iPhone Xで3Dスキャンしてロボットアームが髪をカットしてくれる自動散髪システムが開発される
技術の進歩によって、人間にしかできないと思われていた仕事が機械にも実行可能になっています。そんな自動化の波は理容業界にも押し寄せており、iPhone Xとロボットアームとバリカンで襟元を刈り上げていく様子を、カリフォルニアのスタートアップ「Buzz Robotics」のエンジニアであるManish Sinha氏が公開しています。
Today, @BuzzRobotics enters open beta. We're charging $6 for a neck fuzz cut (tip included). Want to be among the first people in the world to get a robotic haircut? Shoot me a DM. Video of our entire process ???? pic.twitter.com/Fc9AUpJisd
— Manish Sinha (@manishsinhaha) December 16, 2019
まずはロボットアームに取り付けたiPhone XのTrue Depthカメラで、客の首元を3Dスキャンします。なお、スキャン用のアプリはScandyを使っているとのこと。
True Depthカメラでスキャンしたデータは、PC上で3Dモデルとして描画されています。
3Dモデル上に、直接カットを行うラインを描きます。
今度はロボットアームの先端にバリカンを装着。バリカンは設定したライン通りに動き、そのまま襟元を刈り上げていきます。バリカンを入れるポイントは調整がいるものの、それ以外はすべて動的に計算が行われ、常に適切な角度でバリカンを入れられるようになっているとのこと。
最終試験運転で、Sinha氏の腕の毛を刈り上げるところを2倍速で再生したムービーが以下。緑のシールがバリカンの動きの始点となります。後ろに見えているモニターはシステムのステータス画面を映し出すためのものです。
Here's a full cut on my forearm in our final trials before servicing neck fuzz cuts. Also a preview of the kiosk setup: status screen up front, chair in middle, bot behind you. (video is 2x speed) pic.twitter.com/9zOZdP409S
— Manish Sinha (@manishsinhaha) December 4, 2019
以下のツイートで、右の画像が刈り上げた後のもの。そり上げるラインがVの字状になったため、上部中央にやや毛が残っているものの、特に肌に傷もなく、つるっときれいに腕毛が刈り上げられています。
Left is before, right is after. Some room for improvement: note the little bit of v-line remaining on the center. pic.twitter.com/aFpvPDsQ2e
— Manish Sinha (@manishsinhaha) December 4, 2019
また、Sinha氏は、iPhone XのTrue DepthカメラとScandyを利用した3Dスキャンを「ミリメートル単位の精度」と高く評価しています。
And here's the result. Shout out to @ScandyCo for their amazing scanning app. This is *millimeter* precision. From a consumer off the shelf product (iPhone X). pic.twitter.com/nVtfVHxBeR
— Manish Sinha (@manishsinhaha) December 10, 2019
なお、このiPhone Xとロボットアームで襟元を刈り上げるシステムは既にオープンベータ版として公開されているそうで、6ドル(約650円、チップ込み)で体験可能だとのこと。Buzz Roboticsは自動散髪システムの開発を今後も続けていくとのことで、「『世界で最初にロボットによるヘアカットを体験した人間』になりたい人は、ぜひダイレクトメッセージを送って下さい」とSinha氏は呼びかけています。
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