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新型コロナウイルス対策の「社会距離拡大戦略」が他の感染症も抑えていることが確認される


新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、世界各国で不要不急の外出を控えたり、人が集まるイベントや集会を中止したりする「社会距離拡大戦略」が実践されています。これにより、インフルエンザなどの感染症も抑えられている可能性が高いことが、大規模なデータを利用した調査により判明しました。

Social distancing slowing not only Covid-19, but other diseases too — Quartz
https://qz.com/1824020/social-distancing-slowing-not-only-covid-19-but-other-diseases-too/

アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置くKinsa Healthは、全米で100万台以上のスマート体温計を売り上げている医療機器メーカーです。同社はスマート体温計と連携しているスマートフォンアプリを介して、多数の匿名化された体温測定データを蓄積しています。このデータは過去に行われた「インフルエンザの流行を予測する研究」にも活用され、感染症の流行を高い精度で予測することが可能だということが確かめられています。

また、新型コロナウイルスの影響により、2020年3月までにKinsa Healthのもとに届いた体温のデータは、例年のインフルエンザシーズンの2~3倍に上るとのこと。そこでKinsa Healthは、発熱など新型コロナウイルス感染症の症状がインフルエンザと似ていることに着目して、新型コロナウイルス対策が感染症の流行にどのような影響を及ぼしているかを調べました。

その結果が以下のグラフです。薄い桃色で示された「インフルエンザ様の症状を呈するアメリカ人の割合の予測値」は、3月19日から3月23日にかけて4%から3.7%に推移しています。一方で、濃い茶色で示された2020年の実測値は、3月19日は4.9%でしたが3月23日には3.3%に急落しており、例年よりも低いという逆転現象が生じています。


オレゴン州立大学で感染症を研究しているベンジャミン・ダルジル氏はこの結果について「体温測定データが急増しても、予測データが不正確になることはありません」と述べて、この結果が単なる統計的な変動ではないとの見方を示しました。

また、Kinsa HealthのCEOであるInder Singh氏は、インフルエンザ様の症状がわずか4日間で1.6パーセントポイントも減少したことについて「この種の広範な社会距離拡大戦略は近年では前例がないので、比較対象はありません」としつつも「この症例数の極端な低下は、現在の取り組みに対して私たちが期待している結果と見事に一致しています」と述べて、社会距離拡大戦略の効果を評価しました。

他にも、新型コロナウイルスの検査により一部地域での大規模な感染拡大が表面化する前から、体温測定データがそのことを予測していたことも分かっています。フロリダ州では3月の後半から新型コロナウイルス感染症の症例が急増したことが報告されていますが、Kinsa Healthの体温測定データを見ると、フロリダ州で最も人口が多いマイアミ・デイド郡では3月の半ばには既に発熱している人の数が急増傾向にあったことが見てとれます。


アメリカで大々的に行われている「社会距離拡大戦略」が新型コロナウイルスを含めた感染症予防に一定の効果を発揮していることが分かった一方で、ダルジル氏は「最もこの戦略の恩恵を受けている地域でさえ、ひとたび流行が拡大すれば発熱する人の数は急増してしまうかもしれません」と述べて、病気のまん延を遅らせることはできても完全に食い止めることはできないため、油断は禁物だと強調しました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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