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ロシアが「Wikipediaより信頼できる情報源」として自前の百科事典サイトを強化する予定

by geralt

ロシアでは、通信規制当局である通信・情報技術・マスコミ監督庁(Roskomnadzor)が作成したブラックリストに基づいて、いくつかのウェブサイトを国内からアクセスできないようになっています。2015年にはWikipediaがブラックリストに追加されて閲覧不可能となってしまう事態も発生しましたが、新たにロシアは自国のオンラインポータル百科事典を強化して、「Wikipediaよりも信頼できる情報源」とする予定だと報じられました。

Putin proposes to replace Wikipedia with ′reliable′ Russian version | News | DW
https://www.dw.com/en/putin-proposes-to-replace-wikipedia-with-reliable-russian-version/a-51127214

Russia to upgrade homegrown encyclopedia after Putin pans Wikipedia - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-russia-wikipedia/russia-to-upgrade-homegrown-encyclopedia-to-counter-unreliable-wikipedia-idUSKBN1Y61DA

2019年11月、ロシアで国内のインターネットを国外サーバーから切り離すことを可能にする法案が施行されました。人権団体は言論の自由や情報へのアクセスが制限されるとして反発を示していますが、起草者は「ロシアのウェブサイトを国外の脅威から守り、インターネットが安全で安定した状態で機能することを確保するため」に今回の法案が必要だと主張しています。

ロシアでインターネット規制法施行、政府による情報統制強化への懸念も:AFPBB News


インターネットを国外から遮断することを可能にする法案が施行されてから数日後、プーチン大統領は「Wikipediaをロシア大百科事典の電子版に置き換えた方がいい。いずれにしても、これは現代的な形式で提供される信頼性のある情報になるだろう」と、プーチン大統領はクレムリンで行われた会議で発言したとのこと。

ロシア大百科事典はロシア科学アカデミーの後援で2004年から発刊されている、全30巻にも及ぶ大部の百科事典です。プーチン大統領はロシア大百科事典の電子版を、Wikipediaに対抗し得る存在に強化していく方針を打ち出したことになります。

2015年にロシアでは、大麻に関する記述が問題視されたことに端を発し、Wikipediaへのアクセスが一時遮断されるという事態が発生しました。すぐにWikipediaへのアクセスは回復しましたが、ロシア政府はいまだにWikipediaに対する不信感を持っている模様。

ロシア大百科事典の編集者であるSergei Kravets氏は、オンラインポータル百科事典を強化するために拠出される費用は約2億ルーブル(約3.4億円)であると述べました。また、ロシア大百科事典のために、国立研究教育センターを設立するとの決議案も、メドヴェージェフ首相により署名されたとのことです。

by Pixabay

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