生き物

ミツバチは水面をサーフィンすることができると判明


ミツバチは水面に落ちてもサーフィンすることが可能だと新たな研究で示されました。このような動きが可能なほかの昆虫は報告されておらず、ミツバチ特有の能力であるとのこと。

Honeybees use their wings for water surface locomotion | PNAS
https://www.pnas.org/content/early/2019/11/12/1908857116

Honeybees can surf to safety | Cosmos
https://cosmosmagazine.com/biology/honeybees-can-surf-to-safety

「ミツバチが水面に落ちると、羽が水面についている間に飛ぶことはできないが、水面をかきわけて前方に進むことが可能である」ということを発見したのはカリフォルニア工科大学のクリス・ロー氏とモリー・ガリブ氏。ミツバチは水面から直接飛び立つだけの力を持ちませんが、前に進むことで池の端に到着し、乾いた地面に着陸することが可能になります。


この発見は、ロー氏が池に着水したミツバチを目にしたことから生まれました。ロー氏は、ミツバチが羽を動かすことで波が生まれ、ミツバチを前方に押し出す様子を目にしたとのこと。

ロー氏はその後、ラボで研究チームとともに自分が目にした状況を再現しました。33匹のミツバチをそれぞれ、同時に着水させ実験したところ、ミツバチの羽が作り出す波はミツバチを中心として左右対称であると確認されました。また、ミツバチの前方には大きな波ができず、後方には特に力強く振幅が大きい波が生まれることも確認されています。


この、「前方に大きな波ができず、後方に大きな波ができる」という波の非対称性がミツバチを前に押し出すとのこと。なお、水面におけるミツバチの推進力は約2000万分の1ニュートンだと研究者は示しています。

実際にミツバチが水面を泳ぐ様子は以下から確認できます。

Bees Surf Their Own Waves - YouTube


スローモーションムービーを確認すると、なぜミツバチが水面を前に進むことができるのかがわかるはず。ミツバチの羽は単に水面を上下するのではなく、水を押し下げる時にカーブを描くのです。


また研究者によると、ミツバチが水面を動く時、羽の動きは空中を飛ぶよりもゆっくりであるとのこと。加えて、羽の上面は乾いたままですが、下面は常に水に触れていることも、前方に進むだけの力を強めています。「水は空気よりも重いためミツバチを捕まえますが、この重さは推進力にも役立ちます」とロー氏は述べました。ただし、水は空気よりもミツバチの羽に負担をかけるため、ミツバチが泳ぐことができるのは10分程度とのこと。

ロー氏らはこの研究結果をロボット研究に適用し、水面を動くことができる小型ロボットの開発に生かす予定だと述べています。

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in サイエンス,   生き物,   動画, Posted by darkhorse_log

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