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ヨーロッパのIPv4アドレスが予備も含めてすべて使い果たされる

by geralt

約10年にわたって取り沙汰されている「IPアドレス枯渇問題」で、以前から予想されてきたとおり、ヨーロッパ地域に割り当てられていたIPv4アドレスが2019年12月を迎える前に使い果たされたことが報告されました。

[ripe-list] The RIPE NCC has run out of IPv4 Addresses ripe-list — RIPE Network Coordination Centre
https://www.ripe.net/ripe/mail/archives/ripe-list/2019-November/001712.html


IPv4アドレスはインターネット割当番号公社(IANA)が統括的な管理を担っており、各地域の地域インターネットレジストリ(RIR)はIANAから割り当てられたIPアドレスを分配しています。ところが、IANAが管理するIPv4アドレスは2011年2月3日に枯渇し、後はRIRが管理する在庫を割り振るだけの状態となっていました。

2011年4月15日には早くもアジア太平洋地域のRIRであるAPNICIPv4アドレス在庫が枯渇したことを報告し、北米エリアを管理するARINも2015年にIPv4アドレスが枯渇したと発表しています。

ヨーロッパにおけるIPアドレスの割り当てを担っているヨーロッパIPリソースネットワーク調整センター(RIPE NCC)でも、2018年4月にIPv4アドレスが枯渇。以後は予備アドレスの割当を行っていましたが、2019年10月に「残りのIPv4アドレスも11月中に枯渇することが確実」と発表していました。

この予測通り、「2019年11月25日の15時35分(オランダ現地時間)に、使用可能な最後のアドレスを割り当てました。私たちの発表はネットワーク事業者にとって驚きではありません。IPv4の枯渇は長年にわたって予想され、計画されてきました」とRIPE NCCが報告しました。


RIPE NCCによると、廃棄されたり不要になったりして返還されたIPv4アドレスの割り当ては今後も行われる予定ですが、管轄地域が必要とする何百万もの新規アドレス需要には応えられないとのこと。これ以降はIPv4アドレス枯渇問題を解決するために誕生したIPv6への移行を進め、IPアドレスの不足問題を防ぐ必要があります。

「IPv6はなかなか普及していない」との指摘もありますが、今後も新しいIPアドレスの需要はなくならないため、IPv6が普及するのも時間の問題だとみられています。RIPE NCCも、「長い道のりですが、私たちは全ての利害関係者に向けて、IPv6の展開をサポートする役割を担うように呼びかけていきます」と述べました。

IPv6はなぜ普及しないのか? - GIGAZINE

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