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スターバックスが温室効果ガスや廃棄物の排出量を2030年までに50%削減すると発表

by Adrianna Calvo

2020年1月21日、世界的なコーヒーチェーンであるスターバックスが、地球の持続可能性に向けた新しい取り組みについて発表しました。スターバックスは2030年までに店舗とサプライチェーンにおける二酸化炭素と廃棄物の排出量を50%削減するといった目標を掲げています。

A message from Starbucks ceo Kevin Johnson: Starbucks new sustainability commitment - Starbucks Stories
https://stories.starbucks.com/stories/2020/message-from-starbucks-ceo-kevin-johnson-starbucks-new-sustainability-commitment

Starbucks sets new sustainability goals for the decade - The Verge
https://www.theverge.com/2020/1/21/21075852/starbucks-sustainability-goals-waste-water-greenhouse-gases-decade


今回発表された環境への取り組みは、スターバックスのケビン・ジョンソンCEOからのメッセージとして公開されたもの。「私たちの目標は排出するよりも多くの炭素を貯蔵し、無駄をなくし、私たちが使用するよりも多くのきれいな淡水を提供することです」と、メッセージには記されてます。

今回の発表でスターバックスが提唱した「5つの環境戦略」が以下。

◆1:メニューに植物ベースの選択肢を増やし、より環境に優しいメニューに移行する。
◆2:使い捨て容器から再利用可能な容器に移行する。
◆3:サプライチェーンにおける革新的かつ再生的な農業慣行、再植林、森林保全、水の供給に投資する。
◆4:店舗と地域社会の両方で廃棄物を管理するよりよい方法に投資し、食品廃棄物の再利用、リサイクル、削減を促進する。
◆5:より環境に優しい店舗、経営、製造、配送を生み出すために革新を行う。

by gedsarts

以上のような長期的な「5つの環境戦略」に対し、スターバックスは短期的な目標も設定しています。スターバックスが2030年までに達成すると設定した予備目標が以下の3つです。

◆1:店舗とサプライチェーンにおける二酸化炭素排出量を50%削減する。
◆2:店舗経営とコーヒー生産に使用される水の50%に相当する量の淡水を、水不足の地域に提供する。
◆3:循環型経済へ移行することで、店舗や工場から埋め立て地に送られる廃棄物を50%削減する。

by Adrianna Calvo

このニュースを報じたThe Vergeによると、スターバックスが1年間に排出する二酸化炭素の量は、およそ14基もの石炭火力発電所と同等であり、Microsoftのような大企業に匹敵するとのこと。毎年の廃棄物はエンパイア・ステート・ビルディングの2倍を超える重量であり、水の使用量はオリンピックで使用されるプール40万杯分にも上るそうで、「スターバックスの環境フットプリント削減は長い道のりです」と、The Vergeは述べています。

また、スターバックスの持続可能性に向けた以前の取り組みは、残念ながら失敗してきたとThe Vergeは指摘。2008年にスターバックスは「2015年までに提供するドリンクの25%を再利用可能な容器で提供する」という目標を掲げましたが、やがてその目標を25%から5%にまで下方修正しました。結局、2018年の時点で再利用可能な容器で提供されたドリンクは全体の(PDFファイル)1.3%に過ぎず、下方修正した目標も達成できなかったとのこと。

ジョンソンCEOは過去の失敗を受けて、「私たちが学んだことは、厳密な分析やパートナーシップ、投資がなかったことで結果的に高い期待を下回り、異なるアプローチの必要性があるということです」とコメント。持続可能性に向けた取り組みを進めるためにはスターバックスの店舗だけでなく、コーヒー農家やサプライヤー、顧客といった関係する全ての人々が役割を果たす必要があるとジョンソンCEOは述べています。

by JESHOOTS-com

投資推進NGOのAs You Sowで副代表を務めるConrad MacKerron氏は、世界各国のスターバックス店舗において、使い捨てカップを選択した場合に追加料金がかかる可能性があると指摘。スターバックスは2018年に、イギリス国内で5ペンス(約7円)のカップ使用量を請求し、再利用可能なタンブラーの利用者からは25ペンス(約35円)を値引きする戦略を展開し、再利用可能な容器で提供されるホットドリンクの割合を2.2%から5.8%に上昇させることに成功しています。

また、スターバックスは「2020年までにプラスチック製のストローを廃止する」と発表しており、ストローを使わずカップから直接飲み物を吸うタイプのフタを展開しています。MacKerron氏は使い捨て容器を好む顧客を失うリスクを冒しても、新たな行動をテストしたスターバックスの動きを称賛し、「スターバックスは環境問題への取り組みを真剣に受け止めているという多くの肯定的な兆候があります」と述べました。

by henlfern

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in メモ, Posted by log1h_ik

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