将来のiPhoneやiPadには「手ざわりのあるスクリーンキーボード」が搭載される可能性

by FirmBee

Appleがアメリカの特許商標庁に「手ざわりのあるスクリーンキーボード」の特許を出願していたことが分かりました。「静電触感電極による静的パターン(Static Pattern Electrostatic Haptic Electrodes)」との正式名称がつけられた新技術では、スクリーン上に流した静電気の触感でキーボードの凹凸を表現することで、触ることが可能なキーボードを実現させることが可能だとのことです。

United States Patent Application: 0190302889
http://appft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO1&Sect2=HITOFF&d=PG01&p=1&u=/netahtml/PTO/srchnum.html&r=1&f=G&l=50&s1=20190302889

Future iPad Virtual Keyboards may use Next-Gen Haptics Technology giving users a Superior Typing Experience - Patently Apple
https://www.patentlyapple.com/patently-apple/2019/10/future-ipad-virtual-keyboards-may-use-next-gen-haptics-technology-giving-users-a-superior-typing-experience.html

これまで、感触のあるスクリーンキーボードに関する技術としては、電気振動により摩擦を発生させて立体的な感触を再現する「Touch Surfaces」や、超音波で何もない空中に触感を発生させる「空中触覚タッチパネル」などが登場していました。

そんな中、Appleの特許を専門とするニュースメディアPatently Appleが「Appleが申請した、仮想キーボードをリアルな手ざわりで表現できる触感技術の特許に関する書類が特許商標庁により公開されました」と報じました。

以下の画像は、実際の特許出願書に添付されていたスクリーンキーボードのイメージ図です。iPadのような見た目のデバイスのスクリーンに、キーボード状の模様が表示されているのが分かります。

また、Patently Appleが入手した別の資料からは、さまざまなパターンでキーを表現できることがうかがえます。

この技術の原理についてAppleは「Static Pattern Electrostatic Haptic Electrodesに制御された電圧を印加することで、導電性物体が絶縁材料上を移動する際に可変的な摩擦を生じさせます。この摩擦は、絶縁体の表面が実際には平面である場合でも、ユーザーにはくぼみとして認識されます」と説明。スクリーン上に流された静電気により生じる摩擦の変化で、キーボードの感触を表現するとが可能だとしています。

出願書類に掲載されたイメージ図はiPadのものですが、出願書類には新技術が搭載されるデバイスの例として「PC・スマートフォン・タブレット・ウェアラブルデバイス・キッチン家電などが考えられますが、これらに限定されません」とも記載されていることから、iPadに限らずスマートウォッチや電化製品などさまざまなAppleデバイスにリアルな感触のスクリーンキーボードが搭載される可能性があります。

Patently Appleは「今回の特許が申請されたのは2019年2月26日のこと。ただし、特許の出願書類はあくまで概念を示したものだと考えると、実際にどんな製品が市場に投入されるかといった詳細や、その時期については不明です」と述べて、新技術が搭載された製品の発売はかなり先のことだろうとの見方を示しました。