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投資で失敗続きのソフトバンクがスタートアップから撤退しまくっているとの指摘

by MIKI Yoshihito

ソフトバンクが、複数の大型スタートアップから一斉に手を引いたことが明らかになりました。その背景には、ソフトバンクが巨額の支援を行ったコワーキングスペースサービスのスタートアップWeWork新規株式公開(IPO)失敗や、犬の散歩代行サービスWagの経営からの撤退など、相次ぐ投資事業の不振があると指摘されています。

SoftBank keeps walking away from startup investments - Axios
https://www.axios.com/softbank-walk-away-startups-honor-creator-seismic-8d4adc0c-dcfb-42d3-982e-f422a9963be8.html

SoftBank Vision Fund reportedly backs out of several investments
https://www.cnbc.com/2020/01/06/softbank-vision-fund-reportedly-backs-out-of-several-investments.html

ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)は、ソフトバンクグループの孫正義CEOが中心となって設立した10兆円規模の投資ファンドで、スマートフォン向けCPU市場で最も普及しているマイクロプロセッサメーカーであるイギリスのARMを傘下に置くなどの成功を収めました。

しかし、ソフトバンクがSVFを通じて30億ドル(約3200億円)もの投資を行ったWeWorkは、創業者であるアダム・ニューマン元CEOのスキャンダルや資金調達の失敗により、当初予定していたIPOを断念。WeWorkが多額の赤字を抱えており経営の見通しが不透明な中、ソフトバンクは難しい決断を迫られています。

WeWorkのスキャンダルやIPOが頓挫した経緯については、以下の記事を読むとよく分かります。

ソフトバンクが多額の出資を行うもIPOに失敗&大炎上でCEOが退任した「WeWork」を専門家が批判 - GIGAZINE

by Eloise Ambursley

資金調達に失敗して大炎上の末CEOが辞任したWeWorkが正式に上場申請を撤回 - GIGAZINE

by Open Grid Scheduler / Grid Engine

また、ソフトバンクは2019年12月にも、3億ドル(約325億円)を投資した犬の散歩代行サービスのスタートアップWagの株式を売却し、経営から手を引いています。

ソフトバンクが325億円を投資した犬の散歩代行サービス「Wag」の株式を売却 - GIGAZINE

by Matt Nelson

そんな中、海外のニュースサイトAxiosは、ソフトバンクが3つのスタートアップへの支援を立て続けに打ち切っていたことを明らかにしました。そのうちの1つである「Honor」は、サンフランシスコに拠点を置く在宅医療及び高齢者介護サービスのスタートアップで、2019年12月5日には「ソフトバンクがSVFを通じてHonorに1億5000万ドル(約162億円)の支援を行う」と報じられていました。しかし、ソフトバンクは、12月中旬に突如としてHonorに対し「孫氏は考えを改めた」と伝え、協議の打ち切りを通告しました。孫氏は、翻意した理由や根拠を明かしていないとのことです。


ソフトバンクが支援を打ち切った2つ目のスタートアップは、サンディエゴを本拠地とするソフトウェアメーカーの「Seismic」です。Seismicはもともと、SVFの第1号ファンドの最後の投資対象となる予定でしたが、協議が長引いたことにより第2号ファンドにずれ込んでいました。Axiosによると、両社の協議の一環として、Seismicのダグ・ウィンターCEOと孫氏が2019年10月に日本で会談したことが確認されているとのことですが、ほどなくして協議は立ち消えとなったとのこと。

3つ目のスタートアップである「Creator」は、サンフランシスコに拠点を置くハンバーガー製造ロボットの開発企業で、Googleの親会社Alphabetによって設立されたGoogle Ventures(現GV)の支援を受けていることでも知られています。Creatorとソフトバンクの交渉も、原因不明の遅延に見舞われており、Axiosに情報を提供した情報筋が「最初の投資の話は消滅した」と話したとのこと。一方、ソフトバンクの内部事情に詳しい情報筋は「交渉は引き続き活発」と話しているとのことでした。

by Shutterbug75

Axiosは「複数の情報提供者の話を統合すると、ソフトバンクが方針を急転換させたのは、SVFの第2号ファンドの資金調達に努めていることが原因のようです。これは、SVFによる外部からの投資の呼び込みが実現していないことを意味しています。また、情報提供者らはWeWorkの失敗が東京に一種のシェルショックを引き起こしていると指摘しました」と述べました。

また、ソフトバンクの広報担当者は、複数のメディアに送った声明の中で「私たちはあくまで受託者であり、投資家から預かった多額の資本を投資しているので、制約を受けていない投資家や典型的なベンチャーキャピタルよりも厳格な投資プロセスを設けています。このプロセスにより、いくつかのケースで想定よりも長い時間を要していることについては、残念に思います。今後は何が求められているのかについて創業者らと膝を突き合わせて話し合い、あらゆる段階で進捗情報を公開できるよう努力します」とコメントしました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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