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子どもの心に残る本を書くために重要な5つの要素とは?

By master1305

ロングセラーである本の多くは、親が子どもの頃に好きだった本を、親から子へと読み継いできたことで長い間愛されてきました。子どもの心を揺さぶり、大人になっても心に残り続ける物語を作るために必要な5つの要素を、作家であり、オーストラリアのフリンダース大学で講師も務めるショーン・ウィリアムズ氏が語っています。

Humour, justice, belonging, danger, and wonder: 5 story senses and the art of writing for children
https://theconversation.com/humour-justice-belonging-danger-and-wonder-5-story-senses-and-the-art-of-writing-for-children-125223

◆1:ユーモア
子どものころに覚えた同じジョークを繰り返し言い続けることは得策ではありませんが、少なくとも子どもに「面白い」と思わせることは重要です。英国のベストセラー作家であるテリー・プラチェットは、読者の笑いを誘う本を理解している作家でした。子どもを本のとりこにするには、まず笑顔を与えることが一番だとウィリアムズ氏は語っています。

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◆2:正義
人は早い年齢で公平感が発達し、生後12カ月で善悪の判断ができることを示唆する研究も発表されています。勧善懲悪の物語が嫌いな人は少なく、大人の読者と同じくらい子どもたちにも人気があります。ウィリアムズ氏は、J・K・ローリングハリー・ポッターシリーズの中で、ハリーをダーズリー家に連れ戻す理由は、読者から正義感を引き出すためだと述べています。正義感を利用することで、読者の関心を失いにくくしているということです。

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◆3:帰属意識
勧善懲悪よりも人気が高いといえるジャンルはロマンスだとウィリアムズ氏は述べています。すべての子どもがロマンチックな恋愛に興味があるわけではありませんが、子どもは友人、家族、ペットなどに強い帰属意識を感じています。このような帰属意識に関係する物語、特に共同体を失ったり、否定したりする内容は、読者の興味を引くのに役立つとウィリアムズ氏は語っています。マーク・トウェインの名作「トム・ソーヤーの冒険」にも、少年が共同体の中で自分の居場所を見つけるという内容が描かれています。

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◆4:危険
トム・ソーヤーの冒険には、危険で恐ろしいシーンも含まれています。緊迫感のある架空の物語は、子どもからの人気も高いです。物語から危険なことを学ぶということは、子どもたちに危機意識を持たせる安全な方法です。しかし、危険な物語といっても限度があるとウィリアムズ氏は語っています。若い読者の気を引こうとして、限度を超えて恐ろしい物語を作ると、かえって読者を失いかねないため注意が必要とのこと。

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◆5:センス・オブ・ワンダー
物語の中で何かが読者を「すごい」と思わせたとき、人は不思議な驚きや感動、つまり「センス・オブ・ワンダー」に引き込まれるそうで、これはファンタジーやSF作品の人気を後押しする要素ともいえます。子どもにとってはすべてが新鮮で衝撃的なので、センス・オブ・ワンダーを感じやすい傾向にあります。しかし、年をとるにつれて物語から感じる感動は薄れてしまうとウィリアムズ氏は述べています。

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in Posted by darkhorse_log

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