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何千匹もの魚の行動を自動追跡&記録する「Tidal」を元Googleの秘密研究機関「X」が開発


Googleの兄弟企業であり秘密研究機関として知られる「X」が、何千という魚の個々の行動を自動で追跡・記録できる技術「Tidal」を開発しました。この技術は、これまで人が把握しづらかった「海面下で何が起こっているのか」の理解に役立つとみられています。

Introducing Tidal - X, the moonshot factory
https://blog.x.company/introducing-tidal-1914257962c3

Alphabet's X launches Tidal to automatically track and log fish behavior | VentureBeat
https://venturebeat.com/2020/03/02/alphabets-x-launches-tidal-to-automatically-track-and-log-fish-behavior/


リサイクル処理されなかったプラスチックが5mm以下の細かな粒子「マイクロプラスチック」となり、魚を汚染し成長を妨げていることが問題となっています。また、サンゴ礁の白化現象は「もう元には戻せない」レベルにまできていることも指摘されています。このような海洋を巡る問題は人類の食料や経済にまでつながっていますが、問題は、「人が海面下で何が起こっているのかをあまり知らない」ということ。そこで、Xは自動的に魚の行動を追跡し記録することができる技術「Tidal」を開発しました。

Tidalの開発チームは過去3年にわたり世界中の養魚業者と関わりあう中で、「健康な魚」の判別が、水揚げ後に目視で行われ、人の手によって選別が行われていることを知ったとのこと。このような作業は時間と手間がかかり、スケーリングが難しいということで、Xは「人間には見えない水中での魚の行動を検知・解釈する「機械知覚」(machine perception)ツールを開発しました。


Tidalは水中にいる何千という魚を個々に追跡・モニタリングし、摂食といった魚の行動を記録。また同時に水の温度や酸素レベルといった環境の情報を収集するため、「どのくらいエサを入れればいいのか」といった点が理解しやすく、コストの面から見ても養殖場の管理に役立つと開発チームは述べています。

魚のトラッキングの様子が以下。画像をクリックするとGIFアニメーションを見ることができます。


なお、上記のような養魚業者との技術開発は、Xが支援を試みる分野の1つにすぎないとのこと。開発チームはTidalのテクノロジーを検証し、海洋からより多くのことを学んだ後に、海洋の保護に取り組む専門家や組織と協力し、他の分野や問題に学習内容を適用する計画だと述べています。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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