映画とは違う現実の「潜水艦の魚雷攻撃」をベテラン潜水艦乗りが語る
ロサンゼルス級原子力潜水艦やオハイオ級原子力潜水艦のソナー担当員を務め、大西洋と太平洋を股にかけた元アメリカ海軍の潜水艦乗りアーロン・エイミック氏が、現代の魚雷について分かりやすく解説しています。
Modern Submarine Torpedo Attacks Are Nothing Like What You See In The Movies - The Drive
https://www.thedrive.com/the-war-zone/33018/modern-submarine-torpedo-attacks-are-nothing-like-what-you-see-in-the-movies
エイミック氏によると、現代の魚雷はその駆動方式によって「熱式」と「電気式」の2つに大別することが可能だとのこと。
まず、熱式魚雷は水中でも燃焼できるように、外部からの酸素の供給が不要なオットー燃料IIが使用され、機関部にはガスタービンエンジンや斜板式エンジンが採用されます。
熱式魚雷の大きな特徴は、電気式魚雷に比べて高速で長射程だという点です。液体燃料はエネルギー密度が高く、最新のガスタービンエンジンは消音性にも優れるため、熱式魚雷は命中直前まで相手に気取られることなく水中を突き進むことができます。
一方、電気式魚雷は製造や維持管理が容易で取り扱う上での危険性も少ないため、熱式魚雷よりも普及しています。永久磁石を組み込んだ高トルクの電気モーターは、発射されると1秒未満で加速を開始して瞬時に50ノット(時速約92km)まで加速し、機械的な遅延を起こすことなく速度を調節できます。また、電気式魚雷のもう1つのメリットはモジュール化して臨機応変に運用するできることです。
例えば、ドイツ製のDM2A4 Sea Hake Mod 4という魚雷は、搭載するバッテリーを2~4個まで変更できます。バッテリーを減らせば軽量化が可能で、増やせば射程を伸ばせます。また、50ノットという速度はバッテリーの数に左右されることがなく、静音性にも優れています。
by ATLAS ELEKTRONIK
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