サイエンス

観測史上最強の「ガンマ線バースト」を観測、太陽の100倍の質量を持つ星がブラックホール化したのが原因と推定

By NASA Video

観測史上最大級の「ガンマ線バースト」が2018年7月と2019年1月に観測されました。2019年1月に観測されたガンマ線バーストは観測史上最強で、45億光年先に位置する太陽の100倍の質量を持つ恒星が重力崩壊してブラックホール化した際に生じたものだと推定されています。

A very-high-energy component deep in the γ-ray burst afterglow | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1743-9

Teraelectronvolt emission from the γ-ray burst GRB 190114C | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-019-1750-x

Astronomers Detect Record-Breaking Gamma Ray Bursts From Colossal Explosion in Space | Science | Smithsonian
https://www.smithsonianmag.com/science-nature/astronomers-detect-record-breaking-gamma-ray-bursts-colossal-explosion-space-180973610/

Astronomers Detect Record-Breaking Gamma Ray Bursts From Colossal Explosion in Space | Science | Smithsonian
https://www.smithsonianmag.com/science-nature/astronomers-detect-record-breaking-gamma-ray-bursts-colossal-explosion-space-180973610/

Astronomers Have Detected Record-Breaking Light Emissions From Gamma-Ray Bursts
https://www.sciencealert.com/gamma-ray-burst-produces-the-highest-energy-photons-ever

ガンマ線バーストは、ガンマ線が数秒から数時間にわたって閃光のように放出される現象です。その威力は「太陽が一生のうちに放出する光をたった数秒で放つ」と形容され、「宇宙最大の爆発現象」といわれています。

ガンマ線バーストは1日に数回程度観測される現象ですが、視野の限られた光学望遠鏡やチェレンコフ望遠鏡では観測が極めて困難。そのため、その原因についても「中性子星やブラックホールのような天体が合体することによって生じる」「大質量星の重力崩壊に伴って生じる」という推測が行われてきたものの、その多くはいまだに謎のままでした。

ガンマ線バーストについては、以下の記事で詳しく解説しています。

宇宙最大の爆発現象「ガンマ線バースト」が何なのかをムービーで解説 - GIGAZINE

By European Southern Observatory

そんなガンマ線バーストの中でも観測史上最大級のものが2つ観測されており、うち1つは2018年7月に観測されています。このガンマ線バーストは高出力の光を放射した後、発生後10時間にわたって残光が検出されるほどの威力。残光に含まれる光子ですら、これまでの観測記録である95GeV(ギガ電子ボルト)を大幅に塗り替える100GeVから440GeVのエネルギーを有していました。

しかし、多くの注目を集めたのは、2019年1月14日に発生したガンマ線バーストです。NASAのガンマ線バースト観測衛星ニール・ゲーレルス・スウィフトフェルミガンマ線宇宙望遠鏡の緊急アラートを受けた東京大学、京都大学、東海大学、ドイツ・マックスプランク物理学研究所(MPP)などの国際共同研究チームが、カナリア諸島ラ・パルマ島に設置されたチェレンコフ望遠鏡MAGICで、最高で1000GeVまで達する高エネルギーガンマ線光子を10秒で200個以上観測することに成功しました。

By NASA Video

観測されたガンマ光子は、可視光の約1000億倍のエネルギーを有しています。また、地上のチェレンコフ望遠鏡を用いたガンマ線バースト現象の観測は、今回が世界初とのこと。研究チームは他の光学望遠鏡の観測結果も統合して、今回の高エネルギーガンマ線放射は45億光年離れた天体から放出されたもので、太陽質量の100倍程度の星が燃え尽きて重力崩壊をきたしてブラックホールとなる際に生じたものだと推定。一連の研究成果は2019年11月20日にNatureに掲載されました。

東京大学宇宙線研究所も、研究成果について独自に発表を行っています。

【プレスリリース】地上のチェレンコフ望遠鏡がガンマ線バーストの信号を初観測〜誕生直後のブラックホールから過去最高エネルギーのTeVガンマ線放射を確認〜 - 東京大学
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/beta/191121.html


研究チームは今回の成果について、北半球・南半球にガンマ線天体を観測するための望遠鏡計118台を建造する「チェレンコフ・テレスコープ・アレイ」の意義を裏付けるものと述べており、重力波を放出する中性子星、ブラックホールの合体現象などのマルチメッセンジャー天文学の躍進につながると語っています。

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in サイエンス, Posted by log1k_iy

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