「Blueskyはアメリカの左派寄りアプリだというのは正しくない」とBlueskyのCOOが否定

共和党支持者のイーロン・マスク氏がオーナーとなっているX(旧Twitter)に対し、同種サービスのBlueskyはXからの離脱者が多く参加していることから「左派よりのSNS」と呼ばれることがよくあるそうです。こうした見方に対し、Blueskyの最高執行責任者(COO)を務めるローズ・ワン氏は「正しくない」と否定しました。

I interviewed Bluesky COO @rose.bsky.team on Bloomberg TV today alongside Caroline Hyde! Two highlights:* Subscriptions are coming by end of the year * Wang rejected the idea that Bluesky is "left-leaning" simply because lots of people are leaving X to joinwww.youtube.com/watch?v=8za3...

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— Kurt Wagner (@kurtwagner.bsky.social) 2024年12月4日 7:54

Bluesky COO Rejects Idea Upstart Social App Is ‘Left-Leaning’ - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-12-03/bluesky-coo-rejects-idea-upstart-social-app-is-left-leaning

Rose Wang, Bluesky COO: ‘People are tired of the algorithm deciding everything’ | Technology | EL PAÍS English
https://english.elpais.com/technology/2024-11-26/rose-wang-bluesky-coo-people-are-tired-of-the-algorithm-deciding-everything.html

一部の左派系メディアやジャーナリストは、マスク氏の政治的主張やX上で拡散される情報の偏りを理由にXからの離脱を表明しています。例えば、大手ニュースメディアのThe Guardianは「Xでは極右の陰謀論や人種差別を含む不穏な内容が拡散されている」「2024年のアメリカ大統領選挙でマスク氏がXでの影響を使って政治的言説を拡散した」といった理由からXへの記事投稿を停止しています。

イギリスの大手紙・The GuardianはなぜX(旧Twitter)に記事を投稿しなくなったのか？ - GIGAZINE

こうした人々の中には類似サービスのBlueskyへの移行を表明しているものもおり、一部ではBlueskyというプラットフォームを「政治的に左寄り」あるいは「反マスク」と見なすものもいるといいます。

こうした点についてBloomberg TVのインタビューを受けたワン氏は「Blueskyがアメリカ中心の左寄りのアプリというのは正しくありません。また、1つの声や1つの政治的視点のためにアプリを作っているわけでもありません」と話し、開発者側としては政治的主張を背景にプラットフォームを運営しているわけではないことを明確にしました。

加えてワン氏は「私たちの方針は、ソーシャルをオープンにしよう、ソーシャルをより健全なものにしよう、というものです。Blueskyは世界的なユーザーを抱えており、Xに代わる政治的なSNSとしての見方は、より多くの人々が参加するにつれて時間の経過とともに変化していくでしょう」とも話しました。

Blueskyのユーザー数は爆発的に増加しており、6億人近くいるとされるXには遠く及ばないものの、公式統計では2400万人のユーザーがいるとされています。爆発的成長の理由について問われたワン氏は「多くのSNSはブランドや有名人​​のコンテンツに焦点を当てており、一般人のことは忘れています。私たちはそんなことはしません。Blueskyは、一般の人々によって、一般の人々のために作られています。ここでユーザーは実際の人々と交流し、楽しい会話をして、再び友達を作ります」とBlueskyの魅力を語り、交流サイトとしての基本に忠実な点が人々を引きつけていることを示唆しました。

2024年11月中にBlueskyアプリのユーザーが300％増加しデイリーアクティブユーザーは350万人に到達 - GIGAZINE

ちなみに、Blueskyの公式アプリではBlueskyのモデレーションチームによるラベル付けに従って投稿の表示・非表示が決まりますが、サードパーティーアプリを使ったり公式APIを用いて直接投稿を取得したりすれば公式モデレーションを無視して全投稿を閲覧可能です。このため、仮にBlueskyのモデレーションチームが恣意(しい)的なラベル付けを行った場合でも、ユーザーはモデレーションを無視して投稿を閲覧することができます。さらに、ユーザーが独自の基準でコンテンツをモデレーションする仕組みや独自基準で投稿を集めるカスタムフィードという機能も存在しているため、技術的には「右派のコンテンツを極力表示しない」という操作や「右派の言説ばかりを集めたフィードを作成して情報収集する」といった使い方も可能です。

なお、GIGAZINEも2024年4月にBlueskyの中の人へインタビューを敢行しており、将来的な機能の拡張やBlueskyの野望などを聞いています。

Blueskyの中の人に「Blueskyの野望」「Blueskyの収益化計画」「Bluesky公式サーバーのスペック」「APIが使えなくなることはあるのか」「ジャック・ドーシーとBlueskyの関係」など今知りたいことを全部聞いてきました - GIGAZINE