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600万回以上も再生された「感染拡大を遅らせることがいかに大切か」が一発で分かるムービー


新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、世界各地では在宅勤務や社会的距離を取るなどの方法による「新型コロナウイルスの感染拡大を遅らせる」取り組みが続けられています。そこで、こうした努力がいかに重要になのかを分かりやすくまとめたムービーをアメリカのニュースメディアVoxが公開し、2020年4月7日の時点で600万回以上も再生されるなど関心を集めています。

Why fighting the coronavirus depends on you - YouTube


2020年3月11日、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスの感染拡大を「パンデミック」と認めました


しかし、この認定は既に中国・韓国・イラン・イタリアなどで新型コロナウイルスがまん延してしまった後でした。


会見でWHOのテドロス・アダノム事務局長は「今後数日間から数週間のうちに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受ける国が拡大し、患者数や死亡者数はさらに増えるものと予想されます」と述べています。


このムービーでは、「もはや感染拡大が不可避なら、人々にできるのは一体何なのか?」を探っていきます。


そのためにはまず、COVID-19について知る必要があります。COVID-19の主な症状は発熱・疲労感・せきです。体の痛みや頭痛などを伴う場合もありますが、割合は高くありません。また、症状には個人差があり、まったく症状がない場合もあります。


いずれにせよ、大半の症状自体は命にかかわるものではなく、患者の8割が軽症で済むとされています。しかし、2割は重症化します。


重症化した場合は、入院して人工呼吸器を使用しなければならないほど重度の肺炎に発展することもあり、最終的な致死率は1~2%にのぼると見積もられています。


しかし、一口に致死率といっても0~9歳では0.01%、80歳以上では18%と致死率には開きがあります。また、基礎疾患や慢性疾患、いわゆる持病を持つ人の場合はウイルスの克服がより困難になります。


COVID-19の感染性はインフルエンザを上回るといわれていますが、感染方法として確認されているのは「せきやくしゃみを介して、目や口や鼻といった粘膜からウイルスが侵入する経路」のみです。


そんな新型コロナウイルスの特徴の1つが、「感染してから症状が現れるまで平均して5~6日かかる」という点です。そのため、新型コロナウイルスに感染しても気づかず、感染を拡大させてしまう場合があります。


この性質が、WHOがパンデミックを認定しなければならないほどの急速な感染拡大をもたらしました。


パンデミックを発表する一方で、テドロス・アダノム事務局長は「声を大にして言いたいのは、多くの国がまだパンデミックの広がり方を変えることができることです」と訴えています。


人類が新たなパンデミックに直面する中、最も懸念されているのは「多くの人が同時にCOVID-19になり、医療機関が患者であふれかえってしまうこと」です。


例えば、この黄色い丸印を「健康で元気な人」と仮定します。そして、この人が公共交通機関に乗って出勤し……


会社でCOVID-19に感染してしまったとします。


しかし、症状が出るまでには時間がかかるので、すぐには感染したか分からない上に、まだ普通に行動することが可能です。


そのため、バスケットボールの観戦に出かけることもあります。


その場で何人か感染しても多くは軽症で済みますが、高齢者などの場合は重症化し……


入院が必要になります。


しかし、入院が必要ない人は公共交通機関に乗ったり、職場に出勤したりしてさらに感染を広げてしまいます。


そのため、たとえ入院しなければならない割合が2割だとしても、病院の病床数を超える患者が病院に押し寄せることになります。


そうなると、治療を受けられれば助かったはずの人が助からず、「避けられたはずの死」が発生してしまいます。


事実、韓国・イラン・イタリアではCOVID-19の感染者が2週間で100人から5000人に急増し、病院に押し寄せることになりました。


その結果、救えたはずの命が失われてしまう事態が起きました。


この結果を招いたのは、感染しても症状がなく、結果として無自覚のうちにウイルスを拡散させてしまった人です。


これを防ぐには、「既に感染してしまっているものと考えて行動する」ことが重要になります。


具体的には、公共交通機関・職場・混雑する場所だけでなく、小さな集まりも避けることです。そうすることで、感染する確率と感染させてしまう確率の両方を減らすことができます。


これが、「社会距離拡大戦略」の考え方です。


感染拡大の速度が緩やかになれば、一度に入院する人の数も減るので、「治療を受けられない人」が出ることもありません。


これが、パンデミックの感染拡大の2つのシナリオです。


専門家が口々に「カーブをなだらかに」と訴えているのも、治療を受けられず死んでしまう人が出るのを食い止めるため。


その実現に向けて、多くの企業が在宅勤務を導入したり……


主要なスポーツ団体が試合の開催を見合わせたりしています。


「やりすぎでは?」という声もありますが、歴史を振り返れば結論は明らかです。


1918年にアメリカを襲ったスペインかぜに対し、セントルイスとフィラデルフィアでは異なる対応がとられました。


フィラデルフィアでは保健当局の許可のもと、大規模なパレードが開かれましたが……


セントルイスでは学校や劇場、バーなどを閉鎖し病気のまん延に備えました。


そんな2都市における10万人当たりの死者数のグラフがこれ。フィラデルフィアではスパイクが発生している一方で、セントルイスでは見事になだらかなカーブが描かれています。


今回のパンデミックも、この時と同じ状況だといえます。


「これは、あなたにとって大切な人が生きるか死ぬかの選択です」とムービーは締めくくっています。

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in 動画, Posted by log1l_ks

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