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ビッグデータで満員電車を減少させるためにイギリスで始まった取り組みとは?


電車やバスが遅延でなかなか来なかったり、乗れてもすさまじく混んでいたりした時に、「これならいっそ歩いた方が良かったな」と思った経験がある人も多いはず。イギリス第2の都市マンチェスターを擁するグレーター・マンチェスターでは、そんな交通の悩みを解決する先進的な取り組みが始められています。

Tired of packed trains? Here's how smart cities can make your commute less painful | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/tired-of-packed-trains-heres-how-smart-cities-can-make-your-commute-less-painful/

TfGM using cloud-based data platform to analyse crucial data
https://www.transport-britain.co.uk/tfgm-using-cloud-based-data-platform-to-analyse-crucial-data/

Digitalisation World
https://m.digitalisationworld.com/news/58482/transport-for-greater-manchester-chooses-snowflake-to-underpin-its-data-analytics-strategy

グレーター・マンチェスター交通局(TfGM)は、グレーター・マンチェスターを走るバス・電車・路面電車のサービスを提供して、のべ360マイル(約580km)の幹線道路ネットワークを構築している、この地域の交通の要です。そのTfGMは目下、クラウドデータウェアハウス事業者のSnowflakeと共同で、マンチェスターをスマートシティ化する取り組みを進めています。

データベース化された旅客ニーズを元に都市交通を最適化する試みは、一見すると目新しいアイデアではありませんが、この地域では1日に560万回もの移動が毎日繰り返されていることを考えると、途方もなく膨大なデータを取り扱わなければならないことが分かります。


TfGMのマルコム・ロウ氏は、取り組みがスタートする前の状況について「我々は以前、スプレッドシートやモデリングツールなどいろいろなやり方でデータにアクセスしていましたが、データがあまりにも膨大だったので、意味のあるデータを得るには多大な労力と時間がかかっていました」と振り返りました。

Snowflakeの分析プラットフォームを活用すると、これまで不可能だった分析が可能になるとのこと。具体的には、どの交通手段を何人が利用しているかを、正確かつリアルタイムで把握し、人員や車両を適切に振り分けることができます。これにより、満員電車の発生や通勤者からの苦情が大きく減少すると期待されています。


取り組みの成果の一部は、既に目に見える形で実現してきています。TfGMは2019年7月に、マンチェスターの中心部での輸送を担うマンチェスター・メトロリンク非接触型決済を導入しました。これにより、運賃は安くなり、支払いも簡単かつ迅速になったとのこと。

また、利用者のトレースも容易になったので、さらに高度な情報収集が可能になったとの利点から、朝と夕方のラッシュアワーの時間帯を正確に予測できるようになりました。これに伴い、新たに「早朝割引」という取り組みもスタート。これは、ラッシュアワーの時間帯とずらして通勤している人の運賃を割り引きにすることで、ラッシュアワー時の利用者を減らし、ピーク時の混雑を緩和させることを狙いとしたものです。

リアルタイムでデータを取得すれば、日々の通勤で交通機関を利用する人を把握できるだけでなく、サッカーの試合や大規模な音楽コンサートなど、突発的な利用者の急増にも対応することできます。通常なら予測が難しい突発的なイベントでも、いつ、どこから来た人がどこへ行ったのかを分析することで、最適な運行スケジュールを組めるというわけです。

ロウ氏は「Snowflakeの技術を使うことで、早朝割引などの取り組みの効果が即時に把握できるようになったので、当てずっぽうな感覚ではなく、確かなデータを元に施策を決定できるようになりました」と話しました。

また、同じく2019年7月からは、地域の地下鉄の97%の駅にWi-Fiを設置。無料でのWi-Fi通信を提供する代わりに匿名の接続データを収集して、利用客の出入りを把握するようにしました。これにより、利用客に混雑具合や駅から駅まで歩いたらどれだけかかるかといった情報が提供できるようになり、利用客の利便性を向上させることに成功したとのことです。


ロウ氏によると、TfGMは今後データをオープンにしていく構想を持っているとのこと。その一例として、マップサービスのGoogleマップやCitymapperにデータを提供する予定だとのこと。これにより、より多くの人が幅広い形態でデータを利用可能になるほか、データをオープンにして透明性を担保し、プライバシーも確保していけるようになるとロウ氏は考えています。

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in ソフトウェア,   乗り物, Posted by log1l_ks

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