ハードウェア

iPadは「大きなiPhone」から10年間でどのように進化してきたのか?iPad誕生から10年を一気に振り返るとこんな感じ


AppleのタブレットPCであるiPadは、2010年1月27日に行われた新製品発表会で初めて発表され、2020年1月27日をもって誕生10周年を迎えました。歴代iPadが人々に与えてきた驚きや進化の歴史について、テクノロジー系ジャーナリストであるRafael Zeier氏がまとめています。

Happy Birthday iPad! — zeiPAD
https://www.zeipad.com/happy-birthday-ipad-10-year-anniversary

iPadが初めて世界に紹介されたのは、2010年1月27日のことでした。

アップル社待望のタブレットPCの新名称は「iPad」 - GIGAZINE


実は、「iPad」という正式名称が発表される以前の段階では、Appleの新しいタブレットPCは「iSlate」という名称になるともささやかれていました。

Appleが新製品発表会を実施へ、新型タブレットPC「iSlate(仮)」の発表なるか - GIGAZINE


iPadはスティーブ・ジョブズ氏がApple復帰時に要望した「500ドル(当時のレートで約4万5000円)以下の根本的に新しいコンピューター」として開発されましたが、2010年の発表時点では既にiPhone 3GSが販売されており、「iPadはただの大きなiPhoneです」「だれがiPadを必要としているのですか?」といった声もあったとのこと。

事実、Zeier氏も「Appleのタブレット(iPad)が非常にシンプルであることに驚きました」と述べていますが、Zeier氏はすぐにiPadに魅了されたそうです。実際にテスト端末に触れてiPadをチェックしたZeier氏は、テスト機の返却後に自分用のiPadを購入しました。

iPadを手に入れたZeier氏は当初、iPadがiTunesアカウントを持つPCからでないとアクティベートできない点に不満を持ったそうで、「Androidユーザーとしては信じられませんでした」とコメント。また、最初のiPadは複数のアプリを同時に開くことができず、Flashにも対応していませんでしたが、Zeier氏はiPadを使って、通勤電車の中で数え切れないほどの新聞や本を読んだと回想しています。

by Free-Photos

iPadが発売された当初、メディア業界には「ゴールドラッシュのような雰囲気」があったとZeier氏は指摘。世界的なメディア王であるルパート・マードック氏は「The Daily」というiPad向けニュースアプリをスタートするなど、iPadが新聞に取って代わり、読書に革命とデジタル化をもたらすと期待されていたとのこと。

また、関連業界だけでなくApple自身にもゴールドラッシュのムードがただよっていたとZeier氏は述べており、2011年にすぐさま後継機のiPad 2を発売するなど、iPadそのものの売れ行きも最初の数年間は非常に好調でした。

3月25日発売の「iPad 2」を高解像度画像付きで徹底解説、まさに「正統進化」したモデルに - GIGAZINE


なお、Zeier氏はあえてiPad 2には手を出さず、第3世代iPadが出てから買い替えを行ったとのこと。

新型iPadをAppleが発表、「新次元に到達したデバイス」に - GIGAZINE


しかし、予想に反して第3世代iPadの登場から1年もしないうちに第4世代iPadが登場し、Zeier氏は非常にいら立ったと述べています。また、第4世代iPadと同時に、小型のiPad miniシリーズも発表され、iPadブームはさらに過熱しました。

7.9インチ「iPad mini」と超高精細ディスプレイ搭載の「第4世代iPad」が登場 - GIGAZINE


その一方で、マードック氏のThe Dailyは人員削減や表示形式の制限といったコスト削減の取り組みが行われましたが、最終的に終了が発表されました。残念ながらiPadがメディア業界における金鉱脈であるという考えは、失敗に終わったとZeier氏は指摘しています。

また、Zeier氏はMicrosoftが2014年に発表したSurface Pro 3に浮気したことを認めています。キーボードやペン、高性能なOSを搭載したSurface Pro 3はまさにZeier氏が求めていたデバイスだったそうで、たとえAppleの新製品発表会の会場でも、Zeier氏はSurface Pro 3を使っていたそうです。

Microsoftが本気を出した新端末「Surface Pro 3」の国内発売日・値段が発表される - GIGAZINE


その間、Appleは薄くて軽いiPad Airシリーズを発表していましたが、売り上げもそれほど振るわなかったとZeier氏は指摘。

iPadシリーズ史上最薄・最軽量で最も進歩した「iPad Air」公式ムービー - GIGAZINE


しかし、2015年にようやく発表されたiPad ProはApple PencilやSmart Keyboardが搭載された大型のタブレット端末であり、非常に高性能で信頼性も高かったとのこと。

Appleの「iPad Pro」がついに発売、史上最高のパフォーマンスがよく分かるムービーなどまとめ - GIGAZINE


そこでZeier氏は再びiPadユーザーになり、2016年に登場した9.7インチiPad Proでついに仕事に最適な大きさのタブレット端末を手に入れたそうです。

「iPad Pro」が9.7インチに小さくなって新登場、Apple Pencilにも対応 - GIGAZINE


また、Zeier氏が「最後のピース」と表現しているのが、iPad専用のOSである「iPadOS」です。iPadOSの登場によってiPadを外部ストレージに接続して使用可能になったほか、マウスを使用することも可能になったとZeier氏は述べています。

iPad専用の新OS「iPadOS」が登場、iPadはiOSにサヨナラ - GIGAZINE


近年ではiPadの売り上げも復調しているほか、iPadが発表された当初のように廉価版のiPadも登場しています。

新型10.2インチiPadが登場、価格は約3万5000円から - GIGAZINE


かつては新聞や書籍を読むデバイスとしての役割が大きかったiPadですが、今では低価格帯のiPadでもムービーや写真の編集、ウェブサイトの作成などが可能となっています。「iPadはもはや大きなiPhoneや新聞の未来ではありません。この10年間でiPadは本格的なコンピューターになりました」と、Zeier氏は述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
アップル社待望のタブレットPCの新名称は「iPad」 - GIGAZINE

3月25日発売の「iPad 2」を高解像度画像付きで徹底解説、まさに「正統進化」したモデルに - GIGAZINE

「iPad 2」の国内発売が正式発表、4月28日に一斉発売へ - GIGAZINE

新型iPadをAppleが発表、「新次元に到達したデバイス」に - GIGAZINE

7.9インチ「iPad mini」と超高精細ディスプレイ搭載の「第4世代iPad」が登場 - GIGAZINE

第5世代iPad「iPad Air」発表、16GBのWi-Fi+LTEモデルは6万円強 - GIGAZINE

Appleの「iPad Pro」がついに発売、史上最高のパフォーマンスがよく分かるムービーなどまとめ - GIGAZINE

iPad専用の新OS「iPadOS」が登場、iPadはiOSにサヨナラ - GIGAZINE

新型10.2インチiPadが登場、価格は約3万5000円から - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.