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高校生が開発して公開後即1万PVを達成したリアルタイム投票サイト「AICEVOTE」とは?


「投票用紙を時間の経過と共に溶ける氷に見立てる」という発想で作られたリアルタイム投票サイト「AICEVOTE」が、2019年12月22日に一般公開されました。公開から数日で1万PVを記録したAICEVOTEを開発する高校生が、リアルタイム投票の仕組みや開発の意図を、プラグラマーコミュニティのQiita上にまとめています。

AICEVOTE(アイスボート)
http://aicevote.com/

高校生がリアルタイム投票サイトを公開したらいきなり1万PVを記録した話 - Qiita
https://qiita.com/akaoni_sohei/items/186121bd9994197aab50

普通の投票では、単純に投票された票の数に基づいて結果が決まります。この方法は全ての票を平等に評価するため、1週間前の時点で投票された票と3分前に投票された票の重みは同じです。


ところが、AICEVOTEでは投票用紙の代わりに「氷」を投票するというアイデアを使い、「現時点でのリアルな投票結果」を知ることができるとのこと。


AICEVOTEの投票箱は底が網目になっており……


時間の経過と共に、投票された「氷(票)」が溶けて水となり、網目の底から漏れていきます。


つまり、新しく投票された票の価値を高く、投票されてから時間が経過した票の価値を低く捉えるというのが、AICEVOTEの用いる手法です。


リアルタイムに投票箱の中の氷(票)をポイント化することで、「もしも今、『一般的な投票』を行ったらどうなるのか?」の結果を教えてくれるサイトになっているとのこと。投票箱はいつでも開かれており、再投票が可能なため、ユーザーはいつでも最新の情報に基づいて、「現時点で自分が支持する方」に票を投じることができます。


開発チームは駒場東邦高校と都立高校に通っている高校生たちであり、開発のきっかけは「とあるゲームのレビュー」を見たことだったと述べています。以下の画像を見ると、8年前の評価が最近に投稿された評価と同価値で扱われていることがわかりますが、ゲームの評価は時代と共に移り変わるものであり、8年前のレビューの価値が変動しないのはおかしいと開発チームは疑問に思ったとのこと。


「古い評価や投票結果が、現時点に至るまで同価値のものとして扱われている」という問題は、飲食店のレビューやテレビの視聴者投票など、複数の場面にも当てはまると開発チームは指摘。そこで、実際に開発チームは機械学習で票の価値をリアルタイムで計算するシステムを開発し、若者向けのUIを構築してAICEVOTEの公開にこぎつけました。「AICEVOTE」という名称は、「AI(人工知能)」「ICE(氷)」「VOTE(投票)」をかけたものです。

開発チームがAICEVOTEの活用例として挙げているのが、「サッカーの試合の勝敗予想」と「政治的な問題の議論」です。サッカーの勝敗予想に関していえば、従来はどちらのチームが勝つのかを試合前に予想して特定の時刻までに投票してもらい、開票して結果を調べる必要がありました。一方、AICEVOTEを利用して勝敗予想の投票を行えば、試合前だけでなく試合中も最新の試合状況に基づいて投票先を変更することが可能であり、リアルタイムで変動する投票結果を見ながら楽しむことができます。

by 134213

また、スポーツの試合よりも長期的な議論となる政治的な問題についても、従来は投票を行った特定の時点における結果しかわかりませんでした。しかし、AICEVOTEを用いて長期間の投票を行えば、新しいニュースやインフルエンサーの発言などの要素によって投票先を変えることができ、リアルタイムで結果が反映されるとのこと。

by Free-Photos

AICEVOTEは「現時点の結果」を公開するだけでなく、「時系列的に投票結果がどのように推移してきたのか」がわかる時系列グラフを公開しており、時間とともに変化する投票結果を見てインタラクティブに楽しむことが可能。また、投票時のログインにTwitterアカウントを用いることで「インフルエンサー枠」を導入し、Twitterのフォロワー数が5万人超のユーザーは一般ユーザーと住み分けされ、投票先とコメントが公開される仕組みとなっています。


記事作成時点では、投票テーマのホスティングはAICEVOTEの開発チームが行なっていますが、将来的には個人で投票テーマをホスティングすることを可能にした、個人向けのAICEVOTEを作る計画もあるとのこと。なお、2020年1月6日の時点でユーザー数が5800人を記録している一方で、大量アクセスによりAICEVOTEのサーバーが不安定な状態となっています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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