サイエンス

太陽光エネルギーに大躍進、化石燃料と置き換え可能でコスト削減も望める新技術が発表される


ビル・ゲイツ氏によって支援されたクリーンエネルギー企業の「Heliogen」が人工知能を利用して、1000度を超える高熱を発生させる太陽光エネルギーシステムを開発したと発表しました。太陽光をエネルギー源として利用する技術はこれまで商業レベルに耐えうるだけの効率性を持たないことが弱点でしたが、Heliogenはセメント産業や製鋼業でも利用可能で、かつコスト削減を望めるという、画期的な技術を実現しています。

Heliogen - Replacing Fuel with Sunlight
https://heliogen.com/

Secretive energy startup backed by Bill Gates achieves solar breakthrough - CNN
https://edition.cnn.com/2019/11/19/business/heliogen-solar-energy-bill-gates/index.html

Heliogenの技術がどのようなものなのかは以下のムービーを見るとよくわかります。

Heliogen - Replacing Fuels with Sunlight - YouTube


人類はいまだ日常生活を送るために化石燃料を利用していますが、これからの生活ではよりクリーンな、そしてコスト効率のよいエネルギーを作り出す必要があります。


この問題を解決しようとしているのがHeliogen。


Heliogenは、化石燃料の代わりに太陽光を利用するエネルギーシステムを開発しています。その技術は、屋上に設置したパネルから太陽光エネルギーを取り込む従来の太陽光発電とは異なる「集光型太陽光発電システム」を改良したもの。「鏡を利用して太陽光を一点に反射する」というこの技術自体は新しいものではありません。


画像に写っている男性がHeliogenの創設者でありCEOのビル・グロス氏。


Heliogenの開発は、カリフォルニア工科大学とマサチューセッツ工科大学の科学者とエンジニアたちによって行われています。


これまでの太陽光発電はその効率性から、化石燃料に置き換わるものではありませんでした。特に集光型太陽光発電システムには「商業利用に足るほどの高温を生み出せない」という問題がありましたが、Heliogenは、太陽光から極めて高い温度の熱を生み出し、二酸化炭素の排出なしで、商業規模の化石燃料エネルギー利用に置き換わる手段を提供します。


歴史的にセメント産業・製鉄業・採掘業では、有害だとわかりつつも化石燃料を使ってきました。Heliogenの技術をもってすれば、これらの産業も太陽光エネルギーでまかなえるようになるとのこと。


しかも、エネルギーコストを著しく削減でき、カーボンフットプリントも縮小し、企業が持つ持続可能性の目標を達成することが可能です。


Heliogenの施設は以下のような感じで、多角形のミラーが規則的に並んでいます。


近寄ると以下のような感じ。このミラーは太陽の位置によって向きを変えていきます。Heliogenは人工知能を利用した訓練を行い、太陽光を一点に集中させるよう設計されています。1000枚のミラーの向きを厳密に調整し、太陽光を一点に集中させることで高温を生み出すことが可能だそうです。


Heliogenによって太陽光から作られた「Heliogen燃料」は、車や航空機、重機の燃料として使用可能。


Heliogenはまずグリーン水素を作り出すことにフォーカスをあてており、商業的なパートナーや顧客を探している段階とのこと。


なお、Heliogenはゲイツ氏のほかロサンゼルス・タイムズのオーナーであり億万長者として知られるパトリック・スン・シオン氏からの支援も受けています。Heliogenの取締役でもあるシオン氏はHeliogenの技術について「人類に大きな可能性をもたらすものであり、ビジネスの可能性は計り知れない」と語っています。

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in ハードウェア,   サイエンス,   動画, Posted by logq_fa

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