18億ピクセルという過去最大にして最高解像度の写真をNASAが公開、ズームで火星を細部まで見ることが可能
火星探査機ローバー「キュリオシティ」がわずか4日間で撮影した1200枚の画像から作成された18億ピクセルのパノラマ写真が、2020年3月4日付けでNASAによって公開されました。「世界最大にして最高解像度の画像」には一体何が写っているのか、NASAのアシュウィン・ヴァサバダ氏がムービーで解説しています。
Curiosity Mars Rover Snaps 1.8 Billion-Pixel Panorama (narrated video) - YouTube
これがNASAによって公開された画像の全貌。
写真はローバーに搭載されたマストカメラによって撮影されているため、ローバー自体は一部が切れていますが……
別の場所にあるもう1台のマストカメラによって撮影されると、以下のようにローバーの様子もしっかり写ります。
この写真のすごいところは、高解像度ゆえに拡大しても細部をはっきりと見ることが可能なこと。
写真の奥にどんどん近づいていくと……
クレーターのふちまでしっかり確認できます。そしてそこから20マイル(約32km)離れたところに……
「Slangpos crater」と呼ばれる直径3マイル(約4.8km)もある巨大なクレーターが確認できます。巨大な何かがここにぶつかったのだとみられています。
ローバーが撮影を行っている山側は、数十億年前には湖などがあった場所だと考えられています。この場所の岩は粘土層を含み、火星が元はどのような場所だったかをひもとく手がかりになると考えられているとのこと。
ローバーがかつて観測を行っていたVera Rubin RidgeやCentral Butteも映し出されています。
Greenheugh Pedimentと呼ばれる場所では、崖を岩が波打つように覆っています。これは湖が消失し、現在の山が形作られた後に形作られたものだと考えられているとのこと。
高解像度画像は360度画像として撮影されたものなので、魚眼レンズを使った時のようにゆがみが生じています。
今度はローバーについて見てみると、黒くなっているのがローバーのマストの影が落ちている部分。
丸い部分は放射線測定検出器。放射線測定検出器のおかげで研究者は、将来的に火星に向かう宇宙飛行士を放射線から守る方法を考えることができます。
チューブやワイヤーも確認できます。これらのチューブは液体冷却システムに使われていたもので、ワイヤーはデータ通信の「命綱」だったとのこと。チューブやワイヤーは、ローバーが火星に着地する際にへその緒のようにカットされました。
日時計には「火星へ。冒険のため」という文字が刻まれています。
そしてローバーの向こう側には、ローバーが走ってきた跡を確認可能。
この跡は遠くの方までずっと伸びていました。
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