なぜミツバチは針で刺すと死んでしまうのか?
By Andy Murray
「ハチの一刺し」という言葉があるように、ハチは1度人を刺すと、死んでしまうとよく言われます。なぜ、ハチは刺すと死んでしまうのでしょうか?
Why do bees die after they sting you? - Big Questions - (Ep. 41) - YouTube
「ハチが刺すと死ぬのはどうして?」というのは、知っているようで知らない素朴な疑問です。
この疑問に答えてくれるのはクレイグ・ベンジンさん。ベンジンさんによると、一刺しして死んでしまうのは「ミツバチ」に限られ、さらに刺すのはメスのミツバチに限られるとのこと。これは、産卵管が針に毒を送り込む役目を兼ねているからです。
ミツバチの針を拡大するとこんな感じ。釣り針のようにぎざぎざの「返し」が付いているため、人や動物を刺すときに皮膚を貫きやすく、抜こうとしても返しが皮膚にひっかかって抜けにくい構造になっています。
ミツバチは針を刺した後、その場を離れようとして針と毒を送り込む産卵管を切り離してしまいます。残された針と産卵管は自動ポンプのように敵に毒を送り込み続け、他方で針と臓器の一部を失ったミツバチは、ほどなくして死んでしまいます。
「万一、ミツバチに刺された時は、皮膚に突き刺さった針と産卵管をすぐに抜くべき。お肌に悪いからね」とベンジンさん。
実は、ミツバチが一刺しして死んでしまうのは対人間に限った話。昆虫や人間の皮膚よりも柔らかい皮膚を持つ動物が相手の場合、刺した針を抜くことができるので、一刺しと引き替えに命を失うということはありません。
ところで外敵と戦うメスの働きバチ以外にもミツバチの巣にはオスバチと、女王バチがいます。オスのミツバチは交尾のためにだけ存在し、交尾を終えるとやはり生殖器を失い死んでしまうとのこと。
ちなみに、女王バチの針には返しがついていません。すなわち、何度でも人を刺すことができるということ。しかし、一度巣を作った女王バチは決してその場から離れることはなく、再び針を使うシーンは、新しい女王バチに巣を承継するときのみだそうです。
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